Column│新しいライフスタイルのご提案や、子育て、オーナーさまのこだわりのお宅拝見、
著名人によるコラムなど、毎月厳選した住まいに関する情報をお届けいたします。

大自然の景色に溶け込む店舗併用住宅

[北海道 Iさま邸]


ヨーロッパの田園に建つ邸宅を思わせる外観。周囲の自然に見事にとけ込んでいます。

自然派フランス菓子のお店を経営されるIさまは、長年の念願をこの地でかなえ、1階がお店、2階が自宅の併用住宅をお建てになりました。 新築にあたってイメージされたのは、ヨーロッパの田園にあるような、自然と一体感のある住まい。そこで外観は素朴なシャレースタイルにされ、お客さまにも好評の、ホワイトとブラウンの対比が美しい佇まいになりました。 また、冬の降雪対策として急勾配の屋根とするとともに、開口部にはLow-Eペアガラスを採用。厳しい寒さの日も快適に過ごせるとのことです。


お店のエントランスへは緩やかなスロープに。車椅子でご来店の方にも配慮されました。

家庭的なぬくもりの店舗スペース

お店は「友達の家に遊びに行くような感覚で寄っていただける雰囲気にしたかったというご主人。ゆったりとしたアプローチは車椅子でもラクに通ることができ、店内は木のぬくもりに包まれるような、やさしい表情のインテリアに配慮されました。また、室内と連続するテラスはヨーロッパの街のカフェのイメージ。美しい景色を眺めながら、おいしいお茶とお菓子を楽しめます。


おもてなしの心が息づく、遊び心あふれるアプローチ。

2階は明るく開放的な住居スペース

住居は店舗とはっきり区別され、独立したプライベートスペースを確保されました。リビングは吹き抜けに加え、トップライトを設けて、明るく開放的なくつろぎ空間に。キッチンはオープンな対面式で洗濯コーナーへの家事動線も短くして、忙しい奥さまの負担を軽減するよう配慮しました。また、浴室はご主人のご要望で雄大な景色を眺められる開口を設けた"癒し"空間になっています。


心地よい光と風の中でいただくお茶の味は、また格別です。

所在地 北海道
家族構成 ご夫婦
敷地面積 481m²
延床面積 157m²(1階 79m²、2階 78m²)
建ぺい率 18%
容積率 34%


あたたかみのあるウッディな雰囲気の店内。奥にはティーテーブル席も設けられています。

自然素材にこだわって作られたケーキ類。

屋根を設けたエントランス。お客さまが雪にぬれることがないよう配慮されています。

2層分のガラスウォールが開放的な家

[北海道 Aさま邸]


吹き抜けのリビングは、壁一面ガラス張り。屋敷林を借景として「まるで森の中にいるような気分」に。

まるで森の中の別荘のような、ゆったりとした雰囲気。しかし、住まいがあるのは札幌の中心にほど近い住宅密集地で、工場の倉庫に隣接した敷地です。 この立地条件にも関わらず、Aさまがここに新居を構えられたのは、「土地のハンデを見事にプラスに転じるプラン提案があったから」といいます。 ミサワホームがご提案したのは、隣家との境界にある屋敷林を借景として最大限に活用した住まいづくり。その結果、シンプルでコンパクトな建物に、驚くほど開放感のあるライフステージが生まれました。


視界が広がる対面式キッチン。明るく清潔感漂う空間です。

敷地のハンデをプラスに変えたプラン

吹き抜けのリビングは、壁一面をガラスのカーテンウォールとしました。ウッドデッキの先には屋敷林が茂り、日中はやわらかな木漏れ日が入ってきます。「家を建てる前は、この木が邪魔になって部屋が暗くなるのではと心配していましたが、吹き抜けにしたことで陽ざしが十分入るし、四季折々の景色も楽しめます」とご主人。訪れる方々も「森の中にいるみたい」と驚かれるそうです。


コンパクトなBOX形の外観。暖色系2色のカラーリングが印象的です。

1階と2階を吹き抜けでつなぐ

2階のプライベートスペースも吹き抜けによる開放感を存分に満喫できる工夫を込めました。階段ホールはリビング上の"展望ロフト"のようにつくられ、1階ファミリースペースとのつながりも感じられる明るい空間になっています。また、壁厚を利用した飾り棚や間接照明が住まいのアクセントとして効果的に配置され、暮らしを美しく彩っています。


ダイニングの天井も一部を吹き抜けとし、自然の光が降りそそぐのびやかな空間に。

所在地 北海道
家族構成 ご夫婦・お子さま2人
敷地面積 187m²
延床面積 124m²(1階 67m²、2階 56m²)
建ぺい率 37%
容積率 66%

リビングの中に設けたスケルトン階段は、視線が抜けるので圧迫感がありません。

和モダンの照明と飾り棚。飾り棚には温かみのあるクルミ材を使っています。

素晴らしい眺望を楽しむ、高台の二世帯住宅

[北海道 Kさま邸]


遥かな山々の眺めと街の夜景を楽しめる住まい。

高台に建つ見晴らしをいかして建てられたKさまの住まい。そのご自慢は何といっても、開放感あふれる大窓から見渡す山並みの美しい眺めです。 外観は濃淡をつけた温もりのあるアースカラーを基調に、素焼きのような質感のタイルとサイディングという異なる素材の組み合わせで立体感を生みだしています。 ご両親と同居の二世帯住宅。世帯を完全に分離するのではなく、大家族が交流を楽しめるよう配慮し、1階に玄関、LDK、浴室などの共用スペースと親世帯スペースを、2階に子世帯スペースを配置しました。


ベージュのタイルと茶褐色のサイディングの組み合わせ。北の大地に合うアースカラーの外観。

空間を上手に使うアクセントウォール

LDKは二世帯共用の大空間ですが、リビングは客間も兼ねていることからプライベートな部分を目隠しできるよう、アクセントウォールを活用しました。また、LDの間にも白いタイルのアクセントウォールを設置。お客様からダイニングが見えないようにする一方、リビングで遊ぶお子さまを見守ることができるよう、キッチンカウンターの前の視界は開かれています。


玄関ホールからリビングに入ると、ニッチに飾られた花がまず目に入るように工夫されています。

楽しさが広がるセカンドリビング

2階には子世帯用のセカンドリビングを設置。共用リビングに来客があった際も、ここで気兼ねなくお子さまを遊ばせることができます。その一角にある畳コーナーは、ご家族の多目的スペース。寝ころんでくつろいだり、親子で遊んだり、さまざまなに使えます。下部が収納になっているので、オモチャなどをサっとしまうことができます。


間接照明が基本。壁を照らすスポットライトで、昼間とは違う雰囲気のリビングを演出。

所在地 北海道
家族構成 ご夫婦・お子さま3人・ご両親
敷地面積 561m²
延床面積 215m²(1階 120m²、2階 94m²)
建ぺい率 22%
容積率 38%


夜のタタミコーナーは間接照明により静粛なイメージを演出。


アクセントウォールにより、リビングからはキッチン右手にあるダイニングが見えないつくりに。


玄関ホールからリビングを望む。リビングの入り口にある飾り棚が日当たりの良さを強調。

大窓のプリーツカーテンを閉めると、ガラリと変わった雰囲気が楽しめます。

タイルの筋目がつくる陰影をいかして、微かな市松模様に見せるアクセントウォール。

お子さまたちお気に入りの畳コーナー。外の自然と一体化する感覚を味わえるスペースです。

日当たりの良いタタミコーナー。下部は収納スペースとして利用できる。

内観のアクセントにはウォールナットを使用、さりげない暖かみが感じられる。

リビングに隣接した和室を開口することで奥行きの広さを感じる。

茶道家の美学に応える、和の住まい

[北海道 Uさま邸]


シンプルモダンでありながら、和の趣が強く感じられる外観デザイン。

茶道家Uさまのために建てられた、和の粋を凝らした住まい。外観はモダンなキュービックフォルムながら、落ち着いたモノトーンの配色と、天然木でつくられた塀や「枝折り戸」が和の趣をかもし出しています。 フロア構成は、茶道教室や茶事(お茶会)を催すスペースを1階に、居住スペースを2階に設けました。 茶道の真髄である「おもてなしの心」を大切に、茶室に通じる露地にある"つくばい"の水の音など、目には見えない心地よさを追求。Uさまのご要望である「茶道を追求する空間」をカタチにしました。


「京間スケールでつくられた、茶道を追求する空間がほしい」というご要望に応えたUさま邸。

本格茶室のしつらいを徹底追求

Uさま邸では、本格的に茶道を楽しむための空間にこだわりました。たとえば、露地には飛石を敷き、植栽やつくばいを配して和の風情をぜいたくに表現しています。また、天然素材を多用した「小間」、その小間に隣接する8畳の「広間」、茶事の準備を行う「水屋」などにいたるまで、すべて京間のスケールにこだわり、細部にいたるまで伝統に培われた機能美を表現しました。


にじり口のある4畳半の小間は、茶事やお稽古に使われている空間。

"和"を感じさせるデザインの作法

茶道や華道、舞踊など日本の伝統芸術を伝承される方の住まいは、お稽古場のある室内はもとより、外観も純和風でまとめることが多いのですが、多雪地域に建つUさま邸においては、雪害対策としてQビックフォルムを選択しています。その中でも和の趣を表現するため、建物の水平ラインや陰影を感じる2色づかい、天然素材のワンポイント活用など、すみずみまで創意工夫を重ねました。


裏茶事のお稽古もできる待合。隣接する広間とは、襖で仕切られています。

所在地 北海道
家族構成 ---
敷地面積 239m²
建築面積 109m²
延床面積 199m²(1階 106m²、2階 92m²)
建ぺい率 45%
容積率 83%

小間へ入るにじり口。「踏石」には、地元産の札幌軟石を使っています。

伝統的な機能美が息づく水屋。茶室同様、京間のスケールでつくられています。

茶室へ入るための露地は、玄関アプローチとは別に設けられています。

静けさに満ちた玄関ホール。銘木を使用した地板と縁無し畳の廊下が印象的です。

玄関アプローチにも和のイメージを隅々まで演出されています

4層のスキップフロアを持つ二世帯住宅

[北海道 Hさま邸]


シンプルなBOXフォルム。外壁の白とカーポートの黒のコントラストが印象的です。

二世帯が快適同居できるよう、スキップフロアを活用したHさまの二世帯住宅。4層のフロア構成とし、1層がダイニング・キッチン、2層が書斎、3層が大収納空間『KURA』、4層はリビングとしました。 外観はシンプルなBOX形状。外壁には白の窯業系サイディングを用いています。シンプルなデザインが無機質な印象にならないよう、玄関には木製ドアを採用、和みのある自然素材をアクセントにしました。 インテリアは、各フロアの雰囲気を考えて照明プランにもひと工夫。多彩な照明が造りだす陰影が心豊かな空間を実現しています。


リズミカルに配置された照明が、空間の表情を豊かにしています。

二世帯がゆったり交流できる広びろスペース

「ダイニングスペースは1階、リビングスペースは2階に」というご要望に合わせ、1層部分のダイニング・キッチンは、二世帯が共有して食事や会話を楽しむスペースとしました。高い天井を確保し、キッチンやテーブルは中庭が眺められる位置に配置。また、1層のダイニングと4層のリビングをつなぐ階段や木質感溢れる焼杉板の壁が、2つの空間をゆるやかにつなぐ役目を果たしています。


キッチンの面材やテーブルの素材を統一。ぬくもりのある木の表情をいかしたインテリアです。

居心地の良い"シンプルモダン"空間

4層にあるリビングの天井高は約2.4mとし、ダイニングスペースと比べて、より落ち着いた雰囲気に仕上げています。床や収納扉、アクセントウォールには木を使うことによって、やさしく穏やかな空間を演出。さらに、主照明と間接照明を上手に組み合わせて、美しい陰影をいかした豊かな表情を持つインテリアを実現しています。


大きさの異なるランプをランダムに吊り下げ、楽しいリズムを生んでいます。

所在地 北海道
家族構成 ---
敷地面積 202m²
建築面積 80m²
延床面積 166m²
建ぺい率 42%
容積率 82%


まるでオブジェのような焼杉板が、上下階の空間を繋いでいます


落ち着いた雰囲気に仕上げられた4層にあるリビング


ペンダントライトと間接照明で豊かな空間演出を。


やわらかなあかりが、リビングに落ち着いた雰囲気をもたらしています。

二世帯が食事、会話を楽しめるスペースは天井が高く開放的。

上下の空間をゆるやかにつなげる焼杉板は、空間を引き締めるアクセントにもなっています。

天井高3.5mという、明るく開放感のある玄関ホール。シンプルな空間を追求しました。

建築家の美意識をカタチにした自邸

[北海道 Tさま邸]


チーク色が映える、すっきりとした印象のファサード。

建築デザイナーT氏が、自らの設計思想をカタチにした住まい。3つのボックスを組み合わせたようなシンプルなフォルムですが、その一部分に木材を使ってアクセント的な変化をつけています。 また、壁の面構成をうまく使って、外からは開口部が見えない、スッキリした印象のファサードを実現しました。 その空間は個性的そのもの。倉庫の壁に使われるような木毛セメント板をはじめ、電車の手すりのようなステンレスパイプなど、ユニークな素材を随所に採用。モダンかクラシカルか。和風か洋風かといったジャンル分けが通用しない新たなスタイルが生まれました。


木毛セメント板を用いた、力強さのある勾配天井のあるリビング・ダイニング。

光と色と素材の質感で空間演出

玄関を入ると、左側にいろは紅葉が見える大きな窓。半透明のロールスクリーンがかけられ、外からの視線を遮断しています。15帖のLDは、南側に大きな窓を設け、明るい日差しを招き入れます。ゆるやかな勾配天井が落ち着いた色調のインテリアに開放感とリズム感を生んでいます。床にはチークのフローリングを、天井には木毛セメント板という素朴な質感の素材を採用しています。


リビングの天井と壁の間をアルミのラインが引き締めています。

美意識と遊び心を住まいの随所に

扉の開閉で表情が異なる和室も、建築家らしいアイデア。玄関とキッチンの扉を開け放つと、フローリング部分が通路となり、来客時にリビングを通らずに行き来できます。また、LDとキッチンの間の階段は、角度や組み方などの細部にこだわり、家具職人の技をいかしたもの。手すりにはステンレスパイプを使用。お子さまがぶら下がって遊べるようにとの意図がカタチになっています。


ステップの横面もきれいに処理された、オブジェのような階段。職人の技が光ります。

所在地 北海道
家族構成 ご夫婦・お子さま2人
敷地面積 202m²
延床面積 125m²(1階 73m²、2階 52m²)
建ぺい率 34%
容積率 62%

和室の畳や扉のラインと合わせ、ダウンライトもスクエアに配置しました。

フローリング、扉や棚などの建具はチーク材で統一。

高窓から自然の光が差し込むコンパクトで機能的な洗面所

空中廊下がつなぐ、個性豊かな住空間

[北海道帯広市 Kさま邸]

移動する都度、あちこちに視線が抜け、素敵な眺めが頁をめくるように展開する。既成概念にとらわれない設計デザインで、そんな心ときめく暮らしを叶えたKさま邸。
階段ホールを中心に、リビングとダイニングキッチンが振り分けられ、階段ホールの両サイドの戸外には、アウトドアリビングとしても使えるテラスが配されています。

リビングは南面に大きく取った窓から陽光が差し込み、開放感いっぱい。
見上げると寝室と書斎をつなぐ空中廊下が走り、ボーダータイルを縦に貼ったシックな壁面が吹き抜けの大空間に気品を生み出しています。

「他にはない洗練されたデザインの家にしたくて、センチュリーデザインオフィスの建築士である玉木大樹さんに設計をお願いしたら、こんな個性豊かな住空間を創り出してもらえたのです。建築家って芸術家なんだと実感しました」とKさま。

コンセプトは「ヴィラ」。利便性の追求だけでは得られない、いわば非日常から生まれる贅沢感を味わうため、あえて非効率な動線にして眺めを楽しむ設計も採り入れています。

たとえばリビングから、そのすぐ上に見える書斎に行くにも、階段を上がって長い空中廊下を歩き、寝室を通り抜け、さらに別の空中廊下を歩いて到着するというふうに。この動線で「誰にも邪魔されない隠れ家のような書斎を」というKさまの願いも叶えました。

「大人ゾーンと子どもゾーンをうまく分けてつくってもらえたので、リビングは生活感のない雰囲気にできました。シャンデリアの灯りが美しい夜の雰囲気も素敵です。リビングからキッチンが目に入らないので、家事を忘れて100%くつろげるのがうれしくて」と奥さまもお喜びのご様子。日常を離れて心豊かな時間を楽しめる贅沢な暮らしがここにありました。

削ぎ落とすことから生まれた 美しい住まい

[北海道札幌市 Kさま邸]

シンプルなデザインにこだわるとむしろ個性が輝きはじめる

できることなら、自他ともに認める美しい住まいを手に入れたい。
誰もが思うそんな願いを叶えたKさま邸は、「ありがち」なアイテムを排除しながら、
機能性と快適性を巧みに融合させるシンプルなデザインで、個性的な住まいを実現している。

よく見かける住まいのアイテムをできるだけ取り除いて、欲しいものだけに特化した家。それがKさま邸のデザインコンセプトだ。
その象徴といえるのが、1階のパブリックスペースだろう。玄関扉を開けると、いきなりダイニングやキッチンのあるフロアが視界に飛び込んでくる。玄関ホールとダイニングやキッチンとは、背の低い、大きなボックス型の収納で仕切られているだけのシンプルなつくりになっている。

また、このフロアに置かれている家具調度は、ダイニングテーブルと椅子だけで、冷蔵庫すら見えない。さらに、床はフローリングやタイルなどの床材ではなく、通常ならその下にあるモルタルがそのまま床面として活かされている。

リビングは、大きな開口部と白い壁だけの広い空間だ。ゆったりとしたソファ2台とサイドテーブル、テレビ、ライトスタンドが置かれ、広さが広いままに活かされている。ここは、ソファの背面が見えないように置くことを前提にデザインされているという。

このように、すっきりとした無駄のないフロアが続くKさま邸。それでも空間が殺風景で冷たい印象になることなく、あたたかな表情をつくり出しているのは、空間全体や色調から生まれるメリハリだろう。 ウォールナットのダークブラウンで統一されたキッチンの脇には、白い階段があり、その横にはガレージが見える窓。リビングの床はキッチンフロアよりも20㎝ほど床が高く、キッチンに比べて天井も高い。

また、玄関脇の窓は高さを抑え、リビングの窓は天井の高さほどある。つまり、少々圧迫感のあるキッチンやダイニングと、開放感たっぷりのリビングという構成が、全体にメリハリをもたらし、アクティブな印象を演出しているのである。
欲しいものだけに特化されたKさま邸は、まさにご夫妻のデザインへのこだわりが存分に表現された住まいといえるだろう。

キューブを重ね合わせた 北海道の家

[北海道札幌市 Iさま邸]

淡いベージュ色の外壁と複数のキューブ形を重ね合わせたような外観が印象的なIさま邸。
ご夫妻がこだわったのは、まずは「広いリビング」と「他にはないユニークなデザイン」でした。それを表現しているのが、1階のパブリックスペースです。

キッチンとダイニング、メインとなるリビング、そして畳コーナー。ここには柱がほとんどないため、それぞれの空間が一体となって広がっています。そのなかで、アクセントとなっているのがキッチン手前にあるスケルトンの階段。しかも吹き抜けになっているため、上からもやわらかい光が注ぎ込みます。

全体的に落ち着きのある雰囲気をつくっているのは、床材やキッチン、所々に使用されている壁板の色合いにあります。床には北海道産のナラの無垢材を使ったやさしいブラウン。
キッチンや壁板は引き締め効果のあるダークブラウン。全体が白い壁面のなかにメリハリが演出されているため、広い空間でも場所によって異なる表情が楽しめる仕掛けです。

また、キッチンは奥さまのご希望でオープンタイプに。しかも、ワークトップの奥にある収納部分には扉が設けられ、不意の来客時など、こまごましたモノをさっと片付けるときに便利だと好評です。

さらに、ご主人のもうひとつの希望は畳があること。リビングから連続してフラットな畳コーナーが続き、この存在がパブリックスペースをより機能的にしています。

2階への階段を上がっていくと、正面にはギャラリーが。
かつて野球で甲子園出場もはたしたご主人の記念の品々が飾られていました。また、ご夫妻の主室の奥でちょうど階段上の踊り場のようなスペースがご主人の書斎。子ども部屋は現在、階段との仕切りのない広い空間になっており、今後、二人のお子さまの成長に合わせて空間づくりをしたいとのことでした。

さて、Iさま邸のある北海道は、極寒の地。そのため木質パネルも通常の90ミリではなく、120ミリという厚さで、より密度の高い断熱材が埋め込まれた寒冷地仕様が使用されています。
高断熱を実現しているため、暖房はエアコンと窓際のパネルヒーターのみ。特に窓際は、冬季には下降冷気が生じるコールドドラフト現象が起こります。そこで、パネルヒーターによって冷気が室内に流れないようにしているのです。パネルヒーターは冬季に一日中稼働させることで、空気を汚さず、やわらかい暖かさが持続するとのことでした。

柱のないオープンなスペースを走り回る子どもたち。それを見守るご夫妻。ここにはいつまでも暖かい空気が漂っていました。

湖の風景が楽しめる北海道の家

[北海道釧路市 Mさま邸]

Mさま邸は道路から少し上った高台に位置し、目の前には湖が広がっています。冬は雪に覆われた銀世界、春夏には木々の緑が湖面に映り、秋は紅葉に彩られる湖。釧路湿原にもほど近く、この周辺でもエゾリスやシカ、キタキツネなどを見かけるといいます。まさに北海道の大自然が味わえる絶好のロケーションです。
ご主人の仕事に伴い、九州から釧路に移り住んだのが10年前のこと。以来、すっかり釧路が気に入り、そのままここに終の棲家をつくる決心をしました。

設計にあたってご主人がこだわったのは、「眺望を活かすこと、そして趣味の部屋をつくること」。そこで、2階にリビングやダイニングキッチンを配置し、南面に大きな窓を設けました。階段を上ると、そこには湖の風景がまるで一枚の絵画のように映り込んでいます。浴室もリビングに続く南面に配して、湖を眺めながらの入浴が楽しめるのも特徴のひとつでしょう。

またリビングに隣接して、図書室と呼んでいる多目的な空間があります。ここにはたくさんの書籍やパソコンが置かれ、子どもたちが読書をしたり、宿題をしたり、ご家族が思い思いに過ごしています。

そして1階中央のホールの横にガラスの扉があり、その奥がご主人の趣味の部屋。
「HOゲージの鉄道模型が趣味。専用の部屋をつくるのが夢でした。ここなら存分にその世界に浸れますから、うれしいですね」
また1階には土間があり、冬場でもここなら大工仕事などの作業が可能。黒い漆喰の壁に囲まれた大きな窓には、やはり湖の景色が広がります。

そうしたこだわりを家として形にまとめあげるまでには、ご主人と設計担当者との密度の高いコミュニケーションがありました。
「イメージが次々に湧いてきて、自ら模型をつくったほど。プランを練り直しながら、何度も設計の方とやり取りを繰り返しました。
最終的な設計はお任せしたのですが、こちらの要望をすべて叶えていただき、とても満足しています」

ところでオール電化のMさま邸は、極寒の季節とはいえ快適そのものです。夜間電力を利用した蓄熱装置を1階と2階に設置しており、それらが床暖房やパネルヒーターの熱源となって真冬でも家全体をぽかぽかにしています。
北海道のようにおおらかで、明るい笑顔が絶えない、そんな暖かなMさま邸でした。

  • 連載「住まいとお金」ファイナンシャルプランナー 久谷真理子
  • わが家の建てどきガイド
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