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家づくりを成功に導く情報収集の秘訣住生活ジャーナリスト田中直輝

家づくりを考え始めたら、インターネットや住宅雑誌で情報を得るとともに、まず出かけたいのが住宅展示場だ。住生活ジャーナリストの田中直輝さんに、情報収集のポイントやモデルハウスを賢く見学する方法を伺った。

テーマを決めて住宅展示場を見学しよう

家を建てることは、ほとんどの人にとって初めての経験となる。どうすれば予算内で満足のいく住まいができるのか、最初は戸惑うばかりだろう。自分が納得できる家づくりをするためには、工法の特長、気密性、断熱性、耐震性、間取り、設備、住宅ローンの組み方など、さまざまな知識が大切になる。「まずはインターネットでいろいろと検索してみようか」という人は多いのではないだろうか。

「今やインターネットは情報の収集には欠かせないツールになりました。効率よく情報が得られ、比較検討もしやすいので便利です。住宅会社のサイトで商品情報や企業姿勢を知って、どんな工法でどのようなコンセプトの家をつくっているのかなど、基礎的な情報をつかんでおくといいでしょう。ただし、いろいろな情報に振りまわされないように気をつけてほしいですね」と田中さんは語る。インターネット上には、本当に正しいかどうかわからない情報も氾濫しているからだ。
「口コミ掲示板などに書かれたコメントには、単なる誤解や担当者とのコミュニケーション不足が招いた的外れな批判も見受けられます。過剰に気にせず、確認すべきポイントを教えてもらったぐらいの気持ちでいるといいでしょう」

家づくりのポイントを知るには、やはり実物を見るのがいちばんだ。住宅展示場を訪れて気になるモデルハウスをいくつか見学し、あれこれ質問するうちに、幅広い知識が身につき、自分の判断基準ができてくる。できれば日を改めて違ったエリアの展示場も見てまわりたい。ただし漫然と出かけると、ただ歩き回って疲れただけに終わってしまう。田中さんは、テーマを決めて出かけるのが賢く見学するためのコツだと言う。

「ひとつの建物の中に間取り、素材、デザインなど、家づくりの参考になるさまざまな要素の提案が込められています。たとえば今日は『家事をラクにする動線を確かめる』、『収納の工夫を見る』といったように、見学のテーマを決めて出かければ、複数のモデルハウスも効率よく見学できます」
また、モデルハウスで好みの雰囲気や気に入った箇所があれば、写真に撮っておくといい。帰宅後、家族で話し合うときに写真があると便利だし、プランニングの段階で担当者に見せれば希望のイメージが伝わりやすい。

信頼できて相性の合う担当者との出会いの場に

住宅展示場は建物を見るだけの場ではない。営業担当者の知識や提案力、接客の対応、人柄を確かめる場でもある。ここで信頼できて相性ぴったりの担当者と出会えれば、家づくりは半ば成功と言っても過言ではない。
「特に注文住宅は白紙の状態から打ち合わせを重ね、我が家にとってのベストプランを数ヶ月かけて担当者とつくり上げていく作業ですから、心を開いて何でも相談できる相手でなければ疲れますし、不満も残ります。そういう人と巡り会うためにも、展示場を積極的に活用するといいと思います」
ただ、モデルハウスは一般住宅よりも広く豪華につくられているので、実際に建てる住まいとは違ってくる。モデルハウスで最新の空間提案を見たら、次に身近なサイズやグレードで建てられた分譲展示場にも出かけたい。暮らしがリアルにイメージでき、敷地の有効活用の仕方や立地条件を生かした採光・通風の工夫なども参考になる。また、技術や施工力が確かめられる構造体見学会も一度は行っておこう。完成してからでは見ることができない建物の構造躯体がつぶさにチェックできる。
こうした体験を重ねることで、家を見る目が自ずと養われて、理想の我が家のイメージが明確になっていく。納得のいく家づくりをするためには、早めに行動することをおすすめしたい。

田中直輝(たなか・なおき)

1970年生まれ。福岡県出身。早稲田大学教育学部を卒業後、海外17カ国を一人旅。その後、約10年間にわたって住宅業界専門紙・住宅産業新聞社で主に大手ハウスメーカーを担当し、取材活動を行う。現在は、「住生活ジャーナリスト」として戸建てはもちろん、不動産業界も含め広く住宅の世界を探求。オールアバウトの「ハウスメーカー選び」ガイドとして、一般消費者を対象に広く住まいづくりの情報提供も行っている。

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