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ご主人と奥さまのご両親との意見が一致して実現した完全同居

[東京都 Oさま邸]


2階バルコニーの存在が印象的なOさま邸。ガレージ部分は、将来、介護などが必要になった際は居室にも変更できるよう考えられている。

閑静な住宅地に建つ3階建ての住まいには、Oさま夫婦と、奥さまのご両親、8歳と6歳の娘さんの6人が生活している。玄関はひとつ、キッチンや浴室も共用する完全同居型の二世帯住宅だ。


1階の和室は親世帯のリビング。子どもたちもお気に入りの場所だとか。置き畳にしたのは、将来的な可変性を考えてのことだ。

二世帯それぞれの意見をまとめた住まい

最初は、キッチンや浴室を世帯ごとに分ける案も出たそうだ。けれどもご主人・ご両親とも一緒がいいとの意見。中心になってプランづくりを進めた奥さまは「思いが一致してよかったです。でもその後、具体案に入ってからは、細かい部分までそれぞれの希望が出て、調整は大変でしたね」と。 ひとつの世帯なら、物事を決定するのは早い。しかし二世帯で一軒の家を建てるとなると、双方の生活文化の違いも出てくる。どちらか一方だけが我慢することはなるべく避けたい。
「結局、キッチンは母、主寝室は夫というように、その空間を主に使う人の意見を尊重しながら全体のイメージを固めていきました」 完成した住まいは統一感のある明るい雰囲気。暮らす人それぞれの動線を考えたつくりは、とても快適そうだ。共用部と各世帯の空間、個人の空間が違和感なく溶け合い、互いの気配を感じる仕掛けも随所に施されているのがわかる。


2階のリビングダイニングは親世帯・子世帯の共用空間。食事のときだけではなく、いつも家族が集まる空間になっている。

生活空間をフロアごとにゆるやかに分離する

広い玄関を入ると、1階は主に親世帯が使う空間。庭に面した和室は両親のリビングであると同時に、子どもたちの遊び場や客間にもなる。家族は皆、玄関と行き来するたびに開け放った引き戸のそばの廊下を通る。奥にはお父さま・お母さまそれぞれの個室がある。
2階は二世帯共用の場だ。階段を上がるとすぐに洗面と浴室。これは、両世帯が気兼ねなく使えるように考えられた配置だ。 普段、キッチンを預かるのはお母さま。奥さまは晩に仕事から戻ると家事を交代する。 「2人でキッチンに立つことも考えましたが、母娘でも家事のやり方は違います。母が中心と割り切ったほうがいいとわかりました」 小さい子どもがいると、リビングはどうしても乱雑になりがちだが、「両親も過ごす場所なので、なるべく落ち着いた雰囲気にし、収納もかなり計算しました」 子ども部屋はリビングの横に。家事をしながらも子どもたちに声をかけられる位置だ。
3階は子世帯専用。階段上部にはご主人の書斎があり、横を通る家族とは必ず顔を合わせるつくり。 奥の主寝室は、子世帯のセカンドリビングとしても機能する。夜、親世帯が1階に下りた後は、ここでゆっくりとテレビなどを見て過ごすことが多いという。 完全同居ならではの工夫豊かな住まいには、家族が互いに思いやる、さりげない知恵が満ちている。


3階に上がると、階段上の小屋裏部分にはご主人の書斎がある。階段と手前床との間の壁は全面をガラスにして開放感を出した。

所在地 東京都
家族構成 ご夫婦・お子さま2人・ご両親
敷地面積 110m²
延床面積 181m²(1階 63m²、2階 64m²、3階 53m²)
建ぺい率 59%
容積率 164%


子ども部屋はLDKから見える位置。ここは2人の娘たちの遊び場兼勉強部屋。大人たちがリビングで過ごしていても様子がわかる。


3階の子どもたち用寝室。扉は1間半分の引き戸にし、通常は開放している。中高生になったら、また使い方も変わっていくだろう。


3階の広い主寝室は子世帯のセカンドリビング。ご主人の好みの都会的なインテリアで揃えた。親世帯は3階には上がらないルールにしている。

ダイニングの外のバルコニー。柵をルーバーにしたのでカーテンは不要。子どもたちと育 てている野菜も常に見える。

1階和室の外には、和の風情の小さな庭をつくった。水鉢も据え付けてある。

和室の2面は光を透かす引き戸。ふだんは開け放って廊下部分と一体感を出す。

将来の三世代同居に備えた三階建

[埼玉県 Hさま邸]


風合いのあるタイル調のサイディングが落ち着いた雰囲気をかもし出す外観。

将来、二世帯・三世代での同居を想定して、ご両親の敷地内に三階建の住まいを構えられたHさま。 お仕事柄、住宅に関する知識を豊富にお持ちのご主人は、ミサワホームのシンプルな空間デザインをはじめ、環境志向の「M-Wood」、健康に配慮した建材や24時間フロアセントラル熱交換換気システムなどに興味を持たれていたといいます。 一般に三階建住宅はデザインが犠牲になりがちですが、Hさま邸では空間の有効活用をはかりながらもシャープで洗練された外観を実現。Hさまのお望み通りの魅力的な佇まいとなりました。


ダイニングとの程よい独立感があるリビング。壁面収納ですっきりとした空間を保てます。

1階は将来の親世帯スペースに

1階は今後、親世帯ゾーンとしてお使いになることを想定されたため、居室間の床段差をなくしたバリアフリー設計になっています。ダイニング・キッチンはとても明るく使いやすい空間に。ふだんの居室となる和室にはクロゼットを設け、収納力も十分。開口の前面には濡れ縁と庭が広がります。また、和室の向かいのフリースペースには浴室に変更できるよう水道配管も整えてあります。


作業カウンターのあるキッチン。大きなテーブルで会話も弾みます。

2・3階は子世帯の快適空間に

2階のリビング・ダイニングは、木素材「M-Wood」のぬくもりで包み込まれるようなくつろぎ空間。「2階に設けたことで日当たりは良いし、外からの視線を気にせずにすむのが良いですね」とご夫婦ともに満足のご様子です。リビングとダイニングは引戸を閉めることで独立した空間となり、冷暖房コストが抑えられるだけでなく、来客時は気兼ねなくダイニングで過ごせるなど重宝しているそうです。


自然の光と風を招き入れる大開口のあるダイニング。バルコニーも広がりを感じさせます。

所在地 埼玉県
家族構成 ご夫婦・お子さま2人
敷地面積 195m²
延床面積 178m²(1階 56m²、2階 61m²、3階 59m²)
建ぺい率 60%
容積率 200%


和室は、ご両親が居室として使われることを前提にクロゼットを設置。開口部からは和の趣の庭を楽しむことができます。


一階のオープンなキッチンは、コンパクトながら必要な設備が整っています。

濡れ緑の配された和室に面した庭。美しさが心を癒してくれます。

白い扉は愛猫の出入り口。かわいらしい階段も設けました。

都市の快適さをデザインした三階建

[静岡県 Sさま邸]


都市景観に礼節を尽くした、美しくスタイリッシュなフォルムが特徴です。

「機能と美しさをかね備えた北欧スタイルやモダンなバウハウスのデザインが好きだった」というご主人の眼鏡にかなったのがミサワホームの「FORMAL-U」でした。 もともとご両親が建てたミサワホームで青春時代を過ごされた経験から、その住まいの快適さやこだわりなどを肌で感じ、「いずれ家を建てるならミサワホームで」と決めていたそうです。 住宅展示場で、都市の景観に調和する外観をはじめ、家具が映える白いインテリア、オブジェのようなスケルトン階段を目にされてから、Sさまの理想の住まいづくりが始まりました。


ご自慢のバイクと愛車を納めるビルトインガレージ。

ご主人のこだわり、ビルトインガレージ

ご主人のこだわり空間は、三階建の1階部分に組み込まれたビルトインガレージ。ガレージ内にはご自慢のイタリア製のバイクと愛車BMWが格納されています。「外国製のクルマは湿気や直射日光を嫌うので屋根があるのはいいですね。天気に煩わされることもなく、暇さえあればバイクの手入れを楽しんでいます」と満足のご様子です。


2階リビングからダイニングの眺め。右手には造形美あふれるスケルトン階段が見えます。

奥様のお気に入り、「KURA」

一方、奥さまのお気に入りの空間は、大収納空間「KURA」。ガレージの上の空間を利用して設けたもので、「季節外の衣類やストーブ、子どもたちのおもちゃなど普段使わないものをたくさん収納できて、本当に便利です」と笑顔の奥さま。延床面積に算入されない収納スペースがあるおかげで、室内にモノがあふれることもなく、すっきり広びろとした生活を楽しまれています。


大収納空間「KURA」の出入り口は階段の踊り場にあります。

所在地 静岡県
家族構成 ご夫婦・お子さま2人
敷地面積 112m²
延床面積 147m²(1階 57m²、2階 57m²、3階 33m²、※KURA 13m²)
建ぺい率 50%
容積率 131%


3階には2つの子ども室に加え、プラスαのゆとりのファミリールームを設けています。


白を基調としたインテリアでまとめた寝室。やすらぎが広がります。

地元とのネットワークを大切にした二世帯住宅のカフェ&レストラン

[東京都 Oさま邸]


周囲とも調和している外観。右奥にあるのが住居部分の玄関。

カフェ&レストラン「AllPurpose Seasoning」は店舗併用型の3階建て二世帯住宅である。アンティークグレーのシックな外壁に囲まれた建物に、黒を基調としたファサード。店舗がカジュアルモダンなスタイルにも関わらず、全体として周囲ともしっかりと調和している。


アンティークな扉を活かしたファサード。モダンなスタイルながらオープンであたたかい雰囲気をつくり出している。ご主人がつくるフレンチベースのランチやディナーは、誰もが「美味」と絶賛。

ほどよい距離感を保つ二世帯

ご主人のお父さまがここで店を営んでいたが、Oさまご夫妻との同居を機に、3階建て二世帯住宅に建て替えた。そして、10年ほど飲食業界に従事していたご主人が、自分の店を持つという願いを叶えることになった。 Oさま邸の二世帯住宅は、親世帯と子世帯の住居が「ほどほどに独立」しているタイプ。キッチンやリビング、水回りなどは完全に独立しているが、玄関を共有することでお互いの気配を感じることができている。


木がもつ自然の風合いを活かしたカウンター。既製品の設備機器を利用しながら、巧みにつくり込んだオリジナルだ。

めざしたのは町の『洋食屋さん』

店舗部分の設計とインテリアは、ミサワホームと飲食店を手がけるデザイナーとのコラボによるもの。 店舗の場合、電気などの配線や水道やガスの配管といったインフラをどう効率的に配置するのかに工夫が必要だという。 また、ご主人が効率よく動くことができるよう厨房機器や客席などの配置も重要となる。さらに、店舗ならではのさまざまな法規制もクリアしつつ、こだわりの店舗スタイルへと仕上げていく。
「お互いにアイデアを共有しながら、店舗としての姿を模索していくプロセスは、とても楽しかったですね」とご主人。 ご主人がめざしたのは、地元の人々に親しまれる『洋食屋さん』。カジュアルモダンな粋なデザインが魅力の店舗ながら、オープンであたたかい印象だ。


ソファはすべて手づくり。背もたれの裏や座面の下は収納となっている。

所在地 東京都
家族構成 ご夫婦・ご両親
敷地面積 94m²
延床面積 158m²(1階 56m²、2階 55m²、3階 45m²)
建ぺい率 59%
容積率 166%

ご主人が一人で対応できるよう、厨房はすべて動線を考慮して配置されている。

ご両親のキッチンとダイニング。大小のたくさんの窓により、心地よい風が通っていく。

"将来二世帯"プランを内蔵した三階建

[大阪府 Yさま邸]


BOXフォルムの簡潔な外観。インナーバルコニーとクレストゲートの木調の風合いが全体を引き締めています。

昔ながらのあたたかなコミュニティが息づく、大阪の下町の一角にお住まいのYさま。築80年以上になる木造家屋を、3階建てのハイブリッド住宅に建替えられました。 敷地は間口が狭く、奥に細長いため、「住まいの顔となる門構えにはこだわりたかった」というYさま。数々の住宅展示場をめぐった末、ミサワホームの展示場で、ご主人が思い描いていた理想の門構えの家に出会えたといいます。 ニューセラミックの重厚な外観とクレストゲートを組み合わせた佇まいは、訪れる人を温かく迎え入れる雰囲気をつくり出しています。


奥行きが感じられる玄関ホール。収納力のあるクロゼットで空間はいつもすっきり。

"将来二世帯"に応えるプラン

現在、5人家族のYさまは、将来、ご長男が結婚されたときには二世帯で住まわれることを予定されています。そこで、新築時に1階と2階それぞれにトイレ、浴室を設置するとともに、1階にはキッチンを設けるためのスペースも確保されました。将来二世帯を考えたプランとすることで、「以前の家よりも長く、代々受け継がれる住まいにしたい」というYさまのご希望も実現することでしょう。


ナチュラルな雰囲気の2階リビング・ダイニング。いつもここに5人の笑顔が揃うそうです。

家族の絆を育むセンターリビング

自然の光と風が心地よく入る2階LDKは「センターリビング」プランとしました。3人のお子さまの個室がある3階へ上がる階段はリビングの中にあり、"どの居室へ行くにも必ずこのリビングを通らなければならない"空間設計になっています。ご主人も「ふと気付くと、いつも家族みんながリビングに集まっている」と仰言っしゃるように、ご家族のコミュニケーションが広がる住まいになりました。


1階和室はご夫婦の寝室として使われています。飾り棚が空間のアクセントになっています。

所在地 大阪府
家族構成 ご夫婦・お子さま3人
敷地面積 103m²
延床面積 154m²(1階 51m²、2階 51m²、3階 52m²)
建ぺい率 56%
容積率 149%

交流を楽しむ「ピットリビング」のある家

[東京都 Kさま邸]


三角形に近い角地の敷地。変形をデメリットではなく、個性としてプラスに考えデザイン。

この住まいのいちばんの特徴は、リビングの円形ソファ。これは「家族や友人が集まりやすく、楽しめる家にしたい」というKさまのご要望をカタチにしたものです。「ピットリビング」と名付けたこの空間を中心に、楽しいコミュニケーションが広がる住まいになりました。 外観デザインも個性的。三角形の変型敷地を逆にいかし、階段状に雁行させた建物のフォルムと外構のアールをリズミカルに組み合わせた、見た目にも楽しい外観デザインとなっています。さらに建物と外構は一体感を出しながらも、フォルムの違いや組み合わせの妙を強調しています。


大勢が集まりやすい円形ソファの「ピットリビング」。団らんを楽しくするアイデアです。

集まりやすく、みんなで楽しめる空間

住まいのコミュニケーションの中心は、円形ソファを備えた1階リビング・ダイニング。どの位置に座ってもみんなの顔を見ることができる直径約 3.5mのソファはかなり大きいサイズですが、床面より30cm下げることで圧迫感がなく、落ち着く空間になっています。また、地下にはオフィス兼書斎のほかにプレイルームを設置。楽器演奏やホームシアターとして楽しまれています。


「L字型や対面型のソファよりリラックスできる」という円形ソファのあるピットリビング。

暮らす心を豊かにしてくれるデザイン

ダイニングやサニタリーなどの日常的な生活空間についても、すみずみまで美しいデザイン性にこだわりました。たとえばダイニングにはガラスのテーブルや鏡面仕上げの収納扉などを用い、自然光や照明に華やかに映える効果を狙っています。また、サニタリーも床・壁の素材や水栓金具、光の入り方や販社の仕方にまでこだわり、豊かな時間が味わえるリラクゼーションスペースに仕上げました。


円形ソファのあるリビングとつながりながら、半独立の落ち着きが感じられるダイニング。

所在地 東京都
家族構成 ---
敷地面積 165m²
建築面積 82m²
延床面積 231m²(地階 85m²、1階 82m²、2階 63m²)
建ぺい率 50%
容積率 100%

白を基調とし、ガラスを多用したサニタリー空間が、清潔感と明るい開放感を演出。

オフィス兼書斎とプレイルームを設けた地階。防音性にもすぐれています。

"京都の町屋"の伝統を継承する住まい

[京都府 Kさま邸]


大通り面に「千本格子」風の出窓を設置。装束を飾り、ショーウインドーとして活用している。

京都御所の正面に位置する場所で、19代続く装束司(しょうぞくし)を営むKさまの店舗併用住宅。 新築にあたってのテーマは「伝統の継承」。歴史ある周囲の街並みとの調和を考え、お隣りの町家と軒の高さを揃えたり、外装材のイメージを近づけるなど、細かな部分まで配慮しています。 1・2階の外壁はダークグレイのタイル、3階部分は白の吹き付けとし、和の落ち着きが感じられる外観に仕上げました。さらに、京都の町家ならではの風情をいかしたディティールを取り入れ、古き良き伝統を現代に息づかせています。


明るく開放的なオープンキッチン。料理をしながら家族とコミュニケーションがとれます。

街並みとの調和をはかった外観

京都の街並みに美しく調和させるために、隣接する町家と1・2階の軒の高さや角度を揃えたり、外壁材を同系色にするなど、 "町家らしいデザイン"を積極的に取り入れました。また、3階部分を道路から後退させて、道行く人に圧迫感を与えないように配慮。2階窓にはアルミ製の「簾」を設けたり、1階には「千本格子」風の出窓を設けるなど、個性をさりげなく主張しています。


"端正な町家が立ち並ぶ京都の街並みに、自然にとけ込むように調和する外観。

店舗と居住空間を両立させる

店舗スペースの1階は、数々の歴史ある調度品を壁面に収め、装束司ならではの伝統美が漂う空間になっています。一方、住居スペースとした2・3階は、うって変わってモダンな印象の空間に。リビング・ダイニングは白い壁とウッディなフローリングで明るく開放的な雰囲気にまとめています。また、オープンキッチンとして家族の交流がはかれるようになっています。


シンプルな空間に間接照明で陰影をつけた、落ち着いた雰囲気のリビング。

所在地 京都府
家族構成 ご夫婦・お子さま2人
敷地面積 68m²
建築面積 52m²
延床面積 148m²(1階 51m²、2階 49m²、3階 46m²)
建ぺい率 77%
容積率 215%

3階階段ホールには趣味を楽しむ書斎コーナーを設置しました。

"京都の町家"らしささにひと味加えた、アルミ製の簾、千本格子風の出窓を設置。

対話と学びが自然にできる 子育てが楽しくなる住まい

[愛知県 Sさま邸]

Sさま邸の外観は、近隣の家並みに比べてちょっぴり背が高い。ここは、2階の上に「小屋裏」が設けられ、そこに「ホームコモンズ」があるお住まいだ。

Sさまご夫妻がこの住まいをつくったきっかけは、ご主人がホームコモンズ設計を提唱している東京大学大学院情報学環の山内祐平准教授の考え方に深く興味を抱いていたことに始まる。

ホームコモンズ設計とは、子ども自身のプライベートな空間と、家族と過ごすパブリックな空間を上手に融合するための仕掛けで、子どもの年齢や成長に合わせたそれぞれの「学びの空間」を設けることで、気軽に家族とのコミュニケーションを楽しみながら、子どもの「学び」を育む設計提案である。

展示場でホームコモンズ設計を実現した「HYBRID自由空間Edu」に共感され、分譲地に実際に建っているものを見学。ご夫妻ともにひと目見て「これだ!」と納得し、迷うことなくプランニングをスタートさせたという。

空間構成は、1階にご夫妻の主室と和室、2階に、リビング、ダイニング、キッチンと水廻り。さらにその上に「ホームコモンズ」と子ども部屋がある。「ホームコモンズ」には、ラウンジコーナーとご夫妻の机が並ぶ。ここは、幼稚園に通うお子さまの大のお気に入り。家族揃って過ごすことも多い。

また、ご夫妻がこだわったのはライブラリーの存在だ。所蔵する書籍類が多いため、それらを収納しつつ、気軽に読書ができるスペースが欲しかったという。お子さまの本も混在するライブラリーは、さながら小さな図書館。それぞれが思い思いに本を手に取り、読書を楽しんでいる。

またSさま邸には、年齢に合わせて「トークサイト」や「ホームワークコーナー」という仕掛けも用意されている。子どもが小さいうちは、キッチンやダイニングに勉強机を置いて、親と対話しながら学べるスペースをつくるというもの。

当初、あまり意識せずに机をダイニングの横に設置したところ、ごく自然にお子さまが利用するようになったという。お子さまは自分の興味のあることをしながら、奥さまは家事をこなすなか、さりげなく対話ができると好評だ。

ご家族に見守られながら本を読んだり、机に向かうお子さまの凛々しいお顔がとても印象的でした。

スキップフロアで狭小敷地をリズミカルに

[神奈川県横浜市 Kさま邸]

Kさま邸の魅力のひとつは、コンパクトな敷地を感じさせないドラマチックな空間構成にあります。

まず長い外階段を上って塀を回り込むと、表情のある石板のアプローチと庭が現れ、外壁と大きな窓が織りなす独特の開けた空間が迎えてくれます。庭の石板がそのままリビングへと続き、「内と外」の連続性が程よい一体感を生み出しています。
そして1階のリビングには蔵があり、その上1.5階がダイニングキッチン。さらにそこから2階の寝室や子ども部屋へと続き、スキップフロア独特のリズミカルな空間が展開していきます。

しかもダイニングキッチンには壁面いっぱいに窓が広がり、公園の松林が絵画のように映り込んでいます。借景による豊かな緑、白とライトグレーを巧みに組み合わせたキッチンやインテリア。それらが程よく調和した心地のいい空間にやさしく差し込む冬の光が、Kさま邸をさらにドラマチックに演出していました。

都心のマンションから横浜郊外の戸建住宅へ。ご夫妻が求めたのは、周囲の景色をうまくとり入れられたシンプルでモダンな住まいでした。
なかでも奥さまがこだわったのが窓。大きな窓はもちろん、小さくてもたくさんの窓があることで、光や風が室内を明るく温かいものにしてくれると考えたからです。とはいえ、ここは住宅街。
そのため、外からの視線は遮りつつ室内から景色がしっかりと楽しめるようにデザインされています。

 また印象的なのが、シンクと作業台が独立しているアイランド型キッチン。アイランド型は広い空間で採用されることが多いのですが、Kさま邸ではコンパクトな空間にうまく配置され、ライトグレーのやさしい色調によって空間に見事に馴染んでいます。面白いことに、1階と1.5階の間にも窓があり、奥さまはキッチンで作業しながらも階下のリビングの気配がわかるようになっています。

そして想像以上に使い勝手がいいと好評なのが、1階のリビングにある蔵だといいます。
大収納空間である蔵には、家具や調度品はもちろん、お子さまが学校でつくった作品や遊具などがたくさん収められています。来客も多いため、ものがすぐに片付けられる点もメリットとのこと。
「空間がうまくつながっているだけではなく、要所要所に窓があって、どこにいても家族の気配が感じられるのがうれしいですね。季節の移り変わりも味わえますし、ここでの時間を家族みんなで楽しんでいます」とご夫妻。
お子さまたちの笑う声が心地よく響くお住まいでした。

キューブをモチーフにしたモダンで美しい京町家

[京都府京都市 Kさま邸]

住宅に制限を設けて景観を維持している京都。ぴたりと住宅が隣接し合う京町家は、伝統的な造りをいまに伝える代表的な都市型住宅といえる。

Kさま邸も例外ではない。間口をぎりぎりまでとってはいるが、基本的には細長い敷地に建つ京町家。ただし、異なるのはそのキューブ状の外観と、居住空間での工夫である。ご夫妻は「四角い」ことにこだわりがあったという。

1階はご主人の仕事場、2階がダイニングキッチンとリビングのパブリックスペース。そして3階に、寝室などの個室が並ぶ。

ユニークなのは、2階のパブリックスペースだ。ここは細長い空間をオープンに利用するのではなく、あえて中央に水回りを配置した構成になっている。

階段を上った先は広い廊下のようなスペースで、奥が水回り。ここを起点に左がダイニングキッチン、右がリビングだ。ダイニングからはリビング全体は見えないが、それがリビングの広さを想像させる。この2つの空間が両翼に離れていることで、全体としての広さが演出できているのである。設計当初はオープンな空間の中で、水回りをどう配置するか悩んだという。それを大胆に中央に配したことが、Kさま邸を素敵に見せている。

白い空間にモダンな家具が小気味よく配置され、シャープな印象のインテリアが空間をすっきり見せていることも、狭さを感じさせない仕掛けとなっている。キッチンと水回りは直結しているから、奥さまの家事動線が効率的で、機能的だ。

また玄関も、ユニークな空間構成のひとつである。というのも、玄関には大きな開口部のある土間が設けられている。土間と仕事場を仕切っているのが市松模様の襖。外からもこの市松模様が見えて、キューブ状の外観と美しくマッチしている。

広くはないからこそ、住む人のこだわりを巧みに反映させることで、快適な空間をつくり出したKさま邸。モダンな中に、ご家族の変わらぬ温かい空気が心地よく流れていた。

アンティークな家具が似合う 落ち着きのある3階建て

[大阪府大阪市 Tさま邸]

住宅街の一角、時折ピアノの美しい音が漏れ聞こえ、ふと足を止めたくなるような家。それがTさま邸です。

可愛らしい植栽に囲まれたアプローチから、カーポートの奥にあるエントランスへ。扉を開けると、そこにはアンティークな家具調度がよく似合う落ち着きのある美しい住まいがありました。

Tさま邸は1階にご夫婦の寝室と和室、2階にダイニングキッチンとリビング、そしてその上に4人のお子さまたちの部屋がある3階建て。エントランス内の素敵なインテリアに感心しながら階段を上ると、リビングもまたシックな色調ながら華やかさのあるアンティーク家具で彩られています。

そしてダイニングにはワインレッドのグランドピアノが置かれ、優雅な雰囲気に満ちています。もちろん、ダイニングテーブルもアンティーク家具。どれも、奥さまが長い年月をかけて丹念に集めてきたものばかりです。
家を新築する際、そうした家具調度がしっくりと調和する空間が欲しかったという奥さま。特にこだわったのが、天井の縁を飾るモールディングでした。

主要な居室や廊下の天井は、ベルギーから取り寄せたモールで縁どられ、空間にやわらかさと華やかさを添えています。また、シャンデリアを支える天井側の装飾材も、イメージに合ったものを取りつけました。ダイニングで奥さまが腕をふるった創作料理をいただき、食後はピアノの音色とともにリビングでくつろぐ。そんな暮らしが見えてきそうです。ちなみに、キッチンとリビングは連続した空間にありながら、それぞれが見えないような配置になっています。

一方ご主人は、アニメキャラクターなどのフィギュアをコレクションするのが趣味とのこと。3階の広いロフトには、おそらく数千体はあるだろうと思われるほど、たくさんのフィギュアがぎっしりと並んでいました。

「当初は少しシンプルすぎるかなと感じましたが、空間をどう自分たちらしくするのかは、住む人次第。家はその器を提供しているだけなんですね。それが理解できるようになってからは、家づくりがより楽しくなりました」とご夫妻。

毎月何度も打ち合わせを繰り返しながら、ご夫妻からの要望とハウスメーカーの提案をすり合わせていく。そんなプロセスから、お互いの深い信頼関係がより強くなったと語ります。
「スタッフの皆さんとは、先日もパーティをしたばかり。1年に1回は同窓会を開くつもりです」とにこやかに語るご主人。
ご夫妻の明るい笑顔が印象的な素敵なお住まいでした。

微気候デザインを採り入れた 明るく心地のよい都市型住宅

[東京都足立区 Iさま邸]

住宅街に位置するIさま邸は、キューブ状の外観が印象的です。白い外壁に、正方形をモチーフにしたサイズの異なる窓がランダムに配置されているのも、外観に素敵なアクセントを添えています。

都内の住宅街のなかでコンパクトな敷地に建つIさま邸は、居住空間をより広く、明るく、心地よいものにするために、さまざまな工夫が凝らされていました。3階建てのIさま邸は、1階はご夫妻の寝室や水回り、2階にリビングやダイニングといったパブリックスペース、3階が子ども部屋という空間構成。なかでもリビングとダイニングが印象的でした。リビングの扉を開けると、まっ先に目に飛び込んでくるのがキッチン。

白くて広いワークトップ、その奥にあるシックなツートンカラーのビルトイン収納は、まるでインテリアのように美しく、Iさま邸のこだわりのひとつとなっています。正方形をモチーフにした収納は、奥さまが収納するものをすべてリストアップし、そのサイズや種類を考慮したうえでつくられたオリジナル。ワークトップに隣接してダイニングテーブルが設置され、効率のよい家事動線も実現しています。

南側に面したリビングには、開口部の配置に工夫が施されています。南側の大きな開口部のほかに、吹き抜けの上にはトップライトを設置。さらに階段空間との間にも大きな窓をつくることで、ここからも光が入ってくる仕かけです。 そのためリビングは、多方向からの光が空間全体に程よく注がれ、いつでも心地よい明るさを確保しています。
同時に、開口部やトップライトを開けると、風がダイニングやリビングを通って上方へと抜けていき、気温の高い時期でも冷房を使用せずに心地よく過ごすことができるといいます。

これは、自然の力を巧みに利用した「微気候デザイン」を採り入れたもの。光と風の通り道をつくることで、自然エネルギーだけでもより快適になるという好例でしょう。また、もうひとつ印象的なのが、階段です。ここも吹き抜けになっているため圧迫感がなく、リビングと外側に面した大きな窓があることで、明るさも十分に確保されています。

特にリビング側の窓は、階段からリビングの様子が見え、逆にキッチン側からも階段を利用する姿が見えるため、ご家族がそれぞれに気配を感じることができると好評です。ほかにも、2階の床に敷き詰められた無垢のかりん材、白い塗り壁、キッチン以外にも豊富にある収納、3階の明るく開放感のある子ども部屋など、Iさまご夫妻のこだわりが随所に生きています。
コンパクトな敷地ながら、広さと明るさを十分確保したIさま邸は、これからの都市型住宅のひとつのお手本になるのではないでしょうか。

 

  • 連載「住まいとお金」ファイナンシャルプランナー 久谷真理子
  • わが家の建てどきガイド
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