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ソメイヨシノ以外にも目を向ければ 長く、個性を楽しめる「桜」たち

お花見といえば桜、桜といえばソメイヨシノ?

エドヒガン

3~4月はお花見シーズン。今では桜といえばソメイヨシノを思い浮かべる人が多いと思いますが、実は桜には様々な種類があります。約10種の原種とそこから生まれた変種を合わせると100種類以上の野生種があり、さらにそれらから生まれた栽培品種は200を越えます。分類によっては600種類以上といわれるバリエーション豊かな桜の種類と、その特徴や魅力についてご紹介します。

ソメイヨシノのルーツでもある代表的な桜の原種

オオシマザクラ

今の日本で最も代表的な桜はソメイヨシノでしょう。現在、桜の約8割を占めるといわれています。ソメイヨシノは江戸時代末期に、染井村(現:東京都豊島区)の植木職人が作り出した品種です。エドヒガンとオオシマザクラを交配させたものと推定されています。見た目が華やかで成長も早いので、明治時代以降、全国で植えられるようになりました。
親に当たるエドヒガンは原種の一つで、春のお彼岸頃に開花します。長寿で各地に巨木や名木があり、樹齢2000年に達するものもあります。日本三大桜は、いずれもエドヒガンの系統です。

枝垂れ桜

また、枝が柳のように垂れ下がる"枝垂れ桜"の多くは、エドヒガンの変種だそうです。
もう一方の親のオオシマザクラも、原種の一つ。ソメイヨシノやエドヒガンと違って花と葉が同時に開き、白く大きな花をつけます。桜餅を包む葉は、オオシマザクラの葉を塩漬けにしたものです。

シロヤマザクラ

ソメイヨシノは当初、「吉野桜」の名で売り出されていました。古来桜の名所である奈良県吉野山の桜をイメージした命名です。しかし、吉野山の桜の多くはヤマザクラ(別名:シロヤマザクラ)であり、誤解を生むとのことでソメイヨシノに改められました。ヤマザクラは最も代表的な原種で、古くから詩歌に詠まれている桜はこのヤマザクラです。

早咲き、八重咲き、花の色...特徴的な桜の種類

カンヒザクラ

早咲きの桜としてはカンヒザクラが有名で、1~3月が見頃です。濃いピンクの釣り鐘状の花が、下向きに咲きます。原種の一つに数えられることもあり、多くの品種の母種になっています。沖縄で桜といえば、この花を指すそうです。

八重桜

「八重桜」は特定の品種を指す言葉ではなく、通常の5枚より多くの花びらをつける桜の総称です。全体的に開花がソメイヨシノより1~2週間遅く、また開花期間が長いのが特徴です。

ウコンザクラ

桜といえば濃淡はあれど、ピンク色のイメージですが、黄~緑色の桜もあります。ウコンザクラ(鬱金桜)は淡い黄~黄緑色の花を、ギョイコウザクラ(御衣黄桜)は淡い緑色の花をつけます。いずれも、開花後時間とともに、徐々に中心から赤みを帯びていきます。

ギョイコウザクラ

このように、ちょっと目を向けてみれば、様々な桜が春の間中咲き誇っています。パッと咲いてパッと散るソメイヨシノも美しいですが、個性豊かな桜たちをじっくり愛でるのもおすすめです。

緑のカーテンで夏の季節を涼しく快適に

夏の季節を涼しく過ごすには、建物の外側で陽射しを遮断し室内に熱を入れないことが大切です。窓ガラスの遮熱性能を高めることも一案ですが、ここでは植物の力を借りた「緑のカーテン」に注目してみましょう。 「緑のカーテン」とは、アサガオやヘチマ、ゴーヤなど、ツルを巻きつけながら成長するツル性植物を窓の外側に這わせて作る天然のカーテンです。すだれのように伸びたツルが日差しを遮り、葉っぱの隙間から涼しい風を運んでくれるので、エアコンに頼らず夏を涼しく過ごせることから省エネ効果も期待されています。


緑のカーテン涼しさの仕組み


では、なぜ、植物を窓の外に這わせることで涼しくなるのでしょうか? 植物は、土から水を吸い上げて、根から葉っぱへと水分を行き渡らせます。この水が葉っぱから蒸発する際、周りの熱を奪うため、冷却効果が起こって温度が下がります。これが蒸散作用といわれる、緑のカーテンが涼しく感じる仕組みです。私たちが暑いときに汗をかくのと同じようなものです。


これからの季節がベストタイミング


夏までに緑のカーテンを作るには、3月下旬〜5月上旬に種を撒くのが適しています(地域によって異なります)。苗から始めるなら5月中旬〜下旬でも間に合うでしょう。花を楽しみたい方には、アサガオ、フウセンカズラなど。収穫の喜びを味わいたい方には、キュウリ、ゴーヤ(にがうり)、ヘチマ、ひょうたんなどがおすすめです。


緑のカーテンを作るアイテムをご紹介

自作の緑のカーテンも風情がありますが、本格的に緑化をお考えの方には、風雨に強いエクステリアアイテムをおすすめします。「M-Wood2」は、木の質感はそのままに、抜群の耐朽性、耐水性、加工性などを実現したリサイクル木素材です。メンテナンスも簡単で、腐朽の心配もないため、エクステリアに最適です。

M-Wood2 化粧柱+追加緑化パネル

アルミ製の立体的な格子パネルにより、モダンな外構を演出。つる植物をつたわせることができ、エコロジーな外構デザインを提供できます。

緑化ルーバー

外部からの視線を遮りながら光や風を取り入れ、同時に緑化による豊かな中間領域を形成することができます。

「空中庭園」とつながる2階リビング 道路側を閉じ、内部に景色を創り出した家

[東京都 Kさま邸]

白い石張りのスクエアな外観が印象的なKさま邸。車の往来の多い道路側の外壁にあえて窓を設けず、そそり立つ壁のように仕上げたデザインはまるでモダンアート建築のよう。
奥に伸びるお住まいの中央に土壁風の外壁をあしらい、その2階部分をパティオ(中庭)にして、内側に緑豊かな庭の景色を創り出しています。

「子どもたちが巣立った今、夫婦二人で末永く心地よく暮らせる美しい住まいにしたくて、素材にもプランにも工夫を凝らしてもらいました」とKさまは微笑みます。
白い大理石調フロアの玄関ホールは、タイル壁に黒いアイアンのスケルトン階段がオブジェのように映える洗練されたデザイン。

階段を上がると、そこには同じ白い大理石調フロアで統一された伸びやかなLDKが広がっています。折り上げ天井で高さを出したダイニングとリビングは、天井に間接照明も組み込んで優美な雰囲気に。

LDKは空中庭園のようなパティオを挟んで、道路側に設けられたゲストルームと向かい合う間取りになっています。道路から奥まった東側に配置されているため、車の騒音も聞こえず、静かな環境でパティオの緑を眺めてくつろげます。

浴室の窓の外に坪庭風のバスコートをしつらえたのも見どころです。リビングの階段壁のスリット窓からもバスコートが見えて、差し込む光が玄関ホールまで届きます。
「外からの視線や音も気になりませんし、全館空調で家中どこにいても温度差がなくて快適です。開放感があってゆったりと過ごせるから、心にもゆとりが生まれました」とお喜びのKさまご夫妻です。

玄関アプローチ

ホテルライクな落ち着き漂う1階の寝室

持続可能なまちづくりと「つながり」をつくる住まい東京都立大学教授 都市計画家饗庭 伸

多くの社会課題を抱える現代、これからのまちづくりはどうあるべきなのか。東京都立大学の教授として、都市計画について研究している饗庭伸さんにうかがった。

住まいは新技術を運ぶ乗り物

── 饗庭先生が感じているこれからの住宅地における課題とは、どんなものでしょう。

饗庭 住民の高齢化や、福祉医療サービスの増加への対応をどうするかなどですね。郊外の住宅地では人口が高齢者に偏り、住人同士のコミュニティがないという問題もあります。高齢になった住民が孤立し、近所に知り合いがいないという状態が生まれています。

都市開発の代表例である「多摩ニュータウン」。東京西南部の多摩丘陵に位置し、八王子、町田、多摩、稲城の4市にわたって開発された。戦後の高度経済成長期、東京の深刻な住宅難に伴って既成の市街地から周辺へと開発が拡大。乱開発を防ぎ、居住環境を考慮した宅地や住宅を大量に供給するために計画されたのが「多摩ニュータウン」だ。現在は、人口約22万人。住宅をはじめ、商業、教育、文化といった多様な施設が立地する多摩地域における複合拠点となっている。

── 解決には、人と人がもっとつながる状況が必要でしょうか。

饗庭 確かにつながりは大切ですが、それだけに頼っていてはパワーが足りません。情報や技術でサポートする都市計画が必要だと考えています。住宅地は長い年月をかけてゆっくりと変わっていきます。放っておいたらなんとなくバッドな状態になってしまいますが、バッドをベターにするのが技術の役割です。まちに埋め込まれる新しい技術は、4つの乗り物に乗ってやってきます。乗り物とは、「住宅」、「クルマ」、「家電製品」、「スマートフォン」です。たとえば住宅なら、ヒートショックを防ぐ浴室といった技術。自動運転とセンサーを組み合わせたクルマなら、高齢者の徘徊の発見・見守りにも活用できます。

── 住まいの役割は大きそうですね。

饗庭 古い住宅地の場合、新しく家を建替えた人は技術の恩恵を受けられますが、一方で古いままの家もあるので、そのままでは問題を解決できません。そこで提案したいのが、新しい技術を埋め込むときに、その周囲にも技術を入れていくことです。Wi-Fiを考えるとわかりやすいですね。一つのWi-Fiを複数で使い合えれば、すべての住民が持っていなくても、ある程度の台数があればまち全体をカバーできます。今はパスワードで管理される時代ですから、実際に個人のWi-Fiがそのように使われることは考えづらいですが、イメージとしてはそういうことです。

▪賢い都市計画の実践新築されたマイホームや入手した新車、家電製品の導入、スマートフォンによって埋め込まれた都市を支える技術が、まち全体にどのように広がっていくかを示した模式図。Wi-Fiに例えると理解しやすい。

持続可能なまちづくりのために

── 住宅メーカーに期待することはありますか。

饗庭 持続可能なまちづくりのためには、住宅メーカーがタウンマネジメント組織を立ち上げておいて、その運営のためのお金も分譲価格に含んで販売することが大事だと思います。まちの運営には意思決定が必要となりますから、意思決定できる組織の基盤をつくっておくことも大事です。それと先述した技術をどう導入していくか。自分の新しい家に埋め込まれた技術がまちのためにも使われますが、その恩恵はあなた自身にも返ってきますと、そこをしっかり理解してもらったうえで販売していただくことが望ましいですね。

▪住宅地はどう変わっていくかライフステージによる暮らしの変化と、暮らしを支える技術について表したグラフ。都市計画には、地域ごとに必要な技術を埋め込むことが必要だという。

── これからのまちづくりのビジョンを聞かせていただけますか。

饗庭 歴史を振り返ってみると、都市計画のなかで住宅は伝統的に守られる存在でした。たとえば、工業地帯と住宅を切り離して、住環境をよくするといった具合ですね。工場やお店がどんどん増える時代でしたから。ところが今はその関係が逆転し、工場やお店の跡地に住宅が建てられています。働く場所がないのに住宅地ばかりが増えていくことには疑問を感じています。暮らしの空間だけで独立させるのではなく、モノを生産する場所や仕事の場所と住宅をどう接続させるかを考えることも、とても大事です。

▪これからの住宅地の課題は何かこの20年間、都市がどの世代の暮らしと仕事を支えてきたのか、東京都を例に表したグラフ。人生100年時代、高齢者を含めて仕事を意識した住宅地づくりが求められている。

── 生産の場所が接続するメリットとは何でしょうか。

饗庭 わかりやすいのは農業ですね。1年間で農作物が育つのを観察でき、食べ物ができていく過程を実感できます。住宅地が近ければ、窓からぼんやり眺めることもできますし、子どもにとっては最初に刷り込まれる環境として良好な影響も与えてくれるでしょうね。

── 住まいづくりを考えている方にとっては、どんなまちを選ぶかという意味でも参考になります。

饗庭 伸(あいば・しん)

東京都立大学教授/都市計画家
1971年兵庫県生まれ。東京都立大学 都市環境科学研究科 都市政策科学域教授。都市の計画とデザイン、そのための市民参加の手法や市民自治の制度、NPOなどについての研究を行っている。主な著書に『都市をたたむ~人口減少時代をデザインする都市計画』(花伝社)、『白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか』(共著、学芸出版社)などがある。

  • 連載「住まいとお金」ファイナンシャルプランナー 久谷真理子
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