• トップ  >
  • ファイナンシャルプランナー 久谷真理子&税理士 池田里美「住まいとお金」

ファイナンシャルプランナー 久谷真理子「住まいとお金」

久谷真理子(くたにまりこ) 株式会社フリーダムリンク専務取締役
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター 都市銀行にて融資業務を経験。会社設立後は、住宅ローンや相続・不動産などの相談業務および実行支援業務を行う。
また、日本経済新聞(M&I)等にて情報を発信。


池田里美(いけださとみ) 株式会社フリーダムリンク
税理士、ファイナンシャルプランナー。
税理士事務所、大手商社経理部で勤務後、現在は相続・不動産関連の税務、コンサルティング、セミナー講師などを務める。

【第55回】こんな住宅資金贈与、非課税にならないかも!?

2018/08/09 11:00

すっかりおなじみになった住宅取得等資金の贈与税の非課税制度。
身近になりはしましたが、ちょっとしたことを知らずに非課税とならず、贈与税を納めなくてはならなくなった、なんてこともあります。
今回は、非課税対象とならなくなってしまうパターンをいくつかご紹介します。


夫の名義で建てる住宅の資金援助を、妻の両親からしてもらう

夫婦または家族で住む住居、夫がローンを組んで建てるけど、妻側の両親も少しは援助したい。そう思うのは当然です。しかし注意したいのは、「直系尊属からの贈与」が非課税の要件となっていること。夫は対象外です。夫が年間110万円を超える贈与を受けると贈与税がかかってきてしまいます。
非課税制度を受けたい場合は、妻の両親からの援助の分は妻の持分として、共有の名義にする必要があります。

住宅ローン返済のための贈与

いい物件が見つかったので契約を結んでローンを組んだ。でも後からそのことを聞いた祖父母が資金援助を申し出てくれた。ではその資金で繰り上げ返済できるね...。
非課税の要件は、「住宅の取得等の対価に充てるための金銭の贈与」。住宅ローンの返済のために充ててしまうと非課税の適用が受けられません。ご両親や祖父母のせっかくの気持ち。「言ってくれれば良かったのに...」という思いをさせないよう、あらかじめ贈与を受けられるようにコミュニケーションをとっておきましょう。

非課税枠内の贈与だからもらいっぱなし

非課税枠内での贈与だから贈与税はかからない、よかった。
住宅取得等資金の贈与税の非課税制度は、暦年課税の110万円の基礎控除とは制度が違います(併用はできます)。110万円の基礎控除内の贈与は申告が不要ですが、住宅取得等資金の非課税制度は、非課税の枠内でもこの制度を受けるための申告が必要となります。
申告時期の2月3月は、住宅が完成して引っ越した直後の慌ただしいころ、あるいは慌ただしさが一段落して新居での生活に慣れたころと、家族により状況は違うかもしれません。ですが、たとえ結果的に贈与税を納める必要がないとしても、「ゼロである」旨の贈与税の申告書を提出することを忘れないようにしてください。

同じ年に不動産や株を売却している

不動産や株を売却していると即適用できないわけではありません。
非課税の要件として、「合計所得金額が2,000万円以下」というものがあります。
この合計所得金額は、給与や年金だけでなく、株や不動産の売却の所得も合算します。
不動産を譲渡する時には、連載の第54回でご紹介した特例を使って税負担を軽減している場合があります。また、株の譲渡に関しても、損失と相殺して税負担を軽減することができる制度があります。
合計所得金額は、こうした特例を使う前や、損失と相殺する前の金額で計算しますので、住宅取得資金の贈与を受けた年に不動産や株の譲渡をしている場合には、合計所得金額が2,000万円を超えていないか計算して確認してみる必要があります。

平成31年に消費税が10%になるタイミングに合わせて、非課税限度額が一時的に拡大されます。
思わぬ贈与税がかからないよう、非課税になる要件をご自身でまたは専門家に、今一度確認しましょう。

文/ 池田 里美

ソーシャルブックマーク

  • 資金計画が良く分かる!カタログプレゼント
  • ご相談・お問い合わせ