父の思い出が宿る砧公園は、音楽家のオアシス音楽家浜口茂外也さん
『バラが咲いた』が生まれた地
パーカッションの名手と謳われる浜口さんだが、最近はシンガーとしても人気。「七光りが嫌で封印してきた親父の曲を、ライブでリクエストされて歌い始めました」と柔和な眼差しで語る。上の写真で手にするマラカスは、中学生のとき庫之助さんから譲られた大切な楽器。
小学6年のとき母親を亡くした浜口茂外也さんは、ほどなく父親の浜口庫之助さんと中野区から世田谷区の砧公園に近い借家に移り住み、高校1年まで暮らした。
「当時、ここは都営のゴルフ場で、親父はゴルフを目当てに引っ越したのですが、1年後には公園になってがっかりしていました(笑)。サッカー少年だった僕は、グリーンの面影が残る芝生のスロープにボールを蹴り上げて、毎日のように一人練習を繰り返したものです」
借家には庭があり、赤と白のバラが咲き誇っていた。庫之助さんはそれを眺めて、名曲『バラが咲いた』を作詞・作曲したという。
「親父はきっと亡き妻、僕の母を想って書いたのでしょう。キミは散ってもボクの心の中にずっと咲いているよ、と。人それぞれの来し方に例えて共感できる歌だからヒットしたのだと思います」
木立から音楽が聴こえてくる
桜のアーチの下を走る1.75kmのサイクリングコース。ジョギングも楽しめる。
砧公園に来ると浜口さんはいつも入り口に自転車を置き、周回コースを早足に歩き始める。
「突然バードサンクチュアリ辺りの深い森のような木立から、幽玄な能管の音が聴こえてきて、清々しくも不思議な気持ちになったことがありました」
また、あるときはバグパイプの音色で『アメージンググレイス』が聴こえてきたという。
「思わずそばまで行ってみると、なんとセミプロの4人組がコンサートに向けて、音合わせをしている最中でした。スコットランド民謡を英国の森でじっくり聴かせてもらった気分でしたね」
携帯用アンプでカラオケを流しながら、アルトサックスでジャズを奏でている人は、あまり上手じゃないけれど気持ち良さそう。芝生でベリーダンスを踊る女性と、傍らでアラブの太鼓をたたく男性は恋人同士だろうか。桜の大木の下でベンチに座って、初老の男性がJポップのメロディをウクレレで奏でている。歳を取ってから楽器を始めるのもいいものだ。
ゴルフ場の面影を残す芝生のスロープ。ここで中学生の浜口少年はサッカーボールを蹴り続けた。
そう、砧公園は人々の憩いの場であると共に、音楽家にとっても心置きなく演奏できる貴重なオアシスなのだ。今日もまた、散歩がてらいろいろな音楽を聴いて幸せいっぱいになり、浜口さんは自転車にまたがって帰路についた。
浜口茂外也 (はまぐち もとや)
1951年東京生まれ。早稲田大学在学中にニューヨークに渡り音楽修行。1975年、細野晴臣氏に誘われ、ティンパンアレイのツアーにパーカッション、フルートで参加。スタジオミュージシャンとしても活躍する。1990年、アルバム『TAKARA-MONDE』を発表。2000年に歌を歌い始め、ソロ・アルバム『Din Don』を発表。以来各地でライブ活動も始める。2008年9月にソロ2作目となる『月影の恋』を発表。父は浜口庫之助。
リネンのある暮らし
リネンは、古くから親しまれてきた素材ですが、そのナチュラルな風合いと上品な質感が見直され、最近では住まいに取り入れる方も増えています。
健康志向の高まりから、注目を集めるリネン。
リネンとは、亜麻(フラックス)という植物を原料とした繊維や糸のことで、歴史上もっとも古い繊維といわれています。古代エジプトでは神事などにも利用され、ギリシャ・ローマ時代の貴婦人にも愛されていました。時を経ても、リネンはその品質の高さから、ヨーロッパの人々の間で代々受け継がれ愛用されています。日本でも明治時代には北海道で亜麻の栽培が行われていたことがありますが、現在は、国内で販売されているリネンのほぼ100%が、海外から輸入されています。健康志向の高まりから、最近再び注目を集め、暮らしの中に取り入れる方も増えています。
なめらかで清潔感のある肌ざわりが日本の夏にぴったりです。汗をかいてもすぐに乾き、心地よい眠りを提供してくれるでしょう。
素早く水を吸収するリネンの性質は、バスタオルやバスローブにも適しています。涼やかな肌ざわりが心地よく、とくに夏場はおすすめです。
優れた吸水性や速乾性など、リネンの魅力を実感したいなら、手頃なキッチンタオルがおすすめです。デザインのバリエーションも豊富です。
アイロンを効かせたテーブルクロスとナプキンを用意すれば、いつもの食卓のイメージが一変します。シミがついてもすぐに洗えば大丈夫です。
光と風を招き 太陽光発電でゼロ・エネルギーの家に
[千葉県君津市 Iさま邸]
吹き抜けのダイニングでお子さま達との会話を楽しむIさん。休日のティータイムは、ご夫妻の笑顔が弾ける憩いのひととき。南と東の2面の窓から、そして吹き抜けの高い窓からも明るい光が差し込んで、ご家族の団らんを温かく包みます。
ゆったりとしたリビングは外のウッドデッキを囲んでダイニングとL字に配置され、両空間をつなぐ対面キッチンがインテリア家具のような存在感を放っています。
「キッチンは、我が家のコックピットですね。ここに立つと内外が一望できるので、子どもがどこで遊んでいても見守れますし、来訪者もわかるから安心です。洗面・浴室へもキッチンから直接行けるので、家事もしやすくて」と奥さま。
自然の光と風を暮らしに採り入れたエコロジーな暮らしがしたい。Iさまの家づくりは、そんな思いから始まり、太陽光発電を備えたゼロ・エネルギー住宅へと発展しました。
「実は提案してもらうまで、省エネと創エネでエネルギー消費がゼロの住まいが実現できるとは知らなかったのです。国から補助金が交付され、年間の光熱費もプラスになると知ってうれしくなりました」
暮らしてみて、予想以上の効果を実感されたIさま。階段上の天窓から降り注ぐ光で北側まで明るく、日中はどこも照明いらず。
窓を開けると心地よく風が通り抜けるので、夏もほとんど冷房に頼ることなく快適に過ごせたとのこと。寒い冬もLDKは日向にいるような温かさです。
「モニターで発電量や消費電力量が目に見えるので、自然にエコ意識も芽生えました。実際、以前の住まいと比べて光熱費は半額以下。環境にも貢献できる家づくりができて、ちょっと誇らしい気持ちですね」
猛暑を快適に過ごす10の工夫 - 涼しい演出 -
手軽にできる工夫で体感温度を下げ、気分から暑さを解消
目・耳・肌から、涼しい気分を感じることで、暑さを軽減できる効果があります。
部屋にモノをごちゃごちゃ置かず、すっきり片づけるだけでも、暑苦しさが軽減され気分が落ち着きます。
手軽な工夫が多いので、ぜひ試してみてください。
工夫その8 目で感じる涼しさ
インテリアの工夫で、視覚的に空間をすっきり涼しげにまとめられます。
色の工夫
涼しく感じるのは、淡い色、寒色系。とくに青はイライラを鎮めたり、モノを遠くに見せる効果があるため、ソファカバーやカーテン、クッションカバーなどインテリアに使うと、空間をすっきり見せてくれます。白・シルバー・クリアなどを組み合わせると、より爽やかです。
素材の工夫
透明感のあるガラス素材は、涼しさの演出に最適。器に水を張って、水辺コーナーをつくるのも楽しい工夫です。見た目に暑苦しいウールや起毛の冬素材は片づけ、麻や綿サッカーなど、肌に密着しない布素材がおすすめです。
工夫その9 耳で感じる涼しさ
音で爽やかさを演出して、暑さストレスを解消しましょう。
木の葉のゆらぐ音
庭に高い木があると、耳から、さわさわと風が吹き抜けるイメージが沸いてきます。地窓の側に笹など風にそよぐ植物を植えても。
風鈴やウィンドウチャイム
耳に心地よい音で、見えない風の動きを感じられます。風の強い日などは、近所迷惑にならないよう取り外しましょう。
工夫その10 肌で感じる涼しさ
肌が涼しさを感じると、脳に刺激が伝わり、体感温度が下がります。
打ち水で、ひんやり空気を満喫
江戸時代からの夏の風物詩「打ち水」は、水が気化するときに地表の熱を奪うため、アスファルトが熱くなった夕方に行うと効果的。風呂の残り湯や雨水などを利用しましょう。住まいの廻りに冷気が生まれ、涼しい風となって室内へ取り込まれます。
ゴザや畳を活用
夏だけ置き畳を敷いていて、手軽に畳コーナーを。もっと簡単にしたいなら、ラグの代わりにゴザを敷いてみては?窓を開けてゴロンとすれば、床に近いので涼しい風が通り、いぐさの香りがキモチを落ち着かせてくれます。
寝苦しい夜は氷枕
カラダの快適は頭寒足熱。どうしても寝苦しい夜は、室温を下げるばかりでなく、アイスノン枕などで頭をやんわり冷やすと、快適な睡眠に誘ってくれます。
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