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雨傘も日傘も好きな現代日本。梅雨〜夏に大活躍する傘の意外な歴史とは?

昔はレインコートが雨具の主役だった!?

梅雨の時期に手放せないのが傘。今でこそ「雨具」といえば真っ先に傘をイメージしますが、昔の傘は雨具としてよりも、日除けや権力の象徴、あるいはファッションアイテムとしての役割のほうがメインだったとか。昔の庶民の雨具としては、今でいうレインコートにあたるものがメジャーだったようです。そんな傘と雨具の歴史についてご紹介します。

権威・権力の象徴としての傘

傘が歴史に登場するのは4000年ほど前といわれています。古代エジプトやアッシリアの彫刻や壁画では、王や王族と思しき貴人が従者に日傘を差し掲げられている構図がよく見られ、傘が権力の象徴であったことがうかがえます。
古代ギリシャやローマの時代になると、日傘とともに雨傘の記述がたびたび見られるようになり、また、傘が王侯貴族のものから一般に普及した様子が見てとれます。とはいっても、傘は"貴婦人"のものであり、傘を差し掲げるのは使用人などの役目で、やはり一定の権威の象徴、あるいは贅沢品だったようです。

日傘&女性用の歴史が長い洋傘

私たちが現在使っている傘は、洋傘と呼ばれるヨーロッパ発祥の傘です。ヨーロッパにおける傘は、贅沢品であり富と権力の象徴であるとともに、どちらかといえば雨傘より日傘、男性より女性が持つものでした。雨をしのぐのは、おもに外套や帽子の役目だったのです。
傘が男性も使う雨具として広まったのは18世紀後半以降のこと。イギリスの旅行家ジョナス・ハンウェーが、ペルシャ旅行で見かけた雨傘に感激し、防水加工を施した傘を差してロンドンの町を歩いたことに始まります。最初は変人扱いしていた周囲も、30年間見続けるうちに抵抗がなくなり、やがて持ち手などをステッキに似せた傘が開発されると、一気に普及しました。

「かさ」といえば「傘」でなく「笠」だった日本

明治時代以降は日本でも洋傘が普及しましたが、それまでは和傘と呼ばれる伝統的な傘が使われていました。
日本の傘は、飛鳥時代に百済から伝わった「きぬがさ(絹を張った長柄のかさ)」が始まりとされています。平安時代には竹のフレームに和紙を貼った傘が生まれ、室町時代には和紙に油を塗って雨具としても用いられるようになりました。ただ、やはりまだ一部の特権階級のものであり、実用的に普及したのは江戸時代中期以降といわれています。

それまで庶民の雨具といえば、菅笠(すげがさ)や蓑(みの)。「かさ」といえば、柄(え)のない被り物の「笠」でした。ところが今の日本は雨傘も日傘も使用率が高く、一方、ヨーロッパなどでは日傘はおろか雨傘もあまり使用しないのだとか。不思議なものですね。

  • 連載「住まいとお金」ファイナンシャルプランナー 久谷真理子
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