浮世絵にも描かれていた冬の風物詩、日本の雪だるまの意外な素顔
雪だるまは2段?3段?
2月は寒さと積雪がピークを迎え、各地で雪まつりが開催される月です。雪まつりでは芸術的な雪像が作られますが、一般的に雪で人型の像を作ろうとすれば、雪玉を2つ重ねる「雪だるま」になるのではないでしょうか。ところが、西洋の「雪だるま」は雪玉を3つ重ねて作るのだとか。この差はどこからくるのでしょう?雪だるまを通して、日本の雪文化の特徴を探ります。
西洋の「雪だるま」は「snowman」
「雪だるま」は英語で「snowman」。文字通り「雪の人」です。雪玉を3つ重ね、一番上の雪玉にニンジンを挿して高い鼻を作り、帽子をかぶせたりマフラーを巻いたりします。真ん中の雪玉に木の枝を挿して、腕を表すこともあります。真ん中の雪玉に木の枝を挿して、腕を表すこともあります。
真ん中の雪玉に腕をつけることから推察されるように、真ん中は"胴体"を現しています。一番上は当然"頭"、すると一番下の雪玉は......そう、"足"を表しているんです。頭・胴体・足をそれぞれ1つの雪玉で表現していると考えれば、3段雪だるまは理にかなっていますね。
日本の「雪だるま」は座禅中?
では日本の「雪だるま」は何故2段なのでしょう?実は、いつから雪玉2段の雪だるまが作られるようになったのか、はっきりとしません。ただ、「雪だるま」というものは江戸時代からありました。浮世絵師・歌川広景の『江戸名所道戯尽(えどめいしょどうけづくし) 廿二御蔵前(にじゅうにおくらまえ)の雪(ゆき)』を見ると、縁起物の置物でおなじみのいわゆる「達磨さん」が雪で作られている様子が描かれています。そう、西洋の「雪の人」に対して、日本は正に「雪の達磨さん」だったんですね。
そもそも「達磨」とは、禅宗の開祖とされている「達磨大師」のこと。達磨大師の座禅姿を模した置物が、私たちがよく知る達磨さんです。達磨さんの雪像が、どうして雪玉2段の雪だるまになったのかはわかりません。しかし、座禅を組んでいるゆえに足を表す3つ目の雪玉が必要なく、2段になったのだと言われればなんとなく納得ですね。
歌川広景の絵をよく見ると、雪だるまの顔の下に魚らしきお供え物がしてあります。雪だるまも、縁起物であったことがわかります。思えばかまくらも、雪遊びで作るただの雪洞ではなく、元々は中に祭壇を設け、水神を祀るものでした。もちろん、雪で何かを作るのは単純に楽しい・美しいことではありますが、どこか信仰と結びついているところが、日本の雪文化の特徴かもしれません。
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