四季折々、表情豊かなお庭でシニアライフを満喫
お子様が成長し、暮らしに余裕ができた世代の方には、新しい趣味をお庭から始めるのもいいかもしれません。ガーデニングや家庭菜園は、野菜などの収穫だけでなく季節の移り変わりも楽しむことができます。また屋内では一般的になったバリアフリーの考え方は、お庭においても重要です。ご家族の高齢化に合わせて、お体への負担を軽減するお庭を考えてみましょう。
ゆっくりと四季の変化を楽しむ空間
ガーデニング&家庭菜園
ガーデニングや家庭菜園は比較的手軽に、しかも自分のペースで行える趣味の一つです。最初は軒先のプランターから、本格的に取り組みたくなったらお庭全体とスペースも自分次第。デザインにこだわった水栓や道具入れ(物置)を設置すれば、よりいっそうお庭に愛着がわいてくるはずです。
お庭で野鳥を呼ぼう
植栽にエサ台を固定すれば様々な野鳥がやってきます。「都会でも野鳥が来るの!?」と思うかもしれませんが、メジロやウグイスが来ることも珍しくありません。エサによってやってくる野鳥は変わり、たとえばパンはハト、ヒマワリはシジュウカラやカワラヒラ、ミカンならメジロやウグイスなどが好んで食べます。エサ台も素敵なものがたくさんあります。お庭に似合うデザインを選ぶだけでもワクワクしませんか?
バリアフリーで体への負担を軽減
ウッドデッキ
室内からお庭までの段差をなくし、外へ出やすくします。体の不自由なご高齢者でも気軽に太陽光や自然な風を満喫できます。
真砂土(まさど)舗装
お庭の地面が土のままだと雨が降ったときにぬかるみます。また芝生や砂利だと足元が不安定だったり、車イスを利用する人には移動しにくいものです。でもタイルだと滑るし、コンクリートにしてしまったら味気ない......。そんなときは真砂土舗装がオススメ。真砂土は一見普通の土に見えますが、耐久性が高く、しかも雨水を吸い込みます。さらに雑草も生えません。
手摺り&足元照明
門扉から玄関までは距離があればあるほどつまずく危険性が増します。まして夜ならばなおさらです。「ちょっと危険かも」と感じたら通路に沿って手摺りと足元照明を設置しましょう。照明は自動点灯機能付きの製品もあり、夜間の足元をサポートします。
引戸タイプの玄関ドア
足元の不安定なご高齢者にとって玄関ドアの段差は、たとえ数センチでも転倒のきっかけとなります。段差が気になるようでしたら、段差のない引戸タイプに交換してみてはいかがでしょうか。一般的な開き戸タイプに比べ引戸タイプなら簡単に開けっ放しにできるので、荷物の出し入れや車イスでの出入りが楽になります。
高天井のLDKで憩い、伸びやかに子育て 「空」を切り取るパティオのある住まい
[大阪府 Sさま邸]
タイル張りの外壁が重厚感を漂わせるSさま邸。玄関ポーチには天然石の壁から水が流れ落ちる小さな「滝」がしつらえられ、涼やかな水音が耳に心地よく響きます。「この滝は我が家のシンボルですね。ご近所の人から『滝のある家』と呼ばれています」と笑顔のSさま。
木目柄の天井がフローリングと調和するLDKは、天井高3.5mの伸びやかな空間です。
リビングには大収納空間「蔵」を設けてお子さまたちの玩具や絵本を収納し、その上の1.5階をモダンな和室に。「扉を閉めると個室になるので、両親が泊まりにきたときもゆっくりと休んでもらえます」とお喜びです。
リビングとダイニングに囲まれたパティオ(中庭)はご家族のお気に入りのスペース。友人家族を呼んで、ここでバーベキューを楽しむことも多いそう。
2.5階には広びろとしたバルコニーがあり、ここは夏の花火大会の特等席に。去年の夏はレジャーシートを敷いて大勢で花火を鑑賞されたとのこと。1階のパティオをぐるりと囲む空中回廊のようなブリッジもあり、そこからパティオを見下ろすこともできます。
「全館空調で家中どこにいても温度差が少なくて快適ですし、コロナ禍による自粛生活で公園に出かけられない時期も、子どもたちをパティオやバルコニーで思いきり遊ばせることができたので、ストレスなく過ごせました。
玄関ホールに手洗い台を設けていたのも、帰宅後にすぐ手指が洗えて幸いでした」とSさま。
遊び心を大切にした住まいで、大らかに子育てしながらご家族の幸せ時間を満喫されています。
ワイングラスをイメージさせる7連の照明が印象的なダイニング。一角にPCカウンターも
キッチンの近くにワインセラーを
2.5階の「小屋KURA」
コロナ禍の状況で住まいづくりを決断 今だからこそ手に入れる意味とはコミュニティデザイナー山崎 亮
15年前に「コミュニティデザイン」という言葉を提唱し、デザイナーとして活躍中の山崎亮さん。そんな山崎さんに、コミュニティデザインを通して得た住まいに対する考え方をうかがった。
高齢化や人口減少、市街地の衰退などのさまざまな地域課題を、住民と一緒に解決する。そのための人と人とのつながり方やしくみをデザインするのがコミュニティデザインという仕事。山崎亮さんは、その草分け的な存在だ。
「15年前までは住宅の設計も手掛けていました。ですが住まいを建てたことがゴールになって、その先の暮らしについて考えない仕事に違和感を覚え、住宅設計から離れてしまいました。その後に始めたコミュニティデザインはむしろ逆。どう暮らしていくか、つまりモノよりコトを考える仕事です。そのせいか、私自身は家を所有することに関心がありませんでした。ところが今年の1月に土地を購入し、今はそこに建てる自宅を設計中です。自分でもびっくりする考えの変化ですね(笑)」
住まいの一部に設けた「パブリック」な空間は、人と人とをつなぎ、人とまちの結びつきをうながし、地域で暮らす人々の人生を豊かにする。人のつながりの大切さは、いつの時代でも変わらない。
人と人とのつながりを大事にする一方、住まいにはひとりになる空間も必要。仲の良い家族でも、適度な距離感を保てるように設計するのも大切。
きっかけとなったのは、新型コロナウイルスの感染拡大。社会や人と人とのつながり方が変わり、住まいの重要性も高まるはず。その考えが土地の購入を即断させた。
「設計中のプランでは、1階の道路に面した空間は、地域の人がいつでも自由に立ち寄れるパブリックスペースになる予定です。近所の子どもたちも集まりやすいように、お菓子を置いておこうと思っています。その奥にあるのが私の仕事場。間には開閉できる仕切りがあって、私の機嫌がいいときは開け、悪いときは閉じて仕事をします(笑)。上階は居住空間。家族が適度な距離感を保てる設計です。どんなに仲の良い家族でも、ひとりの時間は大切ですからね」
リモートワークなど通勤を必要としない働き方の増加は、居住する地域をより自由に選択できる機会に。自分にとっての「適疎」となる地域について考えてみよう。
山崎さんが手掛けるコミュニティデザインでは「適疎」という考え方が提唱されている。適疎とは、適度にまばらであるという意味。
「どの程度が適疎かは人によって異なります。渋谷のような過密が適疎な人がいれば、自然が豊かな郊外が快適な人もいます。『過疎と過密』は70年代からの問題ですが、自分にとっての適切な密度を見直し、住む地域を選択することは、問題解決の鍵になるはずです」
適疎の考え方は住まいづくりにも通じる。設計中のプランでは、家族が集まりたいときは集まることができ、ひとりにもなれ、パブリック空間では地域の人々に出会えるという、3つの適疎がデザインされている。
山崎さんが携わった北海道沼田町でのコミュニティデザインのワークショップ『これから塾』。住民とともに地域の拠点づくりを目指す。
「プライバシーを過剰に確保した住宅では、人と人とのつながりが失われます。日常的な会話がなくなると、人は虚弱な状態に陥り、体を動かす意欲も無くなります。今の日本は超高齢化社会。このまま加速すると、医療や介護の税金負担が増え、限界を迎えます。人のつながりを生むパブリックな空間のある家は、健康寿命を延ばし、高齢化社会の課題を解決する一助にもなるはずです」
島と人をつなぐ観光まちづくりイベント『瀬戸内しまのわ2014』。会期終了後も地域を元気にする「まちづくり」活動をサポート。
この他、オンラインのつながりに対応できる在宅ワーク空間の必要性など、コロナ禍以降の住まいには、より多くの役割が求められていると語る山崎さん。
「私たちのワークショップもオンラインでの開催が増えていますが、しぐさや表情などの情報量は対面に比べてぐっと少なくなりました。場所の空気感や、自分たちを取り囲むいろいろなモノなど、感性を刺激する要素も無くなります。その弱点を補うためには、参加者各自の環境にお互いを刺激し合える要素を用意することが必要です」
沖縄県名護市で開催された『よってたかってゆんたく』。名護市をどんなまちにしていきたいかを、地域の市民が楽しく語り合うワークショップだ。
設計中の自宅プランにも、その考え方は反映されている。1階の仕事場は、仕切りを開けておけば、遊んでいる子どもたちの姿がオンライン会議に映し出される。予定調和でない刺激は、クリエイティブな発想の燃料になるはずだ。
「家自体の価値だけでなく、家がもたらす人とのつながりや、新しい発想が生まれる場としての価値。私はそこに惹かれているのです」
住まいの役割が増えることは、人生をより豊かにしてくれる歓迎すべき変化――。山崎さんのお話に、そんな住まいの可能性を感じた方も多いはず。
山崎 亮(やまざき・りょう)
studio-L代表、慶應義塾大学特別招聘教授。
1973年愛知県生まれ。地域の課題を地域に住む人たちが解決する「コミュニティデザイン」の第一人者。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、建築やランドスケープのデザインなどに携わる。主な著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『ケアするまちのデザイン』(医学書院)など。
春を迎える前の"邪気払(じゃきばら)い"今の自分に合ったスタイルで
あなたは 「鬼は外」派?「鬼は内」派? それとも「無言で恵方巻」派?
2021年の節分は2月2日。「鬼は外、福は内」という掛け声とともに、豆をまくのが定番ですが、中には 「鬼は内」と言うところもあるとか。
また、大阪の恵方巻の習慣が全国に広まるなど、地域や時代によって、節分行事はなかなかバラエティ豊かです。そんな、いろいろな節分の風景をご紹介します。
邪気を払うための宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)が源流
そもそも節分は季節の分かれ目という意味で、立春・立夏・立秋・立冬の前日を指していました。その中でも立春の前日は、新春=新しい年を迎える際の節目として重要視され、節分と言えば立春の前日を指すようになりました。
こうした季節の変わり目は、邪気(=鬼)が生じやすいと考えられていて、かつて宮中では、大晦日に追儺(ついな)という鬼払いの儀式が行われていました。また、五穀には神霊な力が宿るとされており、豆をまいて邪気を払う豆打ちという儀式がありました。これらが融合して、現在のような節分の豆まきが出来上がったと考えられています。
鬼に縁があるところでは「鬼も内」
邪気を鬼と見立てて払うわけですが、鬼は必ずしも悪者ばかりではありません。東京・入谷の鬼子母神では 「鬼は外」と言わず、「福は内、悪魔外」と言います。鬼子屈神は他人の子を食べる鬼神でしたが、仏教の教えを受けて子供の守り神になりました。奈良の天河神社では、鬼を強いパワーと厳しさの象徴として迎え人れ、「鬼は内、福は内」と言って節分会を行うそうです。寺社ばかりではありません。群馬県藤岡市鬼石地区は、鬼が投げた石でできた町という伝説があり、全国各地から追い出された鬼を歓迎する 「鬼恋節分祭」を開催しています。
ライフスタイルに合わせて変わる節分
豆まき以外の節分行事として、最近は恵方巻きが定着してきました。大阪の海苔業界が仕掛けたイベントだと言われていますが、夕飯の献立を考えるのが楽だったり、声を出さないので近所が気にならないなど、現代のライフスタイルに合っている点も広まった要因でしょう。
そういえば、北海道・東北·信越地方では、炒った大豆ではなく、殻つきの落花生をまくのだとか。これは、雪の中でも拾いやすいからだそうです。掃除しやすく、食べ物が無駄にならないとなれば、これまた便利。ひょっとすると、あと何年かしたら、落花生まきが全国区になっているかもしれません。
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