Column│新しいライフスタイルのご提案や、子育て、オーナーさまのこだわりのお宅拝見、
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重厚にして繊細な和モダンスタイルで、家族への細やかな心が光る豊かな暮らし

[三重県 Hさま邸]

「私たちの希望を美しいカタチに仕上げていただき、住み心地にもたいへん満足しています」と微笑むHさまご夫婦。お二人の望みは、すっきりとした美しさと機能性に富んだ和モダンスタイルでした。

まず目を奪うのは大屋根と深い軒、グレージュ色のタイル張りの外観と広々とした玄関ホール。1階はホールの右手に格子扉が印象的な和室が、左手にLDKが配置され、幅広廊下を介して無駄なく回遊できる生活動線も確保されています。しかも、どの空間も高天井と大開口があるため開放感もたっぷり。それでいて全体に繊細な印象をつくり出しており、折り上げ天井や木目が美しい突板のフローリングなど細部の造りや素材へのこだわりが光ります。開口枠や巾木にも突板を使うという徹底ぶりです。

機能面でのお気に入りはキッチンと洗面室。「二人の娘とキッチンに立てるよう、広いコの字型にしました。洗面室は、朝、戦場のようになるので、複数で利用できる広さにし、エアコンも設置。乾燥室としても利用できるため、洗濯動線がぐんとコンパクトになりました」と奥さま。

また2階の個室にはそれぞれにウォークインクロゼットを設け、「おかげで、大量の衣類管理がとても楽になりました」とにっこり。一方、Hさまも念願の書斎を手に入れて、「ときには一人の時間を楽しんでいます」と語ります。

広い玄関で彩り豊かに迎えてくれるのは、奥さまの生け花。そんな心遣いに象徴されるように、Hさま邸にはご家族への細やかさに満ちた豊かな空間が広がっていました。


ご夫婦の寝室はホテルのような上質な空間になっている。


天窓から光が注ぐスタイリッシュな階段室。

住空間は人の心にどう影響する?環境心理学者小俣謙二

なぜ人は住まいを自分らしく個性化するのだろう。家はそこに住む人の心にどんな影響を及ぼすのだろう。人と家のつながりを環境心理学者の小俣謙二さんにお伺いした。

住まいはヒトの「なわばり」である

住まいはそこに暮らす人の性格や嗜好を反映する器だ。なぜ私たちは自分らしいデザインや間取りの家を建てて、お気に入りのインテリアで心地よく演出したいと思うのだろうか。小俣さんによると、こうした行為は動物のなわばり行動の一形態だという。

「動物にとって巣やなわばりは、外敵から身を守り、安全に休息し、そこで餌を食べたり、子どもを育てることができる大切な場所です。こうした役割は私たちが住まいに求める役割とも多々共通しています。ですから家はヒトのなわばりのようなものだと考えられるのではないでしょうか」
動物の場合は「ここは私の場所である」ということを表すために、匂いのような自分特有のものを付着させて自己主張をするが、それと同様に私たちは自分の嗜好と深く関わったモノを使って住まいを個性化することでなわばりを示しているのかもしれない。

自分らしい家づくりが心理的安定をもたらす

では環境心理学的に見て、こうした自己表現は住む人の心理にどんな影響を及ぼすのだろう。
「私が大学・短大生を対象に調査したところ、個室を自分らしくアレンジしている人ほど自分自身の価値観を身に付けており、何事も自己判断で行う傾向が強いことがわかりました。また、海外の大学の寮で、入学して半年の間に退学してしまった学生と、学業を続けている学生の部屋を見比べた調査では、好きなスポーツ選手やスターのポスターを貼ったり、家族や恋人の写真を飾ったりしている学生の方が退学をせず、学校生活にうまく適応できていました。このことからも住空間の個性化=自己表現は、住む人の自我の確立を助け、精神衛生に良い影響を及ぼすことがわかります」

 実際、一人でゆっくりと自分を振り返りたいようなとき、他人に邪魔されずに落ち着ける空間が家の中にあれば私たちは心がやすらぐ。また、絵画や調度品など自分の趣味や価値観を表すものを眺めながら暮らせば充足するし、自分の生き方や考え方を振り返るきっかけも与えてくれる。
小俣さんが主婦を対象に行った調査でも、結果は明快だった。
「家の中に自分らしさを表す場所があるか、自分の思い通りにできる場所があるか、他人に入られたくない場所があるかなど、なわばり空間の有無と情緒的安定性、心身症傾向、災害や犯罪への不安などの関係を調べてみました。すると、そうした場所を一つでも持っている主婦は、持っていない主婦に比べて情緒的に安定し、不安も少ないことがわかったのです」
家族のための存在から一個人に戻ってリラックスできることが精神的なゆとりを生み、心理的な健康をもたらすのだろう。

子ども部屋を持つことで自我の確立が促される

家族が集まる団らんの場と子ども部屋の関係にも目を向けてみたい。個室を与えるのは果たしていいことか、与えるのなら何歳頃がよいのか、どんな位置関係にすればコミュニケーションが保てるかなど、親の頭を悩ませるところである。子どもはいつ頃から自分の場所をほしがるようになるのだろうか。
 実は部屋とまではいかなくても、自分の空間をもちたい欲求は3歳頃からすでに見られる。玩具など自分の物を入れる場所を持ちたがるのだ。そして小学校5・6年生になると、約8割の子どもが自分専用の個室を欲しがり、さらに思春期を迎えた頃から、子どもは家族を含む他人が自分の部屋に侵入することを嫌がるようになる。

「こうなると子どもが自室で何を考え、どんなことをしているのかと不安を覚える方もいるでしょうが、過剰に心配する必要はありません。青年期に多少閉じこもり的な行為があったとしても、それは発達の一時期の現象であり、自已の確立に必要なことかもしれませんから。思春期は子どもから大人への転換期で、この時期にさまざまな課題を解決して成長していかなければなりません。そうしたとき一人になって思考・空想ができる場を持つことは、むしろ子どもの精神面での自立を助けると思います」

最近は家族のいるリビングを通って子ども部屋に行く間取りを重視する方もいるが、大切なのは「子どもが帰ってきた姿を見ることができる」という点で、通過は不可欠ではないと小俣さんは言う。親が子ども部屋を与える最大の理由は「落ち着いて勉強させたい」だろうが、子ども部屋の役割はそれだけではない。どんな位置にするかよりも、むしろ子ども部屋=勉強部屋という考え方から脱却して、思春期以降は親が子どものプライベートな空間をどれだけ尊重できるかの方が子育てにとって大切な視点なのかもしれない。
 家はそこでの暮らしの体験や抱いた感情が自我に結びつき、巣立ったあとも生涯、心の拠り所となる。我が家らしい自己表現に満ちた住まいで精神の安らぎを得て、子どもの自立心を育み、家族の歴史を健やかに紡ぎたいものだ。

小俣謙二(おまた・けんじ)

1953年神奈川県生まれ。1981年、名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。住環境心理学、犯罪心理学専攻。現在、駿河台大学心理学部教授・心理学部長。著書に『住まいとこころの健康-環境心理学からみた住み方の工夫-』(ブレーン出版、1997)、『犯罪と市民の心理学-犯罪リスクに社会はどうかかわるか』(編著:北大路書房)など。

お手入れがラクな最新設備 -キッチン-

キッチン、バスルーム、トイレなどの水廻りは、毎日使う場所なので、できれば汚れを残さずにキレイにしていたいものです。毎日のこまめなお手入れが大切なのはわかっているものの、気づいたら汚れにびっくりということもあるのではないでしょうか。最新の住宅設備には、構造やデザインを見直すことで、汚れがつきにくく、お手入れがしやすくなった製品が増えています。あると便利な設備をまとめてみました。

普段はサッとひとふき、汚れてもお掃除ラクラク

レンジフードやコンロの油汚れ、シンクの水アカなどは放っておくと頑固な汚れになってしまいます。特にレンジフードのお掃除は面倒で、ついつい後回しになりがちなものですが、最近のレンジフードはお手入れがとてもラクに進化し、各メーカーからさまざまなタイプのものが出ています。

フィルター掃除が不要なレンジフード

ベーシックな深型のレンジフードに加え、最近はお手入れがラクな浅型タイプも人気です。浅型タイプにはフィルターがないので、面倒なフィルター掃除が不要なうえ、油による目詰まりがないので吸引力もそのまま。煙に含まれる油汚れはオイルトレーでキャッチするので、ファンなどレンジフード内部に油汚れが入り込みません。普段のお手入れは、本体をサッと拭いて、溜まった油分を処分するだけで簡単にすみます。
フィルターがあるものも、最近は表面に特殊な塗料を施しているものが多いので、ぬるま湯にしばらくつけておくと汚れがはがれ落ち、お手入れしやすくなっています。

キッチンの変化とともにコンロも進化

リビング、ダイニングとキッチンが一体化したオープンキッチンのニーズが高まるとともに、油煙が広がりにくく、壁や天井が汚れにくいIHクッキングヒーターの採用も増えています。フラットでお手入れしやすいトッププレートも人気の理由で、最新の耐熱ガラス製のトッププレートは、吹きこぼれや油汚れもサッと拭くだけでキレイになります。
最近はプレートに五徳がのっているだけといった構造のフラットなガスコンロが主流です。さらに、五徳が小さくなり、食器洗い乾燥機で洗えるタイプもあります。

継ぎ目がなく汚れにくい一体型シンク

継ぎ目のない一体型のシンクなら、汚れの入り込む隙間がないので、拭き掃除も簡単です。シンクの素材を人工大理石にすると、さらに効果的。人工大理石は、汚れが染み込みにくいので、普段のお手入れはサッと拭くだけ。汚れやすり傷がついても、ナイロンタワシで磨けば落とせます。ただし、人工大理石は、熱に弱く、耐衝撃性に劣るなどの特性があるので、シンクに耐熱性、耐久性を求めるならステンレスがおすすめです。最近はキズと汚れの両方に強い高機能タイプも出ています。

翌日に汚れを持ち越さないエコラクお掃除

どんなにお手入れがラクな設備でも、普段のお掃除を怠ると汚れがついてしまいます。今日の汚れは今日のうちに落としてしまうのがキレイを長持ちさせるコツ。毎日のこまめなお掃除を習慣にしてみてはいかがでしょう。身近にある重曹や酢、せっけんなどのエコ素材なら気軽にパッとお掃除ができ、小さなお子様のいるご家庭でも安心です。

重曹

料理に使える素材なので安心。油汚れなどの酸性の汚れを中和します。吸湿・消臭効果も。そのまま汚れにふりかけるほか、水を加えてペースト状にしたり、水に溶かし(水1カップに重曹小さじ1程度)重曹水として使用します。

酢(クエン酸)

水アカやせっけんかすに効果あり。抗菌作用もあります。そのまま汚れに吹きかけるほか、水で2〜3倍に薄め、ビネガー水として使用します。

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エコラクお掃除(キッチン編)
調理後、調理器具やコンロがあたたかいうちに、汚れに重曹や酢をふりかけておくのがポイントです。

コンロ・IHクッキングヒーター

コンロは、重曹または酢をふりかけて20分ほど放置します。食事が終わり、後片付けのころには汚れが浮き上がり、布で拭き取るだけの簡単お手入れですみます。

鍋・フライパン

鍋やフライパンは、あたたかいうちに水をはり、重曹をひとふりし、しばらく置いてから洗い流します。

食器

食器も、重曹水につけ置きすることで、汚れ落ちがよくなるのはもちろん、食器洗い乾燥機に入れる前の予洗いとしても効果的です。

吹き抜けリビングで中庭を眺めて憩う、ラグジュアリーホテルのような住まい

[新潟県 Oさま邸]

Oさま邸の玄関ホールに入ると、そこに広がるのは虚飾を排し、ラインで建築美を際立たせた白の世界。大きな窓越しに見えるホワイトタイルの中庭に目が奪われます。

モザイクタイルの水盤にたたえられた水が陽光を受けてゆらめき、モダンアートの美術館のよう。この中庭はリビングにも面しており、高い壁で外からの視線を遮ることで、プライバシーが守られています。
「家にいながら非日常的な雰囲気が味わえる暮らしがしたくて、ハワイのお気に入りホテルのテイストを設計に取り入れてもらいました」とOさまは語ります。

玄関から続く階段ホールの壁際には、マッキントッシュの名作椅子、ラダーバックチェアを飾ってインテリアのアクセントに。ブラウンガラスの壁越しにリビングが透けて見える演出も素敵です。

LDKは約30畳の大空間で、6mを超える吹き抜けリビングは、上の窓からも光が差し込んで圧巻の明るさです。白い大理石調フロアに黒革ソファやアールを描くアルコランプが調和する上質な空間は、ラグジュアリーホテルさながら。

「夜は間接照明とアルコランプだけを灯し、落ち着いた雰囲気でくつろいでいます。中庭の水盤をライトアップすると水面が煌めいてきれいですよ」とOさま。

テレビボード側のタイル壁の後ろは家事コーナーとパントリー。雑多なモノをここに隠せるのも、生活感の漂わない美しい暮らしの秘訣でしょう。

「木目の質感を取り入れたメタルスモークのキッチンは奥さまのお気に入り。フランスの伝統陶器をコレクションしている奥さまは、家づくりをきっかけにテーブルコーディネーターの資格も取得されたそう。
「ときどき仲良しの友人とダイニングで食事会をしています。今度は好きな食器でテーブルコーディネートも楽しみたいですね」

「いい日、いい日」介護の日

皆さんは「介護の日」をご存知ですか?平成20年7月に厚生労働省が意見を募り、「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、"いい=11"の語呂合わせで、11月11日を「介護の日」と定めました。
介護とは日常生活に援助を必要とする人へ様々なサポートを行うことですが、特に高齢者介護は誰にとってもいずれは関わる問題だと思います。そんな高齢者介護の基本をご紹介します。

介護サービスを受けたいと思ったら

平成25年の厚生労働省調査によると、介護が必要となった原因として多いのは「脳血管疾患(脳卒中等)」18.5%、「認知症」15.8%、「高齢による衰弱」13.4%、「骨折・転倒」11.8%などで、「関節疾患(リウマチ等)」は要支援(介護の前段階)の原因として最も多くなっています。
介護が必要かもしれないと感じたら、どうすればよいでしょう?私達は40歳になると介護保険の被保険者となります。64歳以下では特定の疾病に限られますが、65歳以上なら認定されれば誰でも介護保険サービスを受けられます。
そのためには、まずは市区町村の窓口へ申請し、訪問調査を受けます。認定区分には「非該当(自立)」、予防的な対策が必要な「要支援1〜2」、介護が必要な「要介護1〜5」があり、結果が出ると自宅に認定結果通知書や保険証が届きます。

介護保険サービスのいろいろ

介護保険で受けられる在宅サービスには、ホームヘルパーが訪問し入浴や食事、洗濯などを援助する「訪問介護」、日帰りで入浴や食事、健康チェックなどを受けられる「通所介護(デイサービス)」、同じく日帰りで入浴や食事、機能訓練など受けられる「通所リハビリテーション(デイケア)」、施設に最大30日まで入所できる「短期入所サービス(ショートステイ)」などあります。
その他にも、車椅子などを安く借りられる「福祉用具貸与」や、自宅のバリアフリー工事費を助成してもらえる「住宅改修費の支給」などもあります。
自宅で介護できない場合は施設サービスもあります。日常生活の介護や機能訓練、レクリエーションなどが中心の「介護老人福祉施設サービス(特別養護老人ホーム)」や、退院後すぐ自宅へ戻るのが不安な場合に利用する、病院と自宅の中間的な役割である「介護老人保健施設サービス(老健)」などです。
介護施設は民間運営のものも含めると実に様々な種類があります。それぞれの特徴をつかみ、自分達にあった介護施設、そして介護サービスを選びたいですね。

  • 連載「住まいとお金」ファイナンシャルプランナー 久谷真理子
  • わが家の建てどきガイド
  • 資金計画タイプ別診断 あなたの資金の傾向をタイプ別で診断!

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