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ファイナンシャルプランナー 久谷真理子「住まいとお金」

久谷真理子(くたにまりこ) 株式会社フリーダムリンク専務取締役
ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター 都市銀行にて融資業務を経験。会社設立後は、住宅ローンや相続・不動産などの相談業務および実行支援業務を行う。
また、日本経済新聞(M&I)等にて情報を発信。


池田里美(いけださとみ) 株式会社フリーダムリンク
税理士、ファイナンシャルプランナー。
税理士事務所、大手商社経理部で勤務後、現在は相続・不動産関連の税務、コンサルティング、セミナー講師などを務める。

【第65回】相続時精算課税

2020/04/09 11:00

「親や祖父母から住宅資金の贈与を受ける場合は最大4,000万円まで贈与税がゼロ」といったことを耳にすることがあります。

これは住宅取得等資金の贈与税の非課税制度に加えて、相続時精算課税という制度を使った場合のことです。この相続時精算課税とはどのような制度なのか、注意点なども含めて見ていきます。

※ 2020年4月から2021年3月までの請負契約による贈与の場合


1.相続時精算課税とは

相続時精算課税制度は贈与税の原則である暦年課税制度との選択となります。この制度を選択すると、60歳以上の親又は祖父母から20歳以上の子や孫へ贈与した財産の額には、2,500万円までは贈与税が課税されず、2,500万円を超えた部分の額についても一律20%の税率となります。

その贈与される財産が住宅取得用資金であるなら、贈与者である親又は祖父母が60歳未満であっても適用を受けることができます。ただし、一度この相続時精算課税制度を選択すると、以後、その贈与者との間の贈与については暦年課税制度に戻すことはできません。

2.住宅取得等資金の贈与税の非課税制度と併用できる

相続時精算課税は、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度と一緒に使うことができます。

2020年4月から2021年3月までの請負契約による贈与であれば、最大1,500万円までの住宅取得用資金の非課税限度額が使え、それを超える金額の贈与ではさらに2,500万円まで相続時精算課税制度により贈与税がかからないことになります。

つまり合計で最大4,000万円までの住宅取得用資金に対する贈与税がゼロということになるのです。

3.注意点もあるので適用には気をつけて

住宅取得用資金の非課税制度は、贈与された金額のうち非課税限度額内の贈与については以後税金の対象となることはありません。相続税とは関係なくなるので、贈与によって節税につながります。

これに対し、相続時精算課税により贈与された金額は、贈与税がかからない2,500万円までの贈与額でも、相続時に相続財産として計算されるので、節税になるとは言えません。他の財産の額によっては相続税がかかることもあります。

また相続時精算課税は住宅取得用資金の非課税制度とは別の制度なので、非課税の添付書類とは別に、届出書や一定の書類の提出といった手続きが必要となります。

さらに一度選択すると、暦年課税の110万円の基礎控除が使えません。つまり、選択した贈与者とのそれ以後の贈与については、毎年110万円以下の贈与でも申告が必要となります。

相続時精算課税は、相続人となるであろう子や孫に、先に財産を渡せるというメリットがあります。また、住宅取得用資金の非課税制度とも併用できるので、大きな出費となる住宅取得の時に、まとまった資金を援助できます。

しかし、非課税制度とは違う制度なのでその延長のようには考えず、相続時精算課税のしくみや特徴を理解した上で、使うか使わないかを慎重に検討するようにしましょう。

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