2017年3月25日発行 homeclubより

特集 住まいの資金計画

part1 史上最低水準にある住宅ローン金利
ひと工夫すれば返済負担をさらに軽く

住宅ローンの金利が極めて低い現在は、ゆとりある資金計画を立てる絶好のタイミングだ。
だが、ローンの組み方次第では、さらに余裕をもった返済計画を立てることも可能だという。
住まいづくりの賢い資金計画について、ファイナンシャル・プランナーの久谷真理子さんに伺った。

●住宅ローン金利は、「超低金利」といってもいい水準が続いています。住まいづくりを検討している方の中には、「とにかく金利が低いローンを選んでおけば間違いない」とお考えの方も少なくないようです。

久谷住宅ローンの金利タイプには、大きく分けて「変動」と「固定」の二つがあります。まず変動金利型ですが、通常は固定よりも金利が低く設定されています。金利が低ければ、利息の負担も少なくなり、魅力的に見えますね。ただし、年2回、金利が見直されます。世の中の金利動向が反映されますから、金利が上がって支払金額が増える可能性もあります。
一方の固定金利型ですが、こちらにはさらに2種類のタイプがあります。ひとつは、返済終了まで金利が変わらない「全期間固定金利型」です。金利変動のリスクを避けられますから、安定感を優先したい方にいいでしょう。ただし、説明した3つのタイプの中では、もっとも金利が高く設定されています。もうひとつは、5年、10年など、一定の期間だけ金利を固定する「固定金利選択型」で、期間の終了時に、その時点での金利で見直しが行われます。「今は家計が厳しいけれど、5年後には余裕ができるから5年固定を選ぼう」というように、ライフプランの変化に合わせてうまく活用したいタイプです。

●タイプを選ぶ際に気をつけておくべきことはありますか?

久谷  固定金利選択型で気をつけたいケースをご紹介しましょう。このタイプと変動金利型の2つは店頭表示金利(各金融機関が独自に設定する住宅ローンの基準となる金利)よりも引き下げた金利で貸出が行われます。わかりやすくいうと、店頭金利よりも低い、いくらかオマケした金利が適用されるというわけです。ですが、固定金利選択型では、たとえば10年固定を選んだのであれば、11年目からはオマケが少なくなるものが多く見られます。「10年固定なのに変動とほとんど変わらない金利だね」と飛びついたけれど、11年目以降に金利がグッと上がって困ったという事態にならないよう注意したほうがよいですね。

●固定金利選択型にはあまりメリットがないのでしょうか?

久谷 そんなことはありません。借入金額が一番多い当初に低い金利が適用されていると、ローン残高を早めに減らすことができるというメリットがあります。毎月の返済額が少ないうえに残高も多く減らすことができます。

●金利タイプをミックスする方法もあるそうですが。

久谷 3000万円を借りるとして、金融機関によっては1000万円を10年固定、2000万円を全期間固定といった組み方も可能です。10年固定分は金利が低いメリットを活かして、繰り上げ返済も使いつつ早めに完済する計画を立て、2000万円は安定的に全期間を固定でという考え方です。金利だけでなく、返済期間ミックスもおすすめ。例えば共働き夫婦の場合なら、夫が2000万円を全期間固定の35年ローン、妻が1000万円を10年固定の20年ローンといった感じです。子どもの養育費は成長に伴って大きくなりますが、ピークの前に妻のローンをなるべく終わらせておくという組み方です。ライフステージの変化に合わせ、家計にゆとりをもたせる返済計画の一例といえるでしょう。このケースでは夫婦それぞれでローン減税が使えるメリットもありますから、うれしいですね。

●将来の家族のライフスタイルの変化をしっかり見据えれば、よりゆとりのある返済計画を立てることが可能なのですね。

久谷 とはいえ、将来起こりえることやローンの条件の組み合わせ方などをすべて考えるのは、一般の方にはなかなか難しいと思います。住まいや資金計画のプロをうまく活用しながら、賢く住まいを手に入れて欲しいですね。

久谷真理子(くたに・まりこ)

相続・不動産コンサルティングのFP会社「株式会社フリーダムリンク」専務取締役。住宅ローンや相続・不動産などの相談および実行支援業務のほか、各種セミナーの講師を務める。ミサワホームのWebサイトでも「住まいとお金」について連載中。

part2 満足できる住まいづくりにはしっかりとした資金計画が肝心

住まいづくりを考えるうえで大切なことは、しっかりとした資金計画を立てること。
借入額や返済期間のシミュレーションを行うだけでなく、補助金や優遇税制など、
多くの情報をうまく活用すれば、さらに賢い資金計画を立てることができるはずだ。

 資金計画の第一歩は、予算を決めること。そのために必要なのは、建物本体の工事費用だけでなく、さまざまな費用をしっかりと把握することだ。付帯工事費や外構費、家具購入費、ローン手数料や保険料、税金、引っ越し費用など、その項目は思いのほか多い。場合によっては100万円単位で造成工事や基礎の補強費用などが加わることもある。また、光熱費や建物のメンテナンス費用など、建てたあとのランニングコストも忘れてはならない費用だ。

 一方、資金計画の負担を軽くするための補助金や優遇制度についても知っておきたい。
 たとえば贈与税。親や祖父母から住宅取得用の資金として贈与を受けた場合、平成33年12月末までに契約すれば、一般住宅で700万円※1まで、一定の省エネ性・耐震性を満たした住宅なら1200万円※1までが非課税となる。

 この他にも、性能が高い住宅なら10年間の最大控除額が500万円となる「住宅ローン減税」や、年収に応じて最大30万円が給付される「すまい給付金」、さらには、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の住まいで受給できる75万円のZEH補助金、エコ住宅への建替えで受けられる最大50万円の補助金など、家計の負担を減らすいくつもの優遇税制や制度が用意されている。ただし適用には条件があるので、利用の際には注意が必要だ。

  これらをうまく活用できるかどうかで、資金計画には大きな差がついてくる。とはいえ、住まいづくりは人生でそう何度も経験することではない。全てを自ら正しく把握して資金計画をシミュレーションするのは至難の技。そこで頼りになるのが住宅展示場だ。これだけ多岐にわたる知識・情報をうまく活用するためには、住まいのプロのアドバイスを頼りにするのが一番。その機会を気軽に得られるのは、展示場の大きなメリット。ぜひ、積極的に活用したい。

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