Column│新しいライフスタイルのご提案や、子育て、オーナーさまのこだわりのお宅拝見、
著名人によるコラムなど、毎月厳選した住まいに関する情報をお届けいたします。

竹林の眺めを愛で、四季を感じる喜び。旧家の敷地内に別荘のように佇む情趣豊かな家

[山梨県 Aさま邸]

ご実家の広い敷地内に、竹林に抱かれるように佇むAさま邸。ダークな色づかいの和モダンな外観が、伝統ある地域の環境や瓦屋根の母屋ともしっくりと溶け合っています。

1階に広がる大空間のLDKは上質感に満ちた別荘のよう。ウォールナットを基調にした重厚感あるインテリアがホワイトの明るい床色と調和。リビングとダイニングを仕切る割肌の石張り壁がひときわの存在感を放ち、リゾート感のある雰囲気を醸し出しています。

リビングは高さ約3mの板張り天井で、南側の高い位置に連なる窓から竹林の景観が切り取った絵のように目に入ります。「秋は竹の緑、モミジの赤、イチョウの黄で錦絵の景色が楽しめます」とAさま。冬の雪景色も美しく、エタノール暖炉の炎のゆらめきに心も暖まります。

お酒がお好きなAさまは、リビングにバーコーナーをしつらえ、ボトルやグラスをお洒落に飾っています。ご友人を招いてホームパーティーを開かれることも多く、「バーカウンターでウイスキーを飲みながら、お喋りをするひとときは最高ですね」とのこと。

ダイニングの続きには小上がりの畳コーナーもあり、冬は掘り炬燵でお鍋を囲んでほっこりとするのも心地よさそう。

「断熱性がいいから、以前は辛かった冬の寒さが嘘のようです。遮音性も高いので、夜に音楽を聴いたり、友人たちとカラオケをしていても音漏れが気にならず、隣の母屋に住む母にも気兼ねなく暮らせます」
四季の移ろいを愛でながらゆったりと暮らす喜びが、ご夫妻の笑顔から伝わってきました。

重厚にして繊細な和モダンスタイルで、家族への細やかな心が光る豊かな暮らし

[三重県 Hさま邸]

「私たちの希望を美しいカタチに仕上げていただき、住み心地にもたいへん満足しています」と微笑むHさまご夫婦。お二人の望みは、すっきりとした美しさと機能性に富んだ和モダンスタイルでした。

まず目を奪うのは大屋根と深い軒、グレージュ色のタイル張りの外観と広々とした玄関ホール。1階はホールの右手に格子扉が印象的な和室が、左手にLDKが配置され、幅広廊下を介して無駄なく回遊できる生活動線も確保されています。しかも、どの空間も高天井と大開口があるため開放感もたっぷり。それでいて全体に繊細な印象をつくり出しており、折り上げ天井や木目が美しい突板のフローリングなど細部の造りや素材へのこだわりが光ります。開口枠や巾木にも突板を使うという徹底ぶりです。

機能面でのお気に入りはキッチンと洗面室。「二人の娘とキッチンに立てるよう、広いコの字型にしました。洗面室は、朝、戦場のようになるので、複数で利用できる広さにし、エアコンも設置。乾燥室としても利用できるため、洗濯動線がぐんとコンパクトになりました」と奥さま。

また2階の個室にはそれぞれにウォークインクロゼットを設け、「おかげで、大量の衣類管理がとても楽になりました」とにっこり。一方、Hさまも念願の書斎を手に入れて、「ときには一人の時間を楽しんでいます」と語ります。

広い玄関で彩り豊かに迎えてくれるのは、奥さまの生け花。そんな心遣いに象徴されるように、Hさま邸にはご家族への細やかさに満ちた豊かな空間が広がっていました。


ご夫婦の寝室はホテルのような上質な空間になっている。


天窓から光が注ぐスタイリッシュな階段室。

三世代8人家族が楽しく団らんできる旅館のような憩いを感じる和モダンの家

[宮城県 Kさま邸]

東日本大震災の後、6年半の仮設住宅生活を経て、三世代8人家族が一つ屋根の下で暮らせる念願のお住まいを建てられたKさま。入母屋の大屋根が風格を漂わせる佇まいは、住宅地でひときわの存在感を放っています。

玄関ホールには大谷石の壁をあしらった床の間風のニッチがあり、お母さま作の生け花が美しく飾られていました。
「夫婦で飲食店を営む多忙な毎日なので、帰宅後や休日にホッと心がなごむ温泉旅館のような住まいにしたいと思いました」とKさま。その言葉通り、脱衣室の入り口に「ゆ」の暖簾をかけ、浴室の続きには露天風呂もつくって、旅館風の入浴タイムを楽しまれています。

30畳以上もあるLDKは天井高が約3.5mあり、ダークな板張り天井にしても圧迫感がありません。高い位置の窓からも光が差し込み、障子が醸す和の落ち着きと吹き抜けの開放感が両立しています。今年のお正月には家々を回る獅子舞の人たちも集い、広いLDKが大勢で祝いのお酒を酌み交わす場として賑わったそうです。

リビングから続く小上がりの和ダイニングは8人が座れる掘り座卓を造り付けて、粋な小料理屋のような雰囲気に。
「キッチンに立つと掘り座卓を囲む家族と目線が揃うので、会話が自然に弾みます。大きな四つ窓から庭の景色が眺められるのもいいですね」と奥さまもお気に入りです。

 リビングに集まって家族みんなで映画を観たり、お子さま達と階段上の壁でボルダリングを楽しんだり。ゆとりのお住まいで遊び心に満ちた暮らしを満喫されています。

吹き抜けのリビングから和庭を望む大屋根が映える平屋の趣豊かな住まい

[静岡県 Kさま邸]

山々に囲まれた自然豊かな地に、和風庭園を抱いてたたずむKさま邸。築120年の生家を、大屋根が風格を漂わせる平屋のお住まいに建て替えられました。
「生家はご先祖から引き継いだ思い出深い建物でしたので、外観のシルエットを踏襲し、愛着のある古材も空間づくりに上手に生かしてもらいました」とKさまは語ります。

玄関ホールに入ると、正面の大きな地窓から中庭の景色が切り取った絵のように目に入ります。季節の花が飾られた古木の台は、以前の大黒柱を再利用したものだそう。

ご家族団らんの場となるLDKは、大開口サッシから庭を一望できる明るく開放的な空間。吹き抜けリビングの天井に渡る木梁も、生家に使われていた古い梁で、愛猫たちのキャットウォークにもなりました。さらにダイニングの照明の上やキッチンの腰壁にも古材を使って、古き良き味わいをモダンに生かしています。

また、リビングには大収納空間「蔵」を設け、その上をスキップフロアの部屋にして、置き畳で和室のような落ち着いた雰囲気に。
「冬は畳の間に炬燵を置いて、家族でお鍋を囲みたいですね。ここにもロフトタイプの収納をつくってもらったので、書籍や季節モノがたっぷりしまえて助かります」と奥さま。

LDKは23畳大の伸びやかさですが、夏はエアコン一台でスキップフロアの部屋まで涼しくなったそう。
「30℃の省エネ設定で十分快適でした。リビングとダイニングには床暖房を設置したので、冬も足下からぽかぽか暖まり、愛猫たちも気持ちよさそうです」と笑顔が広がりました。

多彩な庭を創り、四季の移ろいを潤い豊かに楽しむ二世帯の暮らし

[石川県 Yさま邸]

和の趣を生かした間口23メートルの風格ある佇まい。長く伸びる下屋の水平ラインが美しいYさま邸は、1階が親世帯、2階が子世帯の二世帯住宅です。

石タイル壁のアプローチを歩いて玄関に入ると、地窓から坪庭の眺めが目に入り、つくばいに落ちる水音が心地よく響きます。

さらにリビング、ダイニング、和室と移動する度、異なる風情の庭が現れて目を楽しませてくれます。

「能登の山採りの樹木を植えた6つの庭が、四季折々、それぞれの味わいを見せてくれるので、見飽きることがありません」とYさま。

なかでも伝統工芸の建具やアカマツの床柱など、しつらえに凝った和室はYさまのお気に入り。「輪島塗の座卓で、和庭の景色を愛でながらくつろいでいると、心が自然に和みますね」と目を細めます。

一方、2階・子世帯はワンルームの開放的なLDKをつくり、リビングは平織りのテキスタイルフロアにしてくつろぎ感を。「北欧風のナチュラルモダンな雰囲気にこだわりました」と息子さまご夫妻。

完全分離型の二世帯住宅ながら、仲の良いご一家はいつもご一緒。夕食は1階のダイニングに集まって、毎日家族みんなで賑やかに。ダイニングの外には広いテラスがあり、アウトドアリビングとしても活躍しています。

「家族でバーベキューをしますし、夏はビニールプールを置いて孫たちに水遊びをさせました。
キッチンからも目が届くから安心ですね」と奥さま。3世代6人家族の潤い豊かな暮らしを満喫されています。

高級旅館を思わせる気品と和モダンに暮らす平屋の家

[愛知県 Tさま邸]

定年を機に、ご自宅をご夫婦で伸びやかに暮らせる平屋に建て替えられたTさま。訪れてまず目を見張るのが、広々としたタイル土間の玄関ホールです。高級旅館を思わせる気品あるしつらえで、和風庭園に面した大きな窓から光がふんだんに差し込み、サンルームのよう。廊下に美しく連なる木製ルーバーの引戸を開けると、27畳大もある高天井の開放的なLDKが広がっています。

「夏は引戸を閉じた状態でも、ルーバーを開けておけば庭からの心地良い風がスッと通り抜けて、冷房がいらないくらいです」と奥さま。

床はうづくり加工を施した足触りのいいフローリング。梁の上を走る間接照明がリビングの天井をやさしく彩ります。そして対面キッチンのダイニングは、ご夫婦のこだわりを叶えた和モダンなスタイル。対面キッチンの前に、無垢材のカウンターとダイニングテーブルを一体に造り付け、さらに掘り座卓のように足が下ろせる小上がりの畳コーナーも設けて、椅子でも畳でも、好きな方に座って食事ができるようにしました。

「朝は東面の大きな窓から光が入るから気持ちが良くて。カウンターで趣味の手芸をしたり、畳コーナーはヨガにも重宝しています。このダイニングは友人たちにも大好評で、よく集まって、みんなでランチやお茶をするようになりました」と奥さま。

一方、ご主人は「畳に座ってカウンターで晩酌するのが私の楽しみ。小洒落た居酒屋のような雰囲気が気に入っています」と満面の笑み。お二人の幸せな時間がゆったりと紡がれています。

和のくつろぎのある二世帯住宅

[東京都 Iさま邸]


水平ラインが整った安定感のある外観。植栽との調和も見事です。

悠然とした水の流れに風情が感じられる、そんな玉川上水のほとりに建つIさま邸。歴史を感じさせる街並みに、その和の佇まいが溶け込むように調和しています。 ゆとりある敷地をいかして水平ラインを強調した外観はどっしりとした安定感を感じさせます。アクセントは入り母屋の繊細な三角形で付けています。 幕板は日本家屋にふさわしいヒノキ色の「M-Wood」を採用しました。耐候性・耐久性にもすぐれたこの進化した木素材は、美しさと機能性を高い次元で両立しています。


堀座卓が印象的な「和」のリビング。建具を閉めれば、独立した空間になります。

和の趣あふれるお母さまの空間

1階にはお母さまが暮らすスペースとゲストをお招きする「大広間」となる和室続き間を配置。暮らし慣れたスタイルに合わせて、床は畳敷きを基本にしました。8帖と10帖の続き間は大勢のお客さまがいらしてもゆとり十分。掛け軸を飾る床の間や風合いのある床柱、シンプルな違い棚など、伝統の意匠を現代にアレンジしました。また、和室とつながる広縁も心地よさの演出に一役買っています。


床の間や違い棚、欄間など、伝統的な和の意匠が息づく二間続きの和室。

座卓リビングのある子世帯ゾーン

2階の子世帯スペースは、1階とはがらっとイメージを変えてモダンなイメージとしました。落ち着きのあるウォールナットカラーで統一した空間にはリラックスした雰囲気があふれます。くつろぎの中心となるリビングは、日本伝統の「座」のスタイルに。掘りごたつ形式としたリビングテーブルはゲストも肩の力を抜いてくつろげることでしょう。格子状の建具でダイニングと仕切ることもできます。


住まいの中心部から自然の光と風を招き入れるライトコート。

所在地 東京都
家族構成 ご夫婦・お子さま2人
敷地面積 991m²
延床面積 396m²(1階 194m²、2階 202m²)
建ぺい率 21%
容積率 39%

和と洋を無理なく調和させる外観と内観素材。

伝統の和に、ゆとりが息づく住まい

[新潟県 Iさま邸]


200坪以上もの庭と一体で設計された、数寄屋風の佇まい。上質な和の趣が漂います。

日本百名山のひとつ、妙高山を仰ぎ見る新潟県。その歴史と自然に恵まれた地にIさまの住まいは建っています。住まいづくりを検討された当時は東京にお住まいだったご夫妻ですが、「いずれは生まれ育った新潟の地に帰って暮らしたい」と相談されていたそうです。 そんな折り、上越市で自然と人間の共存をめざした街づくりを行うという「アーバンビレッジ構想」がスタートしたことを耳にされ、お二人はこの考え方に共鳴。生まれ故郷の美しい自然とともに暮らす終の住み処づくりが始まりました。


木肌も清々しいヒバを用いた門。敷石には大谷石を使っています。

住まいと庭を一体でデザイン

「一生住み続ける住まいだからこそ地域に長く残っていくものを」と考えたIさまは、建物だけでなくエクステリアも含めてトータルな住まいづくりを進められました。20坪以上の広さを持つ庭はヤマボウシやケヤキなど20種以上の木々が植えられ、玄関アプローチや建物のまわりには種々の山野草が一体となった美しさで心を和ませてくれます。この環境が、ゆとりの暮らしを実現しているのです。


壁も床もやさしい色調で統一したリビング。家具の美しさを引き立てます。

ふれあい温まる、囲炉裏の部屋

全室南面の部屋は、雁行プランによって光や風をより多く招き入れることができ、住まい全体に心地よさが広がります。また、Iさまの一番のこだわりは「囲炉裏のある部屋」。高い天井と美しい木肌で包まれた空間はシンプルそのもので余計な家具は一切置かれていません。日常を忘れてリラックスできるひとときは格別。みなさん、時の経つのを忘れておしゃべりに熱中してしまうそうです。


囲炉裏の間は、ご主人の最もお気に入りの空間。日常を忘れる別世界です。

所在地 新潟県
家族構成 ご夫婦・お子さま1人
敷地面積 1,000m²
延床面積 297m²(1階 228m²、2階 69m²)
建ぺい率 30%
容積率 50%

玄関ドアには門と同じヒバを使用。アプローチ脇の山野草が訪れる人を温かく迎えます。

日本伝統の美意識を表現した中庭。玄関から居室へつながる廊下から眺められます。

旧家屋の記憶が生きる和モダンの家

[福井県 Uさま邸]


ゆとりある敷地に建つUさまの住まい。落ち着いた佇まいが訪れる人の心まで和ませるようです。

時の流れの中で、変わらぬ美しい景観を見つめ続けてきた。その思い出深い築70年の日本家屋を建替えられたUさまご夫妻。旧家屋に使われていたケヤキ材を、ダイニングのテーブルやカウンター、上がり框など新しい住まいの随所に再利用されました。 「代々受け継がれてきたものを生かしたことで、新築した時から暮らしになじむ住まいになりました」と喜ばれるご夫妻。昔ながらの和の素材と現代の美しい機能が見事に調和し、住まう人が心からくつろげる快適な住まいができ上がりました。


和の趣と機能性を両立したダイニング。テーブルは旧家屋の梁や柱の再利用です。

友人たちが気軽に集まれる空間

ご友人との交流を何より大切にされるUさまのご要望で、1階リビングはお客さまが気軽に集まれる広間のような空間とし、キッチン・ダイニングも大勢で料理や食事を楽しめるよう、ひとつながりの空間としました。南面にはリビング・ダイニングと連続したデッキテラスが広がり、天気の良い休日は青空のもと、雄大な山並を眺めながら交流できるスペースになります。


ゆったりと落ち着いた雰囲気のリビング。昔の縁側のような"陽だまり"スペースに心和みます。

上質のゆとりがあるプライベートスペース

2階は「のんびり過ごせること」を大事にしたプライベートスペース。ご主人のために設けた和風の書斎は1階のダイニングと吹き抜けでつながっており、ダイニングにいる奥さまの気配を感じることができます。また、南向きの寝室は爽やかさと落ち着きを兼ね備え、ウォークインクロゼットによって収納力も申し分なし。「いつもすっきりとした室内を保てる」と奥さまにも好評です。


リビングの中に設けられた階段。スケルトン構造で視覚的な圧迫感もありません。

所在地 福井県
家族構成 ご夫婦
敷地面積 1286m²
延床面積 214m²(1階 164m²、2階 49m²)
建ぺい率 70%
容積率 400%


リビングとダイニングは高低差をつけることで空間にメリハリを生んでいます。遠い山々の眺めもまた格別です。

和モダンを感じさせる玄関アプローチ。敷石は旧家屋で使われていたものです。

まさに和モダンの空間。信楽焼の洗面ボウルが風情を感じさせます。

広大な敷地を囲む豊かな緑、表情の異なる庭を存分に楽しむ

[栃木県 Oさま邸]


外観の右がメインの庭、左の緑が日本庭園。

家を建てるなら、使い勝手のいい広い建物と心ゆくまで楽しめる広い庭が欲しい。これがOさまご夫妻の強い希望だった。庭も大切な住まいの一部と考え、設計段階から詳細な検討が行われたという。


緩やかな起伏が庭の表情を豊かなものに。ときおりゴルフの練習もするとか。

周辺環境との調和

Oさま邸の庭の特徴は、建物正面側にメインとなる広大な庭があるほか、それとは別に日本庭園もあり、異なる庭の表情が楽しめることだろう。そして建物をぐるりと囲むように、生け垣や植栽が巡らされているのもOさま邸ならでは。敷地の四方が道路に囲まれているため、周辺環境との調和をはかり、同時に道路と建物との緩衝帯として庭も含めた緑が大切な役割を担っている。
全体が芝生で覆われているメインの庭は広くて明るい。中央付近には緩やかな起伏があり、芝生に独特の表情を与えている。所どころにさまざまな種類の樹木が配置され、それらがつくり出している景色はとても鮮やかだ。


リビングから見える鮮やかな緑。テラスが張り出し、庭と室内をほどよくつないでいる。

庭と住まいの調和

この広大な庭は、1階のリビングやダイニングはもちろん、2階の居室やテラスからも存分に眺めることができる。また、エントランスの庭に面した窓からは、1本の紅葉がまるで絵画のように映り込む仕掛けになっている。Oさま邸にとっては、庭の緑がまさに住まいに欠かせない存在であることがわかる。
Oさま邸のもうひとつの庭は、メインの庭とは趣を異にする純和風づくりだ。茶室にもなる和室に面しており、美しい姿の松をアクセントに、高低のメリハリを活かしたさまざまな植栽が落ち着いた風情をつくり出している。桜、梅、桃などの木もあり、花や果実を求めてときおり鳥もやって来るという。縁側のある和室から眺める庭もまた、心なごむ景色となっている。 庭へのこだわりは、住まいとの調和を意識して、建物の外観も庭を中心に決定したという。


2階から見た庭。1階のテラスに置かれた盆栽が、庭に軽快な表情を与えている。

所在地 栃木県
家族構成 ご夫婦
敷地面積 881m²
延床面積 395m²(1階 241m²、2階 153m²)
建ぺい率 29%
容積率 44%


和室に面した日本庭園。縁側越しに見える風景はどこか懐かしい。

エントランスの窓から覗く風景は、まるで絵画のよう。

広々としたエントランスもOさま邸の特徴だ。

光が注ぎ、風が流れる内と外が融け合う家

[新潟県 Nさま邸]


Nさま邸は幹線道路沿いにある。広く長いアプローチをとることで喧騒を避け、数台が止められる駐車場を配置。アプローチ沿いの見事な植栽も庭として機能している。

三世代にわたって受け継がれてきた広大な日本の伝統的な庭園と家屋があったNさま邸。その建て替えに当たり、もっとも気を配ったのが光と風、そして庭だったという。木々がうっそうと茂り、採光の少なかった家屋から風通しのいい光あふれる住まいへ、広くて手のかかる日本庭園から季節の花々が身近に感じられる親しみのある庭へ。Nさま邸にとって住まいの快適性を支えているのが、内と外をつなぐ庭なのだといえる。


2階から望むメインの庭。中央には背の高い樹木が植えられ、庭のアクセントに。タイル貼りのテラスがリビングと庭を巧みにつないでいる。

どこからも庭が楽しめる空間配置に工夫

Nさま邸の特徴は、住まいを囲むように庭が続き、どの部屋からも庭の気配が感じられる空間配置になっているところにある。リビングから望むメインの庭に加え、玄関と廊下に面した坪庭、さらには裏庭もあり、窓の外にはいつも花や木々の姿が目に映るよう工夫されている。


玄関脇からの敷石が誘導役となって庭へと続く様子は、日本の伝統的家屋を思わせる。住まい全体が洋風でありながら、そうした和風の味付けが施されているのも特徴だ。

洋風のなかに和風のエッセンスを

とにかく明るい家を。そして広くて居心地のいい部屋で構成したい。それがNさまご夫妻の望みだった。そのため、1階の中央に広く吹き抜けのあるリビングと和室を設け、南側には連続するようにダイニングとキッチンが続く。また北側には広い仏間もあり、2階の3つの寝室にはそれぞれ広いテラスが設けられている。全体としては洋風ながら、どこか和のテイストが感じられる住まいは、おおらかで親しみのある空間となっている。


吹き抜けのある広いリビングは開口部も大きく、庭との一体感を醸し出している。連続するダイニング側にも庭が続き、日常の多くの時間を緑とともに過ごすことができる。

所在地 新潟県
家族構成 ご夫婦・お子さま2人
敷地面積 988m²
延床面積 362m²(1階 258m²、2階 103m²)
建ぺい率 27%
容積率 36%

広い玄関の正面からは、まるで額縁の中の絵画のように坪庭が見える。この坪庭は玄関からは洋風に映り、左手の廊下側からは和風に見える仕掛けが施されている。

リビングに隣接した和室から望む坪庭。灯篭やつくばいは以前の日本庭園から受け継いだもの。障子を開けて畳でくつろぎながら坪庭を眺められると、お客さまにも好評だという。

本格茶室と先進の快適さが融合した家

[埼玉県 Nさま邸]


以前の住まいの記憶を残す冠木門とも調和する、ハイブリッド住宅の落ち着いた佇まい。

味わいのある冠木門が訪れる人を迎えてくれるNさまの住まい。この門構えが、かつてお住まいだった和風邸宅の面影を今に伝えています。 老朽化により建替えを決意されたNさまは「母の意向を汲んで日本家屋の雰囲気にするものの、断熱性や耐震性などの基本性能は高く、環境に配慮した家にしたいと考えた」といいます。 そうした要件がミサワホームのハイブリッド住宅ならすべて叶えられるだけでなく、短工期で仮住まいが短くて済むという点はお母さまや老犬の負担を多少なりとも軽くできるというメリットも生みました。


シンプルかつ機能美あふれる玄関ホール。ベンチや手すりで動作も安心・快適です。

凛とした和の雰囲気でまとめた1階

Nさま邸の大きなポイントは、裏千家のお茶の先生でもあるお母さまがこだわった完全京間のお茶室。大きな京間畳を使った八畳間を可能にしたのは鉄骨ラーメン構造ならではの強さ。本格的なお茶会も開けるよう、控えの間や水屋を設け、幅木や柱の角を面取して和室特有のやわらかな雰囲気を演出するなど、細かな配慮も行き届いています。リビングルームも "モダン和風"の心地よい雰囲気で統一しました。


読書、音楽、パソコン。お気に入りの時間を過ごす書斎。明るく開放的な雰囲気です。

私の時間を豊かにする2階スペース

和風の1階に比べ、2階はガラッと印象を変えて洋風のプライベートスペースに。インテリアは白とダークブラウンを基調にシックで落ち着いた印象にまとめました。南面に配置したご主人の書斎は、大開口から明るい陽ざしがたっぷりと入り、読書や音楽を心ゆくまでお楽しみになれます。休日は、広びろとしたバルコニーも格好のくつろぎスペースとして利用されています。


大きな京間畳を使った完全京間の和室。エアコンは押入上にビルトインし、空間をすっきり見せています。

所在地 埼玉県
家族構成 ご主人さま・お母さま
敷地面積 285m²
延床面積 209m²(1階 121m²、2階 88m²)
建ぺい率 42%
容積率 73%


炉の切り方から障子の貼り方まで、こだわりを込めた茶室。


お茶の道具が整然と並ぶ水屋。和の美が息づいています。

お茶の先生でもあるお母さまがこだわった完全京間の茶室で稽古に励む。

障子が取り込む明るさが和室の飾りにも独特な演出を施します。

和の伝統と快適さを進化させた家

[千葉県 Wさま邸]


シンプルモダンながら、どこか和の趣が漂う外観。街並みにもしっくり調和しています。

外観はBOX形のシンプルモダンなデザインですが、一歩足を踏み入れると1階フロアは伝統的な和の空間。まさに和と洋の美しさが融合した住まいといえます。 外壁は櫛引の塗り壁でぬくもりのある表情を与え、建物のセンターには防犯性も兼ねたアルミルーバーを組み込んでメリハリの効いたデザインに仕上げました。 1階の各室はすべて畳敷きとしたのをはじめ、エントランスや玄関のタタキには玉砂利を敷き詰めるなど、インテリアの細部にいたるまで伝統的な和の趣と機能美が息づいています。


和をモチーフとしたデザインや素材を用いたWさま邸。日本の良き伝統が息づく空間です。

玄関から客間まで和テイストを追求

玄関から1階客間までは伝統的な和をベースにモダンなテイストを加えることで、個性的な空間に仕上がりました。玄関は、タタキに玉砂利を敷き詰めて石畳を配し、床に清々しい竹材のフローリングを使用。また、1階リビングにつながる客間は、焦げ茶の柱と梁が広びろとした空間をきりっと引き締め、和紙づくりのペンダントラ イトが空間の美しいアクセントとなっています。


和の意匠を損なわないよう、エアコンは吊り戸棚上の欄間に収めています。

会話も弾む、畳敷きの団らん空間

Wさまご夫妻は、和の暮らしやすさに惹かれ"座って生活するスタイル"のリビング・ダイニングをご希望されました。畳敷きの団らん空間は家族の交流にもぬくもりが生まれるようです。また、キッチンは対面式のフルフラットカウンターとしただけでなく、床を約60cm掘り下げて、料理をする奥さまとご家族の視線の高さが合うように配慮。家族の会話が弾み、おいしい時間を広げる提案です。


シックな色調でまとめたキッチンカウンター。統一感のあるインテリアは広く感じます。

所在地 千葉県
家族構成 ご夫婦・お子さま1人
敷地面積 216m²
建築面積 79m²
延床面積 149m²(1階 75m²、2階 73m²、蔵 33m²)
建ぺい率 36%
容積率 68%


スキップフロアに設けた約21帖の大収納空間「KURA」。普段使わないものなどを大量に収納できます。

外壁は手仕事による櫛引の塗り壁。味わいのある質感があります。

竹材のフローリングと暗色の玉砂利。素材の美しさをいかすのも和の伝統です。

古都の四季に憩う、数寄屋の別邸

[京都府 Hさま邸]


古都の建物の門構えを丹念に調べ、現代風の設計に仕上げたという美しい"歌舞伎門"。

Hさまご夫婦は別邸の建築にあたって銀閣寺に近い場所を選ばれ、古都の家並みに調和するように、建物は数寄屋づくりとしました。 外観はすみずみまで日本の伝統美が息づいており、格式の高い入母屋屋根は、その奥深いひさしの陰影と白い壁が美しい対比を見せています。また、住まいの正面には"歌舞伎門"を設け、伝統美をカタチにしました。 京都の庭文化を映す日本庭園は、来客と四季を楽しむために造られたもの。建物と庭、その見事なまでの調和がひときわの風格とやすらぎを物語っています。


中庭へと視線が抜ける玄関ホール。灯篭のあかりが障子を通してやわらかく玄関を照らします。

お客さまをもてなす「ハレ」の場

杉板の天井や聚楽壁、畳敷きの床など和の趣を感じさせる広びろとした玄関ホールに入ると、左側が「ハレの場」であるパブリックゾーン、右側が「日常の場」であるプライベートゾーンに分かれています。パブリックゾーンにある和室続き間の8帖の和室には、床柱に杉の磨き丸太を、違い床を備えた格の高い書院のしつらえを施しました。お客さまに心からくつろいでほしいという想いが込められています。


清々しい空気に満ちた和室。三方の建具を開けると、より一層のびやかな空間になります。

京都の四季を楽しむ庭園

和室続き間から眺められる庭園は、京都の庭文化を表現したもの。内庭の足もとには白川風の砂を敷き、石を中央に配して、古き良き伝統の手法を取り入れています。和室に近い内庭は「石庭」に、内庭を囲む外庭は樹木を植えた「和庭」として、豊かな表情を生んでいます。また、廊下を兼ねた広縁は畳敷きとして、庭の眺めを楽しむ憩いの場としても活用していただけます。


和室と庭の間に設けた広縁は、屋内と屋外をゆるやかにつなげる役割も果たします。

所在地 京都府
家族構成 ---
敷地面積 400m²
建築面積 129m²
延床面積 163m²(1階 118m²、2階 45m²)
建ぺい率 50%
容積率 80%


日本庭園は、四季折々の美しさで見る人の気持ちを和ませてくれます。

"京都の町屋"の伝統を継承する住まい

[京都府 Kさま邸]


大通り面に「千本格子」風の出窓を設置。装束を飾り、ショーウインドーとして活用している。

京都御所の正面に位置する場所で、19代続く装束司(しょうぞくし)を営むKさまの店舗併用住宅。 新築にあたってのテーマは「伝統の継承」。歴史ある周囲の街並みとの調和を考え、お隣りの町家と軒の高さを揃えたり、外装材のイメージを近づけるなど、細かな部分まで配慮しています。 1・2階の外壁はダークグレイのタイル、3階部分は白の吹き付けとし、和の落ち着きが感じられる外観に仕上げました。さらに、京都の町家ならではの風情をいかしたディティールを取り入れ、古き良き伝統を現代に息づかせています。


明るく開放的なオープンキッチン。料理をしながら家族とコミュニケーションがとれます。

街並みとの調和をはかった外観

京都の街並みに美しく調和させるために、隣接する町家と1・2階の軒の高さや角度を揃えたり、外壁材を同系色にするなど、 "町家らしいデザイン"を積極的に取り入れました。また、3階部分を道路から後退させて、道行く人に圧迫感を与えないように配慮。2階窓にはアルミ製の「簾」を設けたり、1階には「千本格子」風の出窓を設けるなど、個性をさりげなく主張しています。


"端正な町家が立ち並ぶ京都の街並みに、自然にとけ込むように調和する外観。

店舗と居住空間を両立させる

店舗スペースの1階は、数々の歴史ある調度品を壁面に収め、装束司ならではの伝統美が漂う空間になっています。一方、住居スペースとした2・3階は、うって変わってモダンな印象の空間に。リビング・ダイニングは白い壁とウッディなフローリングで明るく開放的な雰囲気にまとめています。また、オープンキッチンとして家族の交流がはかれるようになっています。


シンプルな空間に間接照明で陰影をつけた、落ち着いた雰囲気のリビング。

所在地 京都府
家族構成 ご夫婦・お子さま2人
敷地面積 68m²
建築面積 52m²
延床面積 148m²(1階 51m²、2階 49m²、3階 46m²)
建ぺい率 77%
容積率 215%

3階階段ホールには趣味を楽しむ書斎コーナーを設置しました。

"京都の町家"らしささにひと味加えた、アルミ製の簾、千本格子風の出窓を設置。

"床座"でくつろぐ、新・数寄屋の家

[静岡県 Kさま邸]


数寄屋門から玄関へと続く、白砂に配した飛び石。心が凛とする空間です。

本格的な和の邸宅を求められたKさま。そのご希望を十二分にかなえながら、海沿いの景勝地という絶好の環境にとけ込む住まいを実現しました。 数寄屋をイメージした室内は、床をフローリングにするなど「洋」のスタイルを取り入れ、現代に息づく「SUKIYA」の雰囲気に仕上げています。 また、敷地内の池を通る水路をつくり、数寄屋門から玄関までのアプローチに石橋を設けるなど、和の趣を演出。さらに既存の樹木を活かしたプランニングで、自然との共生も楽しめるよう配慮しました。


豊かな植栽と水の流れに迎えられて玄関へ。おもてなしの心に満ちています。

人の心を和ませる和の意匠

訪れる人を心から出迎え、お送りするために、門から玄関への空間に「おもてなしの心」を込めました。住まいの正面に設けたのは"数寄屋門"。その棟瓦をしつらえた屋根は重厚感があり、庇の陰影と白い壁が品格の高さを物語っています。また、玄関に入ると印象的なのが、日本建築の伝統に則った「縁無し畳」。端正な美しさとともに柔らかな印象をかもし出しています。


畳を敷き詰めた玄関ホールには和やかな雰囲気が漂います。床の間風の飾り棚もアクセントに。

くつろぎが広がる"床座"スタイル

「来客が多い」というKさまに最適なのが、床に座卓などの低いテーブルを置いて食事をしたり寛いだりする"床座"のスタイル。約20畳の広さと3.4mの勾配天井という、ゆとりあるリビング・ダイニングで、Kさまはそのメリットをフルに活かされています。ダイニングにもテーブルではなく"堀座卓"を設け、食事もここでゆったり楽しまれています。


床に座ってくつろぐスタイルが心地よい。数寄屋を現代風にアレンジした空間です。

所在地 静岡県
家族構成 ご夫婦
敷地面積 823m²
建築面積 165m²
延床面積 131m²(1階 131m²)
建ぺい率 20%
容積率 15%


堀座卓のあるダイニング・キッチン。和紙のペンダントライトが美しく調和しています。


リビングにつながる広縁。庭の池を眺める、憩いのスペースです。

茶道家の美学に応える、和の住まい

[北海道 Uさま邸]


シンプルモダンでありながら、和の趣が強く感じられる外観デザイン。

茶道家Uさまのために建てられた、和の粋を凝らした住まい。外観はモダンなキュービックフォルムながら、落ち着いたモノトーンの配色と、天然木でつくられた塀や「枝折り戸」が和の趣をかもし出しています。 フロア構成は、茶道教室や茶事(お茶会)を催すスペースを1階に、居住スペースを2階に設けました。 茶道の真髄である「おもてなしの心」を大切に、茶室に通じる露地にある"つくばい"の水の音など、目には見えない心地よさを追求。Uさまのご要望である「茶道を追求する空間」をカタチにしました。


「京間スケールでつくられた、茶道を追求する空間がほしい」というご要望に応えたUさま邸。

本格茶室のしつらいを徹底追求

Uさま邸では、本格的に茶道を楽しむための空間にこだわりました。たとえば、露地には飛石を敷き、植栽やつくばいを配して和の風情をぜいたくに表現しています。また、天然素材を多用した「小間」、その小間に隣接する8畳の「広間」、茶事の準備を行う「水屋」などにいたるまで、すべて京間のスケールにこだわり、細部にいたるまで伝統に培われた機能美を表現しました。


にじり口のある4畳半の小間は、茶事やお稽古に使われている空間。

"和"を感じさせるデザインの作法

茶道や華道、舞踊など日本の伝統芸術を伝承される方の住まいは、お稽古場のある室内はもとより、外観も純和風でまとめることが多いのですが、多雪地域に建つUさま邸においては、雪害対策としてQビックフォルムを選択しています。その中でも和の趣を表現するため、建物の水平ラインや陰影を感じる2色づかい、天然素材のワンポイント活用など、すみずみまで創意工夫を重ねました。


裏茶事のお稽古もできる待合。隣接する広間とは、襖で仕切られています。

所在地 北海道
家族構成 ---
敷地面積 239m²
建築面積 109m²
延床面積 199m²(1階 106m²、2階 92m²)
建ぺい率 45%
容積率 83%

小間へ入るにじり口。「踏石」には、地元産の札幌軟石を使っています。

伝統的な機能美が息づく水屋。茶室同様、京間のスケールでつくられています。

茶室へ入るための露地は、玄関アプローチとは別に設けられています。

静けさに満ちた玄関ホール。銘木を使用した地板と縁無し畳の廊下が印象的です。

玄関アプローチにも和のイメージを隅々まで演出されています

和の伝統美と洋のモダンが融け合う 平屋の家

[愛知県一宮市 Hさま邸]

おおらかな寄棟屋根にセラミックの外壁やアルミ格子が調和し、気品を醸し出すHさま邸。2台分のビルトインガレージが母屋と流れるように連なり、美しいフォルムを形成しています。純和風だった以前のお住まいをモダンに再現したこの端正な平屋は、強靱な構造を持つ鉄骨ラーメン構造のハイブリッド住宅。

「昭和初期に建てられた古い家に父亡き後、母が一人で暮らしていましたが、老朽化が進み、耐震性も心配でした。それで高齢の母が安心して快適に暮らせるよう、地震や火災にも強いハイブリッド住宅に建て替えることにしたのです」と隣家に住むご子息のHさまは語ります。

Hさま邸を訪れた客人が最初に感嘆するのが、目を見張る広さの玄関ホールでしょう。三和土にはタイルで「H」のイニシャルが描かれ、ペイズリー柄のエレガントな壁クロスと相まって瀟洒なホールのよう。

リビングのサッシの外に設けられたインナーテラスはもうひとつの憩いの場。アルミの縦格子壁で外からの視線も気になりません。

洋間と二間続きになった15畳大の和室にもこだわりが反映されていました。障子の外に11メートルにわたって走るM‐Wood(エムウッド)デッキは深い軒下に守られ、お寺の広い濡れ縁さながら。

縁側に座って灯籠や踏み石が美しく配置された和風庭園を眺めていると、豊かな時間が流れ、心が癒されます。
また、法事などで20人以上のご親族が集まることもあり、二間続きのこの間取りは大変重宝されているそうです。

「以前の家と極力変わらない間取りにしてもらったので、高齢の母も戸惑うことなく快適に暮らせて喜んでいます。良い親孝行ができました」と顔をほころばせるHさまです。

世代がふれあいを育む、和室と中庭のある暮らし

[香川県高松市 Mさま邸]

高松市の郊外で、ひときわ目を引く和モダンな佇まいのMさま邸。2階建ての子世帯と平屋の親世帯が中庭を挟んでコの字につながる二世帯住宅で、南北に長い敷地を上手に活用して美しいバランスで配置されています。

「世代が異なる両親とは生活時間や暮らし方が違いますから、玄関から別々にしてお互いのプライバシーを大切にしながら、どこかでつながり、仲良く交流が図れる二世帯住宅にしたいと思いました。戸外でくつろげる遊びのスペースもほしかったので、中庭や広いバルコニーもつくりました」とMさまは振り返ります。

子世帯にお伺いすると、1階にシンプルモダンなLDKが開放感いっぱいに広がっていました。折り上げ天井が印象的なリビングの大きな窓からは、シマトネリコが緑の木陰をつくる中庭の眺めが広がり、中庭越しに対面するご両親宅の暮らしの気配もさりげなく伝わってくるので安心です。

ペニンシュラタイプのダイニングキッチンは奥さまのお気に入り。キッチンの後ろにはスライドドアの壁面収納があり、家電や食器類、冷蔵庫もすべてここに収まっています。「この収納のおかげで、苦労しなくてもキッチンまわりがすっきりときれいに保てるのがうれしいですね。ふいの来客時にもサッと片付けられてとても便利です」と顔をほころばせます。

子世帯と親世帯をつなぐ廊下に設けられたモダンな和室は、両世帯の共有スペース。クリスマスや忘年会、お正月、お誕生日など特別な行事の際にはこの和室に全員が集まって、庭の眺めを楽しみながら会食されるそう。3世代6人家族の幸せそうな団らんの様子が目に浮かぶようです。

また、中庭につくられた広いタイルテラスは、お子さまの格好の遊び場。夏場にはプールを置いて水遊びをしたり、友達を招いてバーベキューをしたり、アウトドアリビングとしても大活躍です。

今日も楽しそうに廊下を走って、「大好きなおじいちゃんとおばあちゃんの部屋」に向かうお子さま。
お二人目が誕生したばかりの奥さまは、その様子に目を細めながら、「産休が明けたら仕事に復帰するのですが、両親に子どもの面倒を見てもらえるので助かります」と語ります。一方、ご両親は「孫とお絵かきしたり、歌ったり踊ったり、いろんなことをさせてくれるので、毎日変化があって楽しいですね」とにっこり。
両世帯がほどよい距離感を保ちながら温かく交流し、お子さんの成長を一緒に見守る暮らし。理想の二世帯同居のカタチがここにありました。

庭とひと続きにつながる 土間ダイニングのある家

[千葉県 Hさま邸]

Hさま邸は、周囲をぐるりと住宅に囲まれた密集地で、南北を上下の崖地に挟まれています。ところが敷地内に足を踏み入れると、そこは別世界。崖条例を逆手に生かし、近隣との距離を保ってプライバシーを確保した建物は、奥に大きく広がる庭を抱いて、リゾートの趣に満ちた憩いの風景を創り出していました。

土間フロアのダイニングは二面のフルオープンサッシを全開すれば内と外がひと続きになり、吹き抜けの高い天井と相まって開放感いっぱい。奥さまは「ダイニングから庭で遊ぶ子どもたちの元気な姿を眺めていると、家族の幸せを感じます」と微笑みます。

土間から一段上がった床座リビングには、足触りのいい織物の床材が市松模様に敷かれ、ホワイトの障子窓がすっきりと洗練された印象。
特に奥さまのお気に入りのアジアン家具ともしっくりと調和して、上質のくつろぎ感を醸し出していました。土間のダイニングと床座リビングはオープンにつながり、大らかな暮らしのメインステージになっています。

ダイニングにリビングと同じ高さでL字に設置されたベンチ収納は、いわば縁側のような感覚。家族が自然と集まり、テーブルを囲んで会話が弾みます。この場所は仲の良いご友人たちとのキッチンパーティーでも大活躍。誰もが好きな場所に気軽に腰を掛け、奥さまの手料理を味わいながら楽しいおしゃべりに花を咲かせることが多いそう。土間フロアは、夏は足下がひんやりと涼しく、冬は大きな窓からたっぷりと差し込む日射しの熱が土間に蓄えられて暖かく快適。 汚れても水洗いできて掃除がしやすいのも土間の魅力です。

もうひとつ注目したいのが、2か所に設けられた大収納空間「蔵」の存在です。土間フロアの「蔵」は、キッチンやダイニングで使う保存食や生活用品をはじめ、庭で使うガーデニング用品もしまえて便利。2階の「蔵」は、中2階に設けられた洗面所の壁と子ども部屋の床に出入り口があり、衣類や書籍などあふれるモノをまるごとしまえます。こんな充実した収納があるから、住空間をいつもすっきりと美しく保てるのでしょう。

家具、調度品、照明などのインテリアのひとつひとつにもHさまの高い美意識が薫るお住まいは、モダンな中にどこか懐かしい和の心地よさが息づいていて、ホッと気持ちが和みます。四季折々の自然を五感で感じながら、家族やご友人とのふれあいを大切に、一日一日を丁寧に重ねていく潤い豊かな暮らしがここにありました。

  • 連載「住まいとお金」ファイナンシャルプランナー 久谷真理子
  • わが家の建てどきガイド
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