Column│新しいライフスタイルのご提案や、子育て、オーナーさまのこだわりのお宅拝見、
著名人によるコラムなど、毎月厳選した住まいに関する情報をお届けいたします。

よき仲間の集まる事務所は、御苑を一望できるパワースポット評論家金 美齢さん

二度と手に入らない眺め

東南西と三方向が見渡せる大きな窓。朝から夕方まで日が入り、冬は暖房要らず。風が抜けるのでこの夏も冷房は数回入れただけという。空気の澄んだ日には、携帯電話会社のビルのちょうど右側に富士山が見える。

新宿御苑と、それを囲むビル群、そして空が南側の壁一面の大きな窓にすっぽりおさまって、まるで一枚の絵のよう。
しかもこの絵は四季折々、いや一日の中でも表情豊かに移り変わり、いっときたりとも飽きさせない。評論家の金美齢さんの一番好きな場所は、事務所兼自宅のこのマンションだ。

大好きなオレンジ色のジャケットに身を包んで。

「東京中ではここが一番好き。この部屋に住んで20数年になります。娘のリクエストで別に三世代三世帯住宅を建てましたが、ここを手放したら二度と手に入らないと思い、事務所として残したのです。
そうしたら、周りの皆さんが『よかった~』って私以上に喜んでくれてね。対談でいらしたある化粧品会社の会長さんには『日本三大借景だ。絶対に手放してはいけないよ』と絶賛されるし、私はこの部屋を維持するために働いているようなものよ。数年前に戻ってきたので、いまは『この部屋に住み込みで働いています』と言っているの」
と、大好きな部屋の話に、金さんの声はいっそう華やいだ。

理想の「サロン」を主宰

パーティ時には居間の一角に寿司カウンターがしつらえられる。居間の奥のサンルームは松坂牛の鉄板焼きコーナーに。

テレビでの論客ぶりが印象深いが、一方で実にサービス精神旺盛。人をもてなすことが大好きで、自分もおいしいものが大好き。この部屋を「サロン」と位置づけ、新宿御苑が一番美しい花見の時季と、毎年一日限りの神宮の花火の夜には、ごちそうをたっぷり用意して親しい友人などを招き、パーティを催す。
金さんを核にした新しい出会いがいい人間関係を生み、どんどんつながっていく。流れに乗って、部屋にはいろいろな「福」が舞い込んでくるという。

「南向きでさんさんと日が入ってくるし、人間も空気も循環するから、ここはまさにパワースポット。だから季節のおいしいものがたくさん届くのよ。いまも新潟のコシヒカリに、北海道のジャガイモでしょう。皆さんにおすそ分けもして、『物産の集散地なの』って言って笑っているんです」

真南に新宿御苑が広がる絶好のロケーション。窓を開け放すと、都会とは思えない緑のにおいが飛び込んでくる。日が暮れれば新宿御苑は真っ暗になり、遠くの夜景の美しさが際立つ。

取材に講演に国内外を飛び回る多忙な日々。元気の源は、この部屋で毎朝、1時間半から2時間かけてとる朝食の時間だ。
「新宿の高層ビル群の間から見える富士山を眺めながら、ゆっくり朝食をとるのは、本当に贅沢な時間です。特にこれからの季節は富士山がきれいに見えるでしょう。たっぷりエネルギーをもらって、午後からバリバリ働くのが、理想的な一日の過ごし方ね」
このスペースはすべて自分で設計をしたというくらい、住まいにはこだわりを持つ。
「衣食住のどれも大事だけれど、優先順位をつけるのなら、人生の一番長い時間を過ごす住まいがトップ。好きな家に住んで現役で働くことが、いまの私にとっての一番の幸せです」

金 美齢 (きん びれい)

1934年、台北生まれ。1959年来日、早稲田大学第一文学部英文科入学。大学院生時から多くの大学の講師を歴任。1993年より日本のテレビで提言活動を開始。現在、評論家、コメンテーターとして活躍中。著書に『私は、なぜ日本国民となったのか』(ワック)、『日本を讒する人々』(PHP研究所)など。2010年より20歳~40歳を対象とした「美齢塾」をスタート。JET日本語学校理事長。

新生活にふさわしい快適な部屋作りのコツとは?

春は新年度が始まる季節。学校が変わったり、職場が変わったり、周囲の顔ぶれが変わったりする人も多いのではないでしょうか。
新しい環境には、気持ちも新たに臨みたいもの。そのためにも、お部屋の模様替えはいかがでしょう?今回は、快適な部屋作りのコツをご紹介します。

ゆっくりくつろげる広々とした部屋を作るポイント

快適な部屋とはどんな部屋でしょう?
感じ方は人によって違うでしょうが、圧迫感のある窮屈な部屋がいいという人はあまりいないでしょう。
まずは、天井や壁など面積の広い部分を明るく淡い色にすると、部屋全体が広く見えます。その最たる色が白。
さらに、大きな家具の色も壁等に合わせると、家具が壁になじんで広く見えます。
次に、視線や動線を遮らないように家具を配置することです。歩くときに邪魔にならないよう、床が見える面積が広くなるように、家具を固めて配置します。

視線を通すには、家具の配置もポイントですが、家具自体の背を低いものにできればより効果的です。ほかには、カーテンを(窓枠の大きさにかかわらず)天井からつるすと、天井が高く見えます。また大きな鏡を、できれば窓や外の景色が写るように置くと、部屋が広く明るく見えます。

無難になり過ぎないように手軽にメリハリをきかせるには?

白っぽい色を基調に部屋作りをしたら、確かに広々したけど無難でつまらない、アジアンテイストに憧れる、ビビッドカラーを使ったメリハリのある部屋にしたい... そんな不満・希望が出てくるかもしれません。そんなときは、小物に濃い色・鮮やかな色を使うと、部屋の印象が引き締まります。面積が小さくても、使う色に統一感があれば、部屋全体の印象を変えることができます。
あるいは、比較的交換しやすいファブリックで味付けをするのもおススメです。カーテンまで変えればかなり印象が変わりますので、クッションカバーなど小さなものから少しずつ変えて、調整していくとよいでしょう。

リゾートの憩いに満ちた平家の家

[東京都小平市 Kさま邸]

「バリ島のリゾートホテルのようなくつろぎに満ちた住まいで、友人たちと楽しい時間を過ごしたい」。
そんな想いを叶えた平家のKさま邸。舞台となるリビングは、窓の外に広いデッキや南国風の庭が広がり、まさにアジアンリゾートの雰囲気。

ダークな色合いの床や建具と、珪藻土(けいそうど)のコテ塗り壁が調和し、間接照明のやわらかな灯りが優美なムードを醸し出しています。

リビングの一画にしつらえたモダンな和室は、障子を開け放てばひと続きの大空間になり、大勢のご友人が思い思いの場所でゆったりとくつろげます。和室の窓から眺めたときは庭が和風に見えるよう、植栽や庭石に趣向が凝らされていました。

一方で、一人暮らしのKさまがふだんは効率よく快適に暮らせるように、プライベートエリアの間取りをひと工夫。 ダイニングキッチン、寝室、納戸をつなぎ、1LDK感覚のコンパクトな空間で日常生活が完結できるようになっています。

もうひとつ、とっておきのリゾート感を味わえるのが、お風呂好きのKさまの夢を叶えた浴室です。インテリアのような美しいデザインの浴槽に浸かりながら、庭の眺めを楽しむバスタイムは至福のひととき。
「湯上りのほてった体で外に出て庭の東屋でひと休みすると爽やかな風が心地よいです。一日の疲れが癒されて、心身ともにリフレッシュできます」とKさま。

プライベートな空間が見えない造りだから、バスタオル一枚で涼んでいても近隣からの視線が気になりません。

「男の隠れ家」のようなこのお住まいは、多忙なKさまが自分を取り戻す憩いのオアシス。今夜もご友人が集まり、賑やかな宴となりました。

子どもをすくすく育む家 2

AERA with Kids ☓ ミサワホーム

「AERA with Kids」前編集長の中村正史さんとミサワホーム商品開発部の佐藤悦子による、「子育てと住まい」の対談第2回。
コミュニケーションしやすい家、地域の中のつながり......。
お話しは、深く静かに盛り上がっていきました。

会話上手は子育て上手 「縁側空間」でコミュニケーションを

中村 子どもがいくつの時に家を建てるか。子どもの年齢によって、間取りや部屋に求める機能が変わります。どうお考えですか?

佐藤 これまで日本では、住まいをいったん建ててしまうと、増改築などの手をあまり入れてこなかったのですが、住まいというのは「硬い箱」ではなく、家族が幸せに暮らしていくための「巣」であってほしいですよね。もっと優しく、柔軟に考える必要があると思います。住まい手のニーズの変化に応じて「編集できる家」。それに、日本的な感性を育んでくれる家ですね。重厚な壁でがっちり囲まれていないと部屋と認識できないのが西洋の人々ですが、日本人は従来、柱や障子を部屋の境界として認識できる感性を育んできたのです。子どもの年齢に応じて、そういう日本人ならではの感覚を上手に育みながら住めるように、私たちは住まい手の方々と一緒に住まいづくりを考えていきたいんです。

中村 なるほど。家は子どもの成長、家族の成長の場だから、状況に応じて変わっていくべきものだという考え方ですね。そもそも家ってなんだろうって考えると、コミュニケーションを育む場だと思うんです。私どもの編集部では「会話上手は子育て上手」と言っていますが、親子の会話は子どもが語彙を覚え、聞く力を持ち、自分の意見を伝え、そして社会への関心を広げることにつながっていく。つまりは、コミュニケーションこそが、子どもの知性を育む有効な方法なんですね。そう考えると、子育て中の家は、いろんな人が「こんにちは」と入ってこれる、コミュニケーションの機会がどんどん広がる家が理想でしょうね。

佐藤 たとえば縁側から、いろんな人が「こんにちは」と入ってこれる家とか?(笑)。じつは、私たちは「縁側空間のある家」を提案したことがあります。

中村 縁側?私は九州出身なので、育った家には縁側も土間もありました。懐かしいなぁ。

佐藤 縁側は、建物の外でもあり、内でもある。いろんな人がちょっと立ち寄って、段差に腰掛けやすい空間ですよね。それに、室内の土間には、少々の汚れは気にしない気楽さや、夜のひんやりした空気から蓄えた「冷気」を日中に放出する機能もあり、自然を活かした暮らしが可能です。気のおけない人同士がコミュニケーションをするための恰好の空間なんです。

中村 そういえば、子どもの時に私が「いろんな大人がいるんだ」と学んだのも、縁側でした。今なら、縁側のある家の子は、人気者になれそうですね(笑)。塾やお稽古ごとで忙しい今の子どもたちは、友だちの家に遊びに行くことが減っていますが、縁側があれば、みんながもっと自然に集まってきそうですね。

佐藤 建物の外側、それに軒下の縁側だけでなく、「腰掛けられる段差」が土間と一緒にそのまま室内に入り込ませた提案も併せて、「縁=en空間」と呼んいます。「新しい"縁"を育める縁側、いかがですか?」と消費者インタビューでお聞きしたら、あるご主人は「友だちの家にあったらいいな。いつでも遊びに行くぞ!」って。

中村 「友だちの家」ですか?自分勝手ですねぇ(笑)。

共働き家庭が求める「地縁」のつながり

中村 教育媒体をつくっている立場から思うのは、とにかく子どもが小さいうちに親子でいろんな話をする習慣をつけてくださいということです。大学生、社会人になってからだと、もう手遅れなんです。リビングルームで勉強させようという風潮もありますね。よかれと思って与えた個室が"孤室"になってしまいがちだからと。

佐藤 そうですね。結局子どもにとって最も大切なのは、家の中に"大好きな空間" "家族と話せる空間"があること。ひと昔前でいう「みかんと炬燵」のある部屋かもしれません。

中村 働くお母さんが増えたから、なおさらでしょう。働くお母さんたちは、限られた時間の中で、子どもとどう密度を上げてコミュニケーションしていくかを考えていらっしゃる。佐藤さんも、そのお一人ですよね。

佐藤 ええ。家族の協力のおかげで成り立っていますから(笑)。それでも、ときとしてキャパ・オーバーになることもありますが。そんな時にありがたいのが、学校の先生やご近所の方など、両親以外の大人の目なんです。

中村 まさに「地縁」。暮らす地域の中の、プラスアルファの目ですね。共働きで、子どもが両親のいない家に帰ってくるのが当たり前の今、たとえ一戸建ての家でも、庭と庭をつないでしまうとか、先ほど話に出た縁側空間をオープンにするとか、集合住宅的につながっていく、つなげていく必要が出てきているんではないでしょうか。

佐藤 はい。当社も、「点」としての「住宅」を提案するだけでなく、点と点がつながり、そこから生まれる「面」=「地域」としての提案も考え始めています。住宅メーカーの責任は大きいとあらためて思っています。

中村 住まいと子どもの話題は尽きませんね。住まいづくりのこれからが、ますます楽しみです。

中村正史(なかむらまさし)

「AERA with Kids」(朝日新聞出版)前編集長。長年にわたって教育問題に携わり、「週刊朝日」副編集長、「AERA」誌面委員、教育・ジュニア部部長などを歴任。「AERA with Kids」「AREA with Baby」の企画・発行に携わる。

佐藤悦子(さとうえつこ)

商品開発部で戸建住宅の企画・設計に従事。
「住まいは巣まい」という企業理念の下で、子育てを強く意識した住宅の企画開発やキッズデザイン関連の業務を担当。自身の子育て経験を生かしながら、子どもと家族とともに成長する家づくりを目指している。

  • 連載「住まいとお金」ファイナンシャルプランナー 久谷真理子
  • わが家の建てどきガイド
  • 資金計画タイプ別診断 あなたの資金の傾向をタイプ別で診断!

PAGE TOP