[京都府京都市 Kさま邸]
住宅に制限を設けて景観を維持している京都。ぴたりと住宅が隣接し合う京町家は、伝統的な造りをいまに伝える代表的な都市型住宅といえる。
Kさま邸も例外ではない。間口をぎりぎりまでとってはいるが、基本的には細長い敷地に建つ京町家。ただし、異なるのはそのキューブ状の外観と、居住空間での工夫である。ご夫妻は「四角い」ことにこだわりがあったという。
1階はご主人の仕事場、2階がダイニングキッチンとリビングのパブリックスペース。そして3階に、寝室などの個室が並ぶ。
ユニークなのは、2階のパブリックスペースだ。ここは細長い空間をオープンに利用するのではなく、あえて中央に水回りを配置した構成になっている。
階段を上った先は広い廊下のようなスペースで、奥が水回り。ここを起点に左がダイニングキッチン、右がリビングだ。ダイニングからはリビング全体は見えないが、それがリビングの広さを想像させる。この2つの空間が両翼に離れていることで、全体としての広さが演出できているのである。設計当初はオープンな空間の中で、水回りをどう配置するか悩んだという。それを大胆に中央に配したことが、Kさま邸を素敵に見せている。
白い空間にモダンな家具が小気味よく配置され、シャープな印象のインテリアが空間をすっきり見せていることも、狭さを感じさせない仕掛けとなっている。キッチンと水回りは直結しているから、奥さまの家事動線が効率的で、機能的だ。
また玄関も、ユニークな空間構成のひとつである。というのも、玄関には大きな開口部のある土間が設けられている。土間と仕事場を仕切っているのが市松模様の襖。外からもこの市松模様が見えて、キューブ状の外観と美しくマッチしている。
広くはないからこそ、住む人のこだわりを巧みに反映させることで、快適な空間をつくり出したKさま邸。モダンな中に、ご家族の変わらぬ温かい空気が心地よく流れていた。
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