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子どもの成長に必要な住まいの環境AERA with Kids編集長江口 祐子

子どもが成長するために、親が大切にすべきこととは? そして必要な環境とは?
小学生の子どもを持つ親向けの育児誌「AERA with Kids」の編集長として、
専門家や子育てファミリーへの豊富な取材経験を持つ江口祐子さんにお話を伺った。

自己肯定感を育む大切さ

── 子どもの成長にとって大切なものとは何でしょうか。

江口 出してほめてあげることが大切です。そのような親の声かけは、子どもの自信や自己肯定感を育みます。どんなに学力があっても、自己肯定感がないと、何かにチャレンジする勇気が持てなかったり、どこかでつまずいたとき、立ち上がれなかったりすることが起こりがちです。

── 自己肯定感は、社会に出てからの力にもなりますね。

江口 ほめすぎの弊害を指摘する声もありますが、家庭のなかでは、ほめすぎるくらいほめてあげてもいいのではないかと思います。というのも、幼少期には点数や偏差値で測られることは少ないのですが、小学校に入学すると、とたんに「点数社会」になってしまいます。子ども自身も、つい隣の子と自分を点数で比べて、「自分はダメだ」と思ってしまうことが増えてくるからです。

── どんなことをほめてあげたらよいのでしょうか。

江口 たとえば、家庭でのお手伝い。お手伝いは、無条件にほめてあげられるよい機会です。学校のテストのように点数がついたりしませんからね。子どもにとっては、「自分はできるんだ」という自信をつける場となるだけでなく、親から「ありがとう」と感謝してもらうことで、自分の存在価値を感じる機会にもなります。

手伝いやすい環境をつくる

── お手伝いをさせたいけれど、なかなかうまくいかないという家庭もあるようです。

江口 お手伝いをするまでのハードルが高いと、子どもはお手伝いを面倒くさく感じてしまいます。たとえば、離れた部屋に持って行って片付けなければいけないとか、片付けるまでに手間がかかりそう、などですね。モノを片付けるお手伝いの場合なら、使ったモノをそのまますぐにしまえる場所に収納があったり、さっと簡単にしまえる収納が用意されていると、子どもは面倒くさがらずにお手伝いできます。また、室内の「動線」も重要なポイントです。テーブルの位置と家事スペースの関係がちょっと変わっただけでも、お手伝いがすごくやりやすくなったりします。

親子の程よい距離感を

── 住まいのちょっとした工夫が大きな差になるのですね。

江口 親密なコミュニケーションが必要な一方で、子どもの成長とともに、ある程度の距離感をつくってあげることも大切です。たとえば、最近の学習環境の定番のひとつに「リビング学習」というものがあります。リビングで親子が関わりながら勉強するというスタイルですね。親の目が届きやすいという利点がある一方で、子どもにとっては親に常に見られていることがストレスになってしまうこともあるようです。そんなときには、子どもがこもれるようなちょっとした基地のようなものをつくってあげるといいですね。完全な個室ではなく、壁に向かってテーブルを置いて、小さな本棚などでなんとなく視線を遮れるような、そんな場所でいいのです。

── 視線は遮るけれど、気配は感じられる、そんな距離感ですね。

江口 さらに成長すれば、いずれは個室を与えてひとりで勉強するというのもあるでしょう。

── 成長期に合わせて子どもの居場所を変えられる住まいなら、各時期の親子の距離感もつくりやすいですね。

江口 住まいについては居心地のよさも大切です。友だちや先生との関係など、子どもも大人同様にさまざまなストレスを抱えています。帰ったらホッとできる、そんな場所にしてあげたいですね。

── 安心して暮らせることも、子どもの成長には欠かせませんね。本日はありがとうございました。

江口祐子(えぐち・ゆうこ)

生活情報誌や一般書籍の編集を経て2009年より「AERA with Kids」編集部へ。教育専門家、小学生を持つ読者の取材を重ねる。2018年より編集長。中学1年生の女子の母。

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