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アートを愛するご夫妻のこだわりが光るギャラリーの楽しさに満ちた平屋のお住まい

[福島県 Eさま邸]

アートをこよなく愛するご夫妻が建てられたのは、東西に美しく延びる平屋のお住まい。「長年コレクションしている絵画や焼き物を身近に飾って楽しめるギャラリーハウスにしたいと思いました」と語ります。

高天井の広々としたリビングは南側と北側の両サイドに大開口サッシがあり、明るさも開放感もひとしお。板張りの化粧天井やツインの造作収納が木の温もりを漂わせています。

一方、ダイニングキッチンは土間風のタイルフロアでモダンなスタジオ風の雰囲気に。ワインレッドのアイランドキッチンが差し色となって映え、天窓から差し込む光が穏やかな明るさで空間を包みます。「シェフを呼んで友人たちとここで食事会を開きたいですね」とEさま。

リビングから続く南側の廊下は、お気に入りの絵画を鑑賞するギャラリースペースに。「季節毎に展示を替えるつもりです。作品を眺めながら家の中を回遊するのが楽しみですね」とにっこり。廊下にはダイニングからも出入りできる大収納空間「蔵」があり、コレクションの保管場所として活用されています。「絵画を掛け替えるときもスムーズに出し入れできて便利」とお喜びです。

廊下に面した吹き抜けの書斎も見逃せません。最高5mもある勾配天井の天窓から光が差し込む雰囲気はまるで教会のよう。天井近くまである棚に飾られた美術本や調度品が素敵に調和しています。
「4年の構想を経て理想の我が家が完成しました。ただの生活空間ではなく、生きることを楽しむための住まいにしたいですね」とEさまの顔がほころびました。

絵画制作のアトリエも兼ねたEさまの部屋

端正な和室には奥さまお気に入りの焼き物が飾られている

玄関ホール

古い時代の面影を残す「小正月」の行事 せわしない現代こそ見直したいもの

「お正月」には"大"と"小"がある?

現在「お正月」といえば、いつからいつまでを指すでしょうか。官公庁や多くの企業が4日を仕事始めとしているので、体感的には三が日のみという方が多いかもしれませんね。元旦をメインとした「大正月」に対し、1月15日を「小正月」とし、様々な伝統行事が行われるのをご存知でしょうか? 忙しい現代ではだんだんとなくなってきた「小正月」の風習についてご紹介します。

遥か昔は元旦といえば満月だった!?

小正月とは、1月15日を中心とする正月行事を指します。1月15日だけという地域もあれば、1月15日をはさんだ3日間という地域もあるようです。元々は旧暦の1月15日に行われていましたが、新暦が採用されて以降は、新暦の1月15日に行われるようになりました。
旧暦では月の始まりが新月になるので、元旦は新月、小正月は満月となります。旧暦の元旦は立春に近い新月の日ですが、もっと時代を遡ると、立春を過ぎた満月の日を年の変わり目としていたといわれています。

小正月にもある定番の食べ物・飾り付け

小正月とは、古い時代の「正月」の名残だと考えられています。大正月の行事は年神様を迎えることを主眼としていますが、小正月の行事は大きく分けると、①豊作祈願、②吉凶占い、③厄払いの3つに分類できるといわれています。
①の豊作祈願で代表的なものは、紅白の餅や団子を小さく丸め、柳などの木の枝につける「餅花(もちばな)」です。実った稲穂や、田の神が宿る桜の花に見立てました。小正月の代表的な飾り付けでもあります。
②の吉凶占いで代表的なものは、日本各地の神社で行われる「粥占(かゆうら)」です。多くは小豆粥を用いて、その年の天候や作物の豊凶を占います。豆は「魔(ま)を滅(めっ)する」に通じ、赤い色は邪気を払うとされ、小豆粥は小正月の食べ物でもあります。
③の悪霊払いの側面を持つのが、「どんど焼き」「左義長(さぎちょう)」などと呼ばれる火祭りです。正月飾りや古いお札などを燃やす行事で、煙とともに年神様が帰るとされ、その火で焼いた餅を食べると、一年間無病息災であるといわれています。

「松の内」はいつまで?関東と関西で違う理由

昔は、小正月に年神様を見送ることで正月行事の終了とし、15日までを「松の内」としていました。ところが1662年、江戸幕府より7日を飾り納めとする通達が出され、関東では7日までを松の内とする風習が広まりました。一方関西では、従来通り15日までを松の内とし、現在に至るといわれています。
小正月は豊作祈願など生産にかかわる行事が多いためか、主に農漁村で行われ、都市部では大正月が盛んだったそうです。よって、都市化が進むとともに、小正月の存在感も薄れていったと考えられます。今では、大正月の行事も簡略化されていっていますね。忙しい現代、昔の風習をそのまま踏襲することは難しいですが、一部でも取り入れて、時間の流れを大切したいものですね。

新しい日常を安心して子育てができる住まいとはAERA with Kids編集長江口祐子

大きく変わりつつある社会のなかで、これからの住まいは、子育ての場としてどうあるべきなのだろうか。 育児誌の編集長として、専門家や子育てファミリーへの豊富な取材実績を持つ江口祐子さんにお話しを伺った。

社会の変化は親子の関係にも

── コロナ禍の社会変化は、親子の関係にも影響を与えているのでしょうか。

江口 確実に影響していると思います。在宅ワークの増加などで親子が一緒にいる時間が長くなったため、以前よりも仲良くなったという家庭があります。その一方で、今までは気にならなかった細かいことまで目についてしまい、つい子どもを叱りすぎたり、親子げんかが増えてしまったりという家庭もあるようです。家族のあり方が二極化しているという印象です。

── 子育てには親子の距離感が大切といわれていますが、大人にとってもストレスを溜めない程よい距離感が必要かもしれませんね。

江口 他にも、ある程度のルールを決めておくことが必要だと思います。こういうときは叱るけど、こういうときは見守っていようといったルールです。今は家事も子育ても夫婦でシェアする時代ですから、そのためのルールづくりも大切ですね。また、夫婦といえども育った環境は違いますし、あえて口にしてこなかった小さな生活習慣の違いなどもあると思います。そうした価値観の違いを見直すためにも、たとえば、我が家にとっての新しい常識、我が家の信念のようなものを、「家訓」としてつくってみるのもいいでしょう。

家事や子育てのシェアが大切に

── 社会の変化に伴い、子育てについてもこれまでとは違う意識が必要なのでしょうか。

江口 家事や子育てをみんなでシェアする。それが一つのキーワードになると思います。親子で家事を楽しくシェアできれば、会話も増えますよね。また、子育てについても、家族という単位を超えて、たとえばママ友など、共感できる人をどんどん巻き込んでシェアする。そうすることで親も気持ちが楽になり、子どもも親以外の大人と触れ合うことで成長します。

── ママ友同士で、何かを頼み合ったり、子どもを預け合ったり。

江口 それが気軽にできるためには、子育てや家事をシェアしやすい環境が住まいにあること。たとえば、人が入りやすい少しオープンな家の方がいいでしょうね。

── 人を迎えやすい家とはどんな住まいでしょうか。

江口 子どもがいれば絶対に散らかりますから、来客時に片付けやすい家がいいですよね。一気に片付けられる大きな収納があると便利だと思います。けれど、完璧にキレイにしなければと気負う必要はありません。子どものいる家の片付けが大変なのは、ママ友同士なら理解し合えます。プロの家庭教師のなかには、部屋が適度に雑然としている方が、子どもが伸びるとおっしゃる先生もいます。本やおもちゃなど、知的好奇心を喚起するものが子どもの視界にあるような、そんな環境ですね。

今は正解の無い時代

江口 最近の取材では、多くの先生が「今は正解のない時代だ」とおっしゃっています。そんな時代を生き抜いていける子に育てること。それがこれからの子育てのテーマです。目標を立ててゴールを目指しても、それが正解とは限りませんから、失敗しても、もう一回立ち上がっていけることが大事です。そこで必要なのは、大人が安全で安心な環境をつくり、失敗しても笑顔で見守ってあげること。失敗しても、大丈夫、また挑戦すればいい。そんなふうに思わせてあげることが大切です。

── リラックスできる家なら、大人にも、笑顔で見守る余裕をもたらしてくれそうです。

江口 子どもにとって住まいが果たす役割は、食事や睡眠、学びの場などさまざまですが、何よりも大事なのは、子どもの心が安定し、心身ともに健やかに育てられる場所であることだと思います。

── 心から安心できる家。それは社会がどんなに変わっても、変わらない住まいの役割なのかもしれませんね。

江口祐子(えぐち・ゆうこ)

生活情報誌や一般書籍の編集を経て2009年より「AERA with Kids」編集部へ。教育専門家、小学生を持つ読者の取材を重ねる。2018年より編集長。中学2年生の女子の母。

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