家族が集まる、光あふれるセンターリビングの家
[千葉県千葉市 Nさま邸]
長年にわたる東南アジアでの海外赴任生活を終え、ご実家の隣にお住まいを新築されたNさま。手彫りの風合い漂うセラミックの外壁が印象的なハイブリッド住宅で、「モデルハウスを見て一目でデザインが気に入りました」と笑顔で語ります。
ダークカラーの床や建具でアジアン風にコーディネートしたLDKは、天井まである大きな窓から陽光が差し込んで明るく開放感いっぱい。
スケルトンの階段がオブジェのように映え、赤のチェアと共にインテリアのアクセントになっています。
3人のお子さまを持つご夫妻が、何よりも大切にされているのが家族との時間。そこでみんなが集まるリビングはセンターに配置し、オープンキッチンと対面するスタイルに。「キッチンにいても、リビングで遊ぶ子どもたちが見守れて安心。会話も交わせるから楽しくて」と奥さま。
お子さまが必ず家族と顔を合わせてから2階に上がるよう、階段をリビング内に設けたのもこだわりです。階段には梁の厚みを利用して飾り棚をしつらえ、旅行写真や思い出の小物など家族の「歴史」をディスプレイ。さらに階段の2階壁には半透明のアクリルパネルをはめ込んで、北側で暗くなりがちな洗面スペースに光を通す工夫も凝らしています。
小さなお子さまがありながら、すっきりと美しい暮らしが保てるのは収納が充実しているから。特に小屋裏を最大限に有効活用した大収納「小屋KURA」は大活躍。「段ボール100箱以上あった」という膨大な荷物も余裕で収まっています。
週末は隣家に住むご両親や妹さま夫妻を招き、総勢9人で楽しく賑やかに食卓を囲むというNさま。
このお住まいを舞台に「大家族」の温かな交流が育まれていました。
アーティストの原点に戻れる『上野の森』作曲家千住 明さん
森の深さに挑んできた
上野駅から東京藝術大学にたどり着くまでの道すべてが千住さんにとっての散歩コースだが、森を抜けてぱっと開ける東京都美術館と旧奏楽堂付近の雰囲気も好き。
作曲家の千住明さんが愛する場所は東京の"上野の森"。
「東京藝術大学作曲科を2回落ちたとき、代わりに合格発表を見に行ってくれた兄に『落ちて悔しいだろう。だが上野の森は深いんだ。お前は森の深さを知らない』と言われました。
藝大のレベルの高さと無自覚な僕をいさめた言葉でしたが、僕の中で森が急激にクローズアップされた瞬間でした」
噴水前広場から東京都美術館に向かう小道が特に気に入っている。千住さんが学生時代から歩いていた小道はなくなってしまったが、当時の雰囲気を残した道が新たにでき、ここもお気に入りのスポットになりそうだ。
森が確かに深いと感じたのは、受験の帰り道だった。
藝大の試験は約8、9時間にもおよび、千住さんは試験後に東京都美術館から噴水前広場に延びる小道でしゃがみこんでしまったことがあった。
簡単には歩けない、住人にさせてくれない森だからこそ強く憧れた。
「卒業時に僕の曲が藝大買い上げになって、これでやっと森に住人として認められると思いました。やっと、音楽の女神が僕に微笑んでくれたんです」
東京文化会館はアーティストにとっての聖地。美術番組を担当するようになり、上野にはますます頻繁に通うようになっている。
この5~6年、東京文化会館や旧奏楽堂で演奏する機会が増え、また美術のテレビ番組を担当するようになり、まさに森に『呼び戻されているなぁ』と感じるという。
「森を歩くと、気取らない自分に戻れる。行きかう人はいるけれど一人になれる、そんな場所です」
リビングルームは「未来」
「最近、上野の森が様変わりしていますが、僕にとっては特別な場所であることに変わりはありません」と千住さん。
千住さんが現在住むのは、東京都内のマンション。何も置かない「まるでショールームのような」リビングルームが、千住さんのお気に入りの場所だ。
「自宅の仕事場が私の頭のなかのようにごちゃごちゃしている分、リビングルームはまっさらにしておきたいんです」
大きく開かれた窓から一望できる東京タワーと富士山を眺めていると、気持ちに余裕が出てきて、頭を空っぽにできるという。
「上野の森が心のふるさととしたら、リビングルームは未来のイメージですね。今後の音楽をデザインする場所として、空っぽにしておきたいと思っています」
千住さんが今後の音楽生活で力を入れるのは、日本語オペラだ。
「クラシック音楽にポピュラー性をもたせてファンの耳を肥えさせてきた自負があります。ファンの耳にもっと栄養を与えるために、かねてからチャレンジしたかった日本語のオペラを作ります」
日本の古典をテーマとした演奏会形式のオペラを3本上演し、手ごたえを得た。来年は泉鏡花の「滝の白糸」をオペラに挑戦する。
「長年かけて培ってきた僕の奥にある深いものを出したい。これからの25年が第二の本番です」
千住 明 (せんじゅ あきら)
1960年東京都生まれ。慶應義塾大学工学部を経て、東京藝術大学作曲科卒業、同大学院修了。修了作品「EDEN」は東京藝術大学に買い上げられ、永久保存されている。藝大在学中に音楽家としてデビュー、映画音楽やCM音楽を中心に作曲家、編曲家、音楽プロデューサーとしての活躍は多岐にわたる。数年前より日本語オペラに挑戦、2009年と2011年には俳人の黛まどかさんの台本によるオペラ「万葉集」をすでに2本上演、成功をおさめる。東京音楽大学客員教授。
春の装いを快適に、衣替えでリフレッシュ!
日本では昔から、6月と10月に衣替えをする風習があります。しかし、4月に入ると、朝晩は冷えることもありますが、日中の気温も上がってきますので、衣服での調節が重要になってきます。また学校への入学などに絡め、4月に衣替えを行う家庭もあるようです。さわやかな春、衣替えでリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
冬物のお手入れのポイントは?
春の衣替えのポイントは、まずセーターやコート、ダウンジャケットなど、シーズンオフとなる冬物のお手入れです。そのコツは、汚れをしっかり落とすことと、湿気を防ぐことにあります。汗や食べ物の汚れは、シミの原因になりますし、衣類につく虫のエサにもなります。しっかりお洗濯し、乾燥させてからしまいましょう。ドライクリーニングから戻ってきた衣類は、天気の良い日にビニールをはずして風通しの良いところで陰干しをします。石油系の洗剤も、カビやシミの原因になるので、しっかり揮発させることが大切です。元のビニールをかけてしまってしまうと、再び湿気がこもることにもなりがちですので、長期保管のためには、不織布などの市販のカバーをかけるのが適切です。
衣替えを機に、整理収納の見直しを
日々、ストレスなく着たい洋服を選ぶことができるように、クローゼットの中を整理しましょう。ハンガーに掛けたままにしておくのが楽と思いがちですが、スペースに限りがある以上、コンパクトにまとめることのできる、"たたむ収納"が基本になります。特に、ハンガーに掛けると跡が残ったり、伸びてゆがんだりするものは、たたんで収納してください。ジャケットやコートをたたんで衣装ケースにしまう場合は、折り目にタオルをはさんで、たたみジワがつかないように工夫しましょう。
衣類をシーズンで大まかに分けて、ひとまとめにして収納ケースを割り当てておくと、衣替えをするときに、ケースごと入れ替えることができるので便利です。年間を通して着る衣類は、常に出し入れしやすい場所に収納すると良いでしょう。
計算された空間設計とモノトーンがつくる佇まい
[愛知県 Sさま邸]

Sさまご夫妻のご自慢は、「機能性を満たしながら、個性的で感性を刺激するような住まい」であること。また、「モノトーンでありながらシャープになりすぎず、穏やかな雰囲気に包まれていること」もお気に入りのひとつです。
1階はパブリックスペース、1階と2階の間に「蔵」があり、2階がプライベートスペース。空間構成は決して珍しくはないものの、ここにはさまざまな工夫が随所に盛り込まれ、Sさま邸ならではの個性が巧みにつくり出されています。

たとえば、パブリックスペース。リビングとダイニングキッチンは敢えて一体化せず、連続させただけのセミオープンに。そのため、空間全体にメリハリができ、居室の役割も明確になりました。リビングの南面には隣家があるため、窓を高い位置に配置。テラスへ続く開口部とともに、隣家からの視線を遮りながら十分な明るさを確保することができます。また、ダイニングとキッチンは一直線に配置することで、効率のいい家事動線も実現。キッチンの奥には家事スペースもあり、使い勝手のよさが好評です。

こうしたパブリックスペースに、独特の表情を与えているのがライトグレーのアクセントウォールです。アクセントウォールとは、仕上げ面を少し前に出すこと。アクセントウォールは、隣家からの目隠し効果とともに、空間に一体感とリズムをもたらしています。

さらに、Sさま邸は、玄関アプローチも特徴のひとつでしょう。外観のアクセントになっている矩形の黒い壁。その奥が玄関アプローチで、ここは格子で囲まれています。そのため、ほの暗いアプローチを通って玄関へ、さらにホールを抜けると、明るいリビングやダイニングが視界に飛び込んでくる。そうした空間設計により、異空間へと誘われるような不思議な感覚を覚えるとSさまご夫妻。ここには端正な佇まいの中に、感性を刺激するような楽しさがありました。
住まいをデザインする - デザインの基本 -
ライフスタイルから「快適」をデザインする
住む人のスタイルに合った心地よいデザインは、住まいを豊かで、快適なものにしてくれます。見た目の美しさだけでなく、使いやすさや楽しく暮らすための要素を盛り込んだデザインとは?理想の住まいを実現させるために、住まいのデザインの基本を抑えておきましょう。
デサインの基本はシンプル・イズ・ベスト
暮らす人のじゃまをせず、好みのインテリアなどを自由に楽しめる空間にするためには、よりシンプルなデザインを心がけることが大切です。「シンプルにする」とは、余分な要素をそぎ落とし、必要なものの良さを最大限に生かすこと。そこで何をしたいのか、どういう生き方をしたいのかを考え、本当に必要な要素をじっくり検討していきましょう。
落ち着きのある住まいを実現するには、デザインの整理整頓が不可欠です。
点を整理する
たとえば釘やビスの頭など。できるだけ隠すか、あるいは点を集めて線や面、柄に見せるのも一案です。ダウンライトなどは、形状・材質・色などをまとめ、そろえ、少なくするようにします。
線をまとめる
柱や梁、窓枠、巾木など、住空間には多彩な「線」が存在します。これらを一定のルールにしたがってまとめていくことも、デザインの基本です。
面を整理する
住まいの中で、もっとも多くの面積を占めているのが床・壁・天井です。このような面的要素をいかにシンプルに設計するかということも、重要なポイントになります。
サイズを統一する
点・線・面などの要素をシンプルにまとめるには、サイズの統一も不可欠。高さや幅、間隔などを徹底的にそろえることで、スッキリした空間が生まれます。
カタチをそろえる
細部のデザインまでこだわってまとめることも重要です。金具や、たとえば二つの窓を並べて設ける場合、大きさやタイプも、できるだけ統一したいものです。
色数を制限する
インテリアを楽しむには色数を抑えること。ベーシックカラー70%、サブカラー25%、アクセントカラー5%という配分が理想的です。
柄を統一する
色づかいと同様に重要なのが、壁クロスや天井材、床材、ファブリックなどの柄・模様です。住まい全体のイメージがバラバラにならないよう配慮しましょう。
材質をまとめる
床・壁・天井などに使われる部材の材質は多種多様ですが、これらも各々種類を少なく。またグレード感もできるだけ合わせましょう。
テクスチャーを統一する
素材表面仕上げには、マット状や、光沢状のものなどがありますが、造作材がマット状なら、床もマット状に。同一材料のテクスチャーはできるだけそろえたいものです。
ライフスタイルを反映させる
どんなに好きなデザインでも、住む人の暮らし方に合っていなければ意味がありません。暮らしを見つめ、そのスタイルをデザインに反映させることが重要です。
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