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都市での快適な住まいづくりの秘訣建築家松永基

都市部の住宅地では広い敷地を確保できず、十分な採光・通風や、思うような眺めが得られないことが多い。
そうした状況の中で理想の家をつくるにはどんな知恵と工夫が大切になるのか。
建築家の松永基さんにお話を伺った。

確保したい3要素は採光、通風、プライバシー

都市での住宅建設は、用途地域・防火地域、建ぺい率・容積率、道路との接地状況、高さ規制、北側斜線といったさまざまな建築規制に縛られる。そうした制約をクリアしながら、住宅密集地の限られた敷地であっても明るく、気持ちよく、ゆったりとリラックスできる空間を創り出すポイントは、どこにあるのだろうか。
まず考えたいのは採光、通風、プライバシーの3要素である。建築家の松永基さんは、開口部=窓を高い位置に設けることで、これらの問題は解決できることが多いと語る。トップライト(天窓)やハイサイドライト(高窓)を上手に配置することで、周囲の視線を気にすることなく、心地よい光と風を採り入れたい。夏は天井近くに溜まる熱気を外に逃がすことができ、防犯面でも心配が少ない。

「明るく暮らすために窓はなるだけ大きく取りたいと思うでしょうが、ちょっと考えてみてください。窓の外に見えるのが不快な景色だったら嫌でしょう? また、隣の家や通りから丸見えだと、せっかくの窓もカーテンを閉めっぱなしにするしかありません。だったら思い切って壁でふさいでしまって、天井からすぐ下の壁にハイサイドライトを設けた方が快適です。外からの視線を遮りながら十分な自然光を採り入れることができ、室内からは空の眺めが楽しめますから」と松永さん。
大きな窓は設けても、その向こうの外塀をかなり高くして通りから目隠しし、塀の上部の青空だけが見えるようにする方法もある。

空間を立体的に使って縦・横・斜めの広がりを

次に考えたいのが、広がりを感じる住まい。限られた敷地を有効活用してゆとりのある住空間を生み出すには、家を間取り(平面)ではなく空間(縦・横・高さ)で考えることが重要になる。そこで松永さんは狭小住宅を設計するとき、建物の床の高さをずらして住空間を立体的につくっていく「スキップフロア」という手法をよく活用する。
「空間を立体的に使うことで、見上げたり、見下ろしたり、視線が斜めに抜けて長くなります。すると視覚的な広がりが生まれるのです。一方で、各フロアはオープンにつながりながらも、段差で視界が適度に遮られるため、それぞれの独立感覚も確保できます」
空間が壁で仕切られずにつながっているから、家族の気配がほどよく伝わってくるのもうれしい。

間口に対して奥に長い敷地など、採光が難しい立地の場合は、スキップフロアの住まいの中央に吹き抜けをつくり、最上部の天窓から光を採り入れて「光井戸」にすることで十分に採光できるという。いわば立体で構成された現代の町家の発想。「光井戸」を町家の「坪庭」のように利用するわけだ。
「部屋に吹き抜けがつくれなくても、住まいの中心に蹴上げの部分がないスケルトンの階段を設けて、階段室を光井戸にすれば、家全体に明るく自然光が届き、縦、横、斜めに視線が抜ける開放的な暮らしが楽しめます」

また、インテリアによる視覚効果でも、住空間を広く見せることができる。
「狭い空間を広く見せたいなら、白一色で内装をまとめるのが効果的です。あるいは壁の一面だけ色を変えてアクセントウォールにすると、メリハリが生まれて広がりを感じます」

限られた敷地のため、庭が取れないのも都市の住宅ではよくある。そんな場合は屋上にルーフバルコニーをつくり、庭感覚で楽しむのもいい。青空の下でお茶を飲んだり、バーベキューをしたり、都市の暮らしでリゾート気分が味わえる。

スキップフロアの床下を利用して大収納を実現する

都市型住宅で、もうひとつ頭を悩ませるのが収納の確保だろう。収納スペースはたくさんほしいけれど、そのせいでリビングが狭くなるのは避けたいもの。この点もスキップフロアにすれば、階の上下に生まれるデッドスペースを収納にフル活用できる。
たとえば半階あがった床の下を利用して、延床面積に参入されない(※)天井高1.4メートル未満の大収納空間にすれば、かさばるモノもまとめてたっぷりと収納でき、すっきり広々と暮らせる。ロフトのようにはしごを使わないから安全・便利で出し入れもスムーズだ。
※自治体により、参入する場合もあります。

さらに壁一面に収納を設ける、ソファの代わりになるベンチ収納を造り付ける、小上がりの和室の下を引き出しにするなど、なるべく後からかさばる家具を置かないですむように造作しておきたい。
敷地が限られているからといって、理想の暮らしをあきらめることはない。むしろ、知恵を凝らすことで我が家のライフスタイルに合ったオリジナリティのある住まいづくりを楽しむことができる。

「秘訣は間取りではなく、暮らし方から考えることです。たとえば子どもの勉強部屋をどうしても個室にする必要はありますか?『寝るだけだから2畳あればいい。勉強する場はリビングの一画に設けよう』というように、家族の暮らしをイメージするとうまくいきます」と松永さん。
まずは自分たちがどんな生活がしたいのかを見つめ直し、空間を二次元ではなく三次元で考えて、我が家らしい個性と楽しさに満ちた住まいをつくりたい。

松永 基(まつなが・もとし)

1958年神奈川県横浜市生まれ。1982年日本大学理工学部建築学科卒業。1991年有限会社エムズワークス設立、佐賀和光に従師する。現在、エムズワークス主宰。1989年日新工業建築設計競技3等賞、1992年逗子市公衆トイレコンペ最優秀賞、1996年INAXグリーンカップ銀の鉢賞、2000年リビングデザイン賞「縁側」グランプリ、2007年鎌倉市常盤住宅設計競技優秀賞、2007年JIA(日本建築家協会)「建築家のあかりコンペ」最優秀賞受賞。日本建築家協会(JIA)会員。神奈川建築士会会員。

わが家の浴室でスパ気分 -浴室の設備-

リゾートホテルなどのライトアップされた夜のプールや、星空の下の露天風呂の眺めは、疲れた心を癒してくれるものです。自宅のバスルームで非日常のリゾート気分を味わうには、照明を工夫することが一番効果的です。バスタブの水面にゆれる照明が、素晴らしい演出効果をもたらしてくれます。その他、非日常を演出するアイテムをご紹介しましょう。

バスルームでは2種の照明を使い分ける

バスタイムはゆったりとくつろぎたいのに照明がまぶしすぎるというご家庭も多いのでは。実はバスルームの照明は、雰囲気を演出してくれるだけでなく、私たちの体にも深く関係しているのです。朝日や明るい照明の光には、体内リズムを整え、目覚めの質を高める効果があるので、朝は明るい光のもと、熱めのシャワーをあびることで目が覚めます。反対に、眠りにつこうとする夜は、少し暗めの照明のもと、ぬるめのお湯につかり、心身をリラックスさせるのが適しているのです。

調光器でお好みの明るさに

水まわりに照明を持ち込むなんて危険と思われるかもしれませんが、バスルーム専用の調光器なら安心です。浴室に設置することで、リモコン一つで好みの明るさに調整できます。普段より照度を落としてみるだけで雰囲気がずいぶん変わるものです。穏やかな明かりに包まれたバスタイムで、身も心もリラックスできるでしょう。浴槽内を幻想的な数種の明かりで灯すライトもあり、カラーセラピー効果も期待できます。

植物をあしらって南国ムード満点に

日当たりのいい南側にバスコートのある浴室を配し、大きめの植物をあしらえば、光の差し込む南国ムード満点のバスルームに。バスルームは寒暖の差が激しいので、半日陰を好む、アイビー、シンゴニウムのような温度変化に強いものが向いています。鉢はなるべく窓辺に置き、お湯がかからないよう気をつけましょう。

浴室テレビでバスルームをシアタールームに

浴室テレビに地デジ対応が揃いました。お風呂で見逃せない番組を見られれば時間の節約にも。プレイヤーをつないで映画を見たり、語学教材で勉強もできます。

POINT

お風呂では集中力が高まる?!
意外に思われるかもしれませんが、リラックスしているときは、集中力も高まるため、読書や語学の学習などに最適といわれています。勉強部屋では集中力が途切れがちなお子様も、お風呂でなら楽しく九九を覚えたり、本を読んだりできるでしょう。のぼせないよう、水分補給と換気をしっかりするよう心がけましょう。

ミストサウナでエステを楽しむ

ドライサウナに比べ熱による苦しさや乾燥がないミストサウナ。体温より少し熱めのお湯を霧状にして、浴室内や直接体に噴霧します。毛穴が開いて汗とともに老廃物を排出でき、お肌がイキイキ、ストレス解消にも役立ちます。お風呂がまるでエステルームに。

ジェットバス・泡バスでスパ気分に

マッサージ効果と温め効果で、入浴後も長くからだがほかほかに。ツボ刺激によい強い水流タイプと、全身の疲労感をやわらげる、やさしい気泡タイプがあります。わが家でスパリゾート気分が味わえます。

中庭でLDKにプラスαのくつろぎを。スクエアな外観のスタイリッシュな家

[香川県 Tさま邸]

白い箱型フォルムに、一段高くそびえるブラウンのタイルとアルミルーバーを組み合わせた胸のすくような潔いデザインが、道行く人の目を引くスタイリッシュなTさま邸。
「憧れていた通り、理想の外観になりました。眺めるたびに、自分でもなんて素敵なのだろうと思います」とTさまはうれしそうに語ります。

「玄関ホールに入ると黒い天然石調タイルの大壁が格調高く映え、ダウンライトに照らされて石模様が美しく浮かび上がります。

広いLDKは梁を生かしてリビングとダイニングの天井をそれぞれ折り上げ、シンプルな空間のアクセントに。ダイニングにはお子さまの勉強スペースとなる間接照明付のカウンターと飾り棚も白ですっきりと造り付けました。
「この位置にあれば、キッチンから子どもの様子が見守れて、宿題も見てあげられます」と奥さま。

内部空間と連続する中庭はアウトドアの憩いの場。アルミルーバーの高い壁が外からの視線をほどよく遮り、光と風を心地よく招き入れます。

「気候の良い季節は朝ここでコーヒーを飲み、夜はシマトネリコの樹をライトアップして楽しんでいます。2階から見下ろした眺めも素敵ですよ」とTさまは目を細めます。リビングからも、続きの和室からも中庭に目が届くので、お子さまの格好の遊び場所にもなりそうです。

「天井までの玄関収納、キッチンのパントリー、寝室のウォークインクロゼットなど、収納もたっぷりと設けてもらいました。なるべくモノを出さず、シンプルで美しいこのデザイン空間を大事にしていきたいですね」と笑顔で語るご夫妻です。

時代とともに変わる年始の挨拶。新年は年賀状?メール?

1月2日の年賀状配達は中止

何かと慌ただしい12月。年賀状の準備に追われる人も多いのでは?2017年からは人件費上昇やメールの普及などによる年賀状数の減少で、1月2日の配達がなくなりました。元旦に届かない分は3日になってしまうので、きちんと元旦に間に合うように出したいものですね。世相に合わせて変わりゆく年賀状の歴史をご紹介しつつ、いつまでに出せばよいかなどの基本をおさらいします。

年賀状の原型は平安時代から

私たちが「年賀状」といえば"年賀はがき"ですが、はがきのない昔は"年賀の書状"でした。平安時代に年始の挨拶回りをする風習が広まり、直接訪ねることができない遠方の人へは、文書で挨拶するようになりました。平安時代後期に作られた手紙の文例集『明衡往来(めいごうおうらい)』には、年始の挨拶の文例が納められています。この頃の貴族階級には、年賀の書状を送る風習が広まっていたことをうかがえます。
それが庶民まで広がったのが江戸時代。またこの頃は、年始回りで相手が不在の際、名前や屋号、お祝いの言葉などを書いた札を玄関脇の棒に刺し、挨拶代わりとする風習も広まりました。これは年賀状のルーツでもあり、また"名刺"のルーツでもあるようです。

初期の年賀はがきは普通の郵便と同じ扱いだった

明治時代になると、郵便制度が始まり"はがき"が登場。これは年始の挨拶のような簡易な内容を送るにはうってつけの形態でした。やがて、はがきで年賀状を送ることが定着しました。
しかしそうなると、年末年始の郵便取扱量が格段に増えることに。特に、「1月1日」の消印を狙って、12月26〜28日と元旦の郵便物がふくれあがりました(当時の消印は受付局と配達局の2つ)。
そこで誕生したのが、年賀郵便の特別取扱です。当初は、一定期間に指定された郵便局に持ち込めば、「1月1日」の消印で新年に配達するというものでした。その後、全国すべての郵便局で取り扱うようになり、やがて「年賀」と表記すればポストへの投函も可能となり・・・。そして昭和24年、私たちが知る"お年玉付年賀はがき"が発行されたのです。

年賀状を元旦に届けるためには

年賀はがき引受開始日は12月15日で、全国への元旦配達の期限日は12月25日。この期間中に投函すれば、基本的には元旦に届きます。喪中はがきは12月初旬までには送りましょう。郵便局窓口やコンビニなどでの年賀状販売は、11月1日から1月6日まで。ただし、売り切れることもあるので、購入はお早めに。なお、年賀状は松の内(元旦から1月7日まで)に届くように出し、それより遅れるなら普通はがきで寒中見舞いを出しましょう。

  • 連載「住まいとお金」ファイナンシャルプランナー 久谷真理子
  • わが家の建てどきガイド
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