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和室のある暮らし ー和室の活用術ー

以前の住まいに比べ、和室が少なくなっているのは、薄暗いイメージがあることが理由の一つかもしれません。それには、窓の位置や障子などが関係しています。現代の住宅スタイルに馴染む、居心地のよい和室を作るには、「和室はこうでなければならない」という固定観念をなくし、思い切って障子を外してみるなど、変化を加えてみるのも一つの方法です。和室作りのポイントを押さえていきましょう。

光を取り入れ明るい和室に

和室では畳に座ることが多いため、座った目線から外の風景が見えるよう、床から40cm程度のところに窓が作られるのが一般的でした。それが、椅子とテーブルのある生活へと変化したことで、椅子に座った目線で90cm程度の高さに窓が作られるようになりました。和室の窓までも90cmの高さになってしまっては、畳に座ると、もはや外の景色は遮られ、視線の先にあるのは壁ということになり、薄暗く、圧迫感のある空間になってしまうのです。光の入る明るい和室にするには、畳に座ったときの視点で、高さ40cm程度のところに開口部をつくることです。家具や飾り物などを置く際も、目線が低くなるよう、なるべく背の高いものを置かないことがポイントです。

もう一つ、和室の薄暗さの原因となっているのが、障子です。障子は引き違いのため、常に一部が閉まっている状態で、全面から光を取り入れることができません。そこで、思い切って障子を外し、リビングとつながりを持たせたり、ロールカーテンやブラインドを取り付けるなど、全面から光が入るようにする工夫で、和室のイメージは大きく変わるでしょう。

開放感を持たせる

リビングと和室につながりを持たせることで、開放感のある空間ができあがります。和室を広く取れない場合も、こうすることで空間に開放感をもたせることができます。リビング・ダイニングで食事をし、食後はごろりと横になれる和室でくつろぐ、といったふうに、洋室と和室を連続した一つのリビングと考えるとよいでしょう。

この際、リビング・ダイニングにあわせ、和室の天井材や壁を洋風に統一することで、部屋に自然なつながりが生まれ、広さを感じることができます。開放感を持たせる洋室と和室との仕切りに変化をつけたい場合は、和室の床の高さを変えてみるのがよいでしょう。つまずくことがないよう、12cm~20cm程度の段差にすると、行き来がしやすくなります。

用途の多様さが和室の魅力

和室は、用途の多様さが大きな特徴です。居間や寝室など日常空間としての活用はもちろん、来客をもてなす客間として、その広さを利用して作業空間や趣味の空間にするなど、多目的に活用することができます。

たまには、ダイニングから和室に食卓を移し、いつもと違う雰囲気を楽しんでみるのもよいでしょう。思いがけない話題が広がるかも知れません。週末には、ご夫婦水入らずで、ワインを楽しみながら、ゆっくり語り合うのもよいものです。また、和室の広さを利用して、着物の片付けや写真の整理など、テーブルの上ではやりづらい作業を広げてできるので便利です。

和のある暮らし ー和室の魅力ー

和室は日本の家屋に特有のものですが、最近ではライフスタイルの欧米化にともない、畳や和室のない住宅もみられるようになりました。その一方で、あえて古い一軒家を探して、現代風にアレンジするなど、和の暮らしを見直そうとする人たちも増えています。和室はさまざまに活用できる機能性と伝統美を兼ね備えた空間のはずなのに、その魅力については意外と知らないことが多いのではないでしょうか。和室の居心地のよさを再確認してみましょう。

和室は自然素材の温もりある「和み」の空間

和室の畳や障子、襖などの役割と素材の特徴を知り、そのよさを見直してみましょう。
和室の空間には、高温多湿の日本の気候風土を快適に過ごすための先人の知恵が活かされています。それぞれの役割と素材の特徴を知り、現代の暮らしにも有効に活用したいものです。

床の間

床の間は、掛け軸や美術品、草花や季節のしつらえなどを飾るためもので、来客におもてなしの気持ちを伝える意味合いもあります。床の間は、部屋の一部を一段高くした床を南向きまたは東向きにとります。

畳は、吸湿性、吸音性、断熱効果に優れた素材で、高温多湿の日本において、1年を通じ室内の湿度を調節する役割のほか、結露やカビを防ぐ効果もあります。また畳のイグサの香りには、森林浴同様の効果があるとされ、香りや天然素材ならではの手触りが、五感に働きかける心地よさもあります。畳は床に比べ弾力性があるので、小さなお子さまが転んでも衝撃が少なく、遊び場所としても活用できます。そのほかにも、畳には、和室の美しさを引き立てる重要な役割があります。床の間の前の畳を、床の間に対して目が並行になるよう敷くことで水平な線が安定感を生み、床の間を落ち着いて鑑賞できるようになります。

障子

床の間と畳を引き立てるのが、外と中をやさしくつなぐ障子です。障子は、和紙を通したやわらかな光を室内に取り入れる日本独自の文化といえます。障子からのやわらかな光は、床の間に飾られた絵や草花を一層引き立ててくれるでしょう。

襖は、部屋の間仕切りや押入れ、戸棚の戸などに用いられます。素材が紙や布のため、吸湿性、吸音性に優れ、ドアに比べて軽いため簡単に外すことができるので、現代の住宅にも取り入れやすいものの一つです。

和室は「和み」の空間

日本人の暮らしが、椅子やソファに座るスタイルになったとはいえ、やはり、畳に座ったり、ごろんと寝転がったときの安堵感は独特のものです。木、布、紙といった自然素材の優しい手触りや素朴な温もりが和室空間に安らぎを与えてくれるのでしょう。現代のライフスタイルに合わせて、もっと気軽に和室を活用してみることで、和室のよさを見直してみましょう。

クリーンな室内環境で快適に暮らす

室内の汚れた空気を効率よく排出する

人が生活しているだけで室内の空気は汚れます。たとえば、ほこりやハウスダスト、タバコの煙など。食品やゴミの臭いなども生活することによって発生する汚れです。快適に暮らすためには、室内の空気を循環させてこれらの汚染物質を外に出すことが不可欠です。

強制的に換気して快適さを保つ

換気とは、部屋の中の汚れた空気を新鮮な外気に入れ替えること。通常は窓を開けたり、キッチンやトイレの換気扇を回して汚れた空気を外に出すことをいいます。昔の住まいは隙間が多く自然に換気されましたが、気密・断熱性が高まった現代の住まいでは、室内の空気を意識して出さないと空気が入れ替わらなくなってしまい、滞留した汚染物質が人に危害を与えることも少なくありません。シックハウス症候群などの原因になることが問題視されるようになって、給気と排気を強制的に行うという機械換気が法律で義務づけられました。住宅の場合、2時間に1回の割合で外気と室内空気の入れ替え(換気)が必要です。新居に効率のよい換気システムの実現を考えてみませんか。

換気システムを導入する

換気にはいくつかの方法がありますが、一般の住宅に使われる方法は2種類。一つは給排気ともにすべて換気ファンを用いる方法で、熱交換型換気システムと呼ばれています。熱交換とは、室内の汚れた空気の排出時に熱の一部を回収して外気に移すこと。室温をほとんど変えずに換気するので熱ロスが少ないことが特徴です。もう一つが給気に換気口を用い、排気を換気ファンで強制的に行う方法です。リビングや寝室など新鮮な空気を必要とするところに給気口を設け、トイレやキッチンなど汚れた空気が発生する場所に排気ファンを設置。各居室に設けた給気口から取り込んだ外気を、家全体に流通させてトイレなどのファンから排出します。

ハウスダストの原因を排除する

室内環境をクリーンに保つには、室内空気を汚す原因を取り除くことです。汚れを引き起こす原因の一つが結露です。結露はダニやカビ発生させ、ハウスダストの原因になります。また、建材や壁紙、家具などから出る有害化学物質も排除したい汚れです。

カビやダニの要因である結露を発生させない

人はそこにいるだけで1時間に約100ccの水蒸気を発生します。また、やかんでお湯を沸かすと1時間に約1500cc、3㎏の洗濯物を室内で干すと1000cc、調理をすると1000ccの水蒸気が発生します。水蒸気は結露を引き起こす原因となります。結露は窓の木部や押入れなどの内部を腐らせ、カビやダニの発生源となります。室内に洗濯物を干さない、調理をするときは換気扇を回すなど普段から心掛けて結露の発生を防ぐことが大切です。

有害化学物質を含まない家具や建材を使う

シックハウス症候群を引き起こすのが、ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などの有機化学物質です。これらは建材や合板、壁紙などの接着剤などあらゆるものに含まれています。最近では有機化学物質の放散量についての安全基準もつくられ、住宅メーカーはこれらを含まない安全な建材を使っていますが、市販の家具などに含まれていることもあります。新しい家具などを購入する場合は、十分チェックして安全な製品を選択することが大切です。

空気の流れを確認して風の通り道をつくる

室内の空気の流れをスムーズにすることが大切です。プランも風が流れるように工夫しましょう。そして、1日に1回は窓を開放して空気を入れ替えると、室内環境をいつも新鮮に保てます。

窓は対角線上に設ける

室内を効率的に換気するためには、一部屋に2カ所以上の窓を設けます。窓はできるだけ対面して対角線上に配置すると入ってきた風は部屋内を巡り、効果的な流れがつくれます。窓は一方を高く、他方を低い位置にするなど高低差を設けると風の流れを起こしやすくなります。温度の高い空気は上部の窓から抜けることも知っておくとよいでしょう。低いところから取り入れた空気は床や畳の湿気も取り払ってくれます。風の出入り口を確保して室内に滞留させないようにすることが大切です。

プランを工夫して風を通す

空気の流れをよくするためにはプランも工夫しましょう。行き止まりのある間取りや窓のない部屋はつくらないように。オープンなプランほど風が通りやすくスムーズな流れがつくれます。また、開き戸(ドア)よりも必要に応じて開け放しておける引き戸を使うと流れを妨げないでしょう。開き戸を使う場合は、ガラリ風のアンダーカットを下部に設けたり、開閉できる欄間付きなどにするとスムーズに空気が流れます。部屋の中に建具などの仕切りを設ける場合は、風が通り抜けるようなルーバーや格子状のタイプを選ぶとよいでしょう。

収納空間有効活用術

入居時はすっきり片付いていた住まいでも、長く暮らしていくうちに、どうしてもモノは増えてしまうものです。かといって、むやみに収納家具を増やせば、それだけ部屋は狭くなります。いらなくなったモノを処分する、"断捨離"(だんしゃり)も大切ですが、収納スペースそのものを見直すことも効果的です。

よく使うモノは、使う場所に片付ける

片付く収納のポイントは「取り出しやすく、片付けやすい」ことです。特に、いつも使うモノは、使う場所の近くに収納することが鉄則。たとえば、食卓で使うランチョンマットが寝室のたんすの引き出しにしまってあったら、取りに行くのも、しまいに行くのも億劫ですよね。出し入れが度重なると、結局は使わない時も出しっ放し...ということになりかねません。食卓で使うモノは食卓のそばに、バスルームで使うものはバスルームのそばに、それぞれ片付けやすいように収納場所を設けましょう。そうすれば、使い終わったモノをすぐに片付けられます。

暮らしの変化に合わせて見直しを

家のどこで何を使うかは、家族の成長によっても変わります。幼稚園に通っていた子供が小学校に進めば、プリントや連絡帳を持ち帰ったり、食卓で宿題を広げたりするようになるでしょう。どうも家の中が散らかり始めた...と感じたら、一度、散らかりがちなモノと、収納場所の関係を見直してみましょう。

たとえば、リビングで宿題をするお子様のために、鉛筆や消しゴムなどの文房具入れを用意したり、身だしなみに気を遣う年頃になったら、洗面台の収納スペースを1人ずつに区切ったりと、変化に合わせて見直すことで、収納の改善ポイントが見つかります。

収納する場所の高さ・位置も大切

「取り出しやすく、片付けやすい」収納にするためには、収納場所の位置や高さも大切です。せっかく使う場所の近くに収納を設けても、踏み台がなければ手が届かなかったり、かがまないと出し入れできなかったりするようでは、やっぱり片付けが面倒に感じてしまうもの。

よく使うものは立ったままでも、座ったままでも、出し入れできる位置に収納するのがベストです。手が届きにくい吊り戸棚には、季節の飾り物や思い出の品など、出し入れの頻度が少ないものを収納しましょう。

モノの大きさに合った収納スペースを

収納スペースの大きさが、片付けるモノの大きさに合っているかどうかも肝心ですね。小さすぎれば片付けることはできませんが、収納スペースが大きすぎても問題です。空間がムダになるだけでなく、空いたスペースについつい余計なものを詰め込んでしまいがち。必要なモノを出すために、まず手前のモノや、上に置いたモノを取り出さなければならない...なんて経験はありませんか?「取り出しやすく、片付けやすい」収納にするには、片付けるモノにあった仕切りを用意したり、可能ならば、高さ・奥行き・深さの合った棚を用意するのがオススメです。

扉や棚など、収納の形状を工夫する

片付けるモノにピッタリの位置や奥行きの収納スペースが用意できない時は、収納の形を工夫するテクニックもあります。たとえば、片付ける高さに合わせた適切な収納形状を選ぶことで、使いやすさをアップさせる方法はいかがでしょうか?かがんで使用するような低い位置では、引き出しなどの収納の方が上からのぞくことができ取り出しやすく、逆に、高い位置だと引き出しは使いづらいですね。高い位置の収納は手前に開く観音開きや、引き戸タイプの収納が適しています。また、片付けるモノに対して収納スペースの奥行きが深すぎる時も、棚ではなく引き出し式にすると使いやすくなります。

広がり演出テクニック - 素材などの演出-

内装の素材、間仕切りなど視覚的な工夫をすることで空間にゆとりを感じさせ、広々とした印象の住まいにすることが可能です。たとえば、各部屋を隔てている壁を、鏡や透明ガラスに変更することで空間に奥行きが生まれます。鏡の映りこみ効果は奥行き感をもたらし、透明ガラスは空間を延長させて広がりをもたらします。上手に取り入れて、同じ面積でも広く見せる工夫をしてみましょう。

鏡の映りこみ効果を利用する

レストランなどを訪れると、鏡を上手に使っているのを見かけます。それほど広くない場所でも鏡の映り込みによって広々と豪華な雰囲気に演出できるのです。この効果をわが家に利用することで狭さを克服することができます。例えばどの家も限られた小さな空間である洗面室や玄関。

ひとつの面に鏡を取り付けることで、空間が映し出されて奥行き感を出すことができます。ダイニングやリビングなど大きな空間でも、壁の一部を鏡貼りにすることで思いがけない広さが演出できます。

POINT

鏡に映りこむ風景を考慮して設置場所を決めましょう。鏡に人物が映りこむと落ち着かないので、座った目線よりも高めの位置に設置するのがおすすめです。

壁をガラスに変える

機能別に分かれた狭い部屋、例えばトイレと洗面室、浴室と脱衣室などの間仕切りをガラスにすることで空間が延長され、広く見せることができます。ガラスは透明ガラスでだけでなく、上半分が透明で下半分は曇りガラス、あるいはグラデーション模様などを選べば適度な区切り感も出すことができます。家族構成やライフスタイルに十分配慮して、どこに採用するか考えるとよいでしょう。

POINT

大きな面積を取りがちなテーブルも、天板をガラス素材にすることで、空間をゆったり見せてくれます。テーブルの脚部は、部屋とのバランスを考慮して、木、スチールなどの素材を選ぶとよいでしょう。床がフローリングの場合は、脚部を木にすると床との調和が取れます。ガラスとスチールは組み合わせやすいので、さまざまな空間に対応できます。

カーテンで天井を高く見せる

天井が高いと圧迫感がなくゆとりを感じられるものです。天井を高く見せるには、部屋の中でも広い面積を占める窓辺がポイントです。縦に伸びる線は高さを強調するので、縦方向に伸びるデザインのカーテンにすることで、窓や天井を高く見せることができます。

間仕切りをなくしてオープンに

機能別に分けた部屋を見直してみることも、方法のひとつ。たとえば、リビングとダイニング・キッチンに分かれている部屋は、仕切りがないと一体の大きな空間となります。家族の顔を見ながら料理ができたり、気軽に家族が料理に参加でき、食を通して家族のコミュニケーションがスムーズになる効果も期待できます。また、トイレと洗面室、浴室と、バスルームを欧米方式のスリー・イン・ワンにするのもひとつの方法です。総面積は変わらず、ゆったりした水廻りスペースが実現します。

スケルトンで存在感を省く

通常壁で囲われている階段を、蹴込み板を省いたスケルトン階段にして、リビングなどに取り込んでしまうのも効果的な方法です。光や風を通すスケルトン階段は、空間が実際よりも広く見えるのが大きなメリット。デザイン次第では空間のオブジェにもなります。そればかりか、2階の個室にいく家族と自然に会話が交わせることも可能です。

前後のスペースを活かせる引き戸

ドア(開き戸)は開閉の際に開く方向にスペースが必要になります。これに比べて横に引くだけの引き戸は、開閉の際のスペースはほとんど必要ありません。かつては、気密性が損なわれるなどのマイナス点もありましたが、最近では気密・断熱性に優れた玄関引き戸も登場しています。玄関ドアをはじめ、室内ドアなども引き戸に変えることで前後の空間を有効に生かすことができ、広がりも得られるメリットがあります。

屋外空間をセカンドリビングに

居間から庭へとデッキやバルコニーを広げていくことで開放的なスペースが生まれます。実際に外に出なくても、バルコニーの床が木に変わるだけで、視覚的に床面積が広がったように感じられます。

  • 連載「住まいとお金」ファイナンシャルプランナー 久谷真理子
  • わが家の建てどきガイド
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